update 2024/11/27


SWEDEN FINLAND NORWAY DENMARK FAROE ICELAND

表示金額は全て税込みです

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SC-0621 ABLUTION / Same CD \2600
 初CD化。JAN SCHAFFER(G)、PETE ROBINSON(Key)、JOHN GUSTAFSON(B)、BJORN J:SON LINDH(Flute)らのスーパー・メンバーによる74年ジャズ・ロック作。ドラマーもかなりのテクニシャンで、凄まじいギターソロや高速キーボードに噛みつくフルートなど、それぞれの高度なパフォーマンスが絡み合い呼応する圧巻の演奏を聴かせるウルトラ級の内容だ。曲によってはもう破綻寸前のところまで行き、あと半歩のところをスリリングにバランスを取るなど、テンションが上がった時の猛烈さは筆舌に尽くし難い。リマスター。
SC-0467 AGENTS OF MERCY / The Fading Ghosts Of Twilight - 2013 Edition CD \2500
 全12曲の内、4曲をリミックスにて09年デビュー・アルバムが再発。ロイネ・ストルトが温めていたソロ作にハケット・バンドでヴォーカリストとして来日したナッド・シルヴァンが加わり、他のフラワー・キングスのメンバーらも巻き込み、70年代のシーンに捧げられたような本格的シンフォニック・ロック・プロジェクトへ発展した注目作。メロトロンなどヴィンテージ楽器の他に、アコギやピアノもリリカルに使用され、フラワー・キングスに近い感触ながらより初期ジェネシスにあったロマンチックさを取り込んでおり、幻想感や中世の憧憬がミステリアスに立ち込めてくる。ジェネシス系シンフォ・ファン必聴! *デジパック&ブックレットは09年版を使用。リミックスは1、7、10、12曲目の4曲。
SC-0388 AGENTS OF MERCY / DramaRama CD \2500
 ロイネ・ストルトが敬愛する70年代初期のシーンに捧げられたプロジェクトの2作目となる2010年作。ヴォーカリストとのユニット的な前作からメンバーを絞り、キーボードでLALLE LARSSONが参加するなどよりバンドとしての体制で録音。ヴォーカルがフィル・コリンズ似なのでどうしてもジェネシスを思わせるが、シンフォニックなインスト・パートはロイネらしい鮮やかな陰影を持ち、部分的にはフラワー・キングスにも置き換えられそうな出来となっている。中盤のアコースティックな曲、ポップな曲もアルバム・コンセプトにぴったりだ。デジパック。
SC-0637 AGUSA / Noir CD \3500
 リリカルなフルートとストリングスやオルガンらの深淵なキーボードにマジカルな音色で繰り出すギターで北欧幻想をプログレッシヴに紡ぎ出す2024年作。メンバーの友人の自主映画の為に作ったサウンド・トラックを基にバンドのアルバムとして完成させたもので、短編をつなぎ合せ長編のコンセプト作として仕上げられている。カンタベリー・タッチのサイケデリックさと近年のロマンチックなシンフォ色が融合されたスウェーデンならではの作風に、ジャージィなピアノや、アコギ、リコーダーなど21世紀アレンジの緻密さを通したクオリティーは極めて高い。キャメルも思わせる月夜の叙情と嵐のようなサスペンス。闇が過ぎて一気に光が差し込む荘厳なラストでの混沌を振り落としていくギターの泣きがドラマチックだ。ボーナス5曲入りデジパック。
SC-0002 ALGARNAS TRADGARD / Framtiden Ar Ett Svavande Skepp Forankrat I Forntiden CD \2500
 古くから知られてきた、アヴァンギャルド・プログレ・トラッド作品。72年リリース。中世ロマネスク的な重厚感に立ち込める闇黒の様相。ヴァイオリン、チェロ、ギター、オルガン、ピアノ、ハープ、フルート、民族楽器、曲によって女性ヴォーカルも入る。UNIVERS ZEROファンへもおすすめ。
SC-0569 ALL TRAPS ON EARTH / A Drop Of Light CD \2800
 北欧から超の付く驚愕アルバムが登場! ANGLAGARDのベーシストのJOHAN BRANDによるプロジェクトで、ANGLAGARDのオリジナル・キーボーディストのTHOMAS JOHNSONを迎え、バンドメイトの強力ドラマーや、英国シンフォ・バンドのTHIEVES' KITCHENのギタリスト、さらに、フルート、トランペット、クラリネット、サックスなど管楽器セクションを加え制作。ANGLAGARDをより複雑化したサウンドで、メロトロン、オルガン、シンセ、ピアノ、クラヴィらのキーボードにフリップを彷彿させるギターを配し、妖しい暗黒の叙情を秘めた崩壊の美学を描いている。ハードな攻撃性はアヴァンギャルドに狂い、かつ、妖精のような女性ヴォーカルもフィーチャーするなど北欧ならではの幻想色が渦巻いた深みが圧巻! まさに北欧神話の如く。見開き紙ジャケット。
SC-0635 ANDREAS AARFLOT / Det Rivna Pianot CD \2850
 初CD化。スウェーデン語で歌うコケティッシュな女性ヴォーカルをフィーチャーしたカンタベリー系ジャズ・ロックの78年作。ピアノ、オルガン、サックスをプレイするマルチ・ミュージシャンの唯一のソロ作で、タイトなリズム・セクションに曲によってフルートも配し、ペッカを思わせるコンテンポラリーなスタイルから中盤のようなシンフォニックな叙情も見せるナンバーまで、ギターの卓越した弾き込みと泣きやクラシカルなチャーチ・オルガンも交え聴かせる完成度の高い作品だ。全編で北欧の涼し気な空気がなんとも心地良い。リマスター。
SC-0003 ANEKDOTEN / Vemod CD \2300
 ANGLAGARDに続いて、93年にリリースされた衝撃のデビュー作。メロトロンを大胆にフィーチャーし、70年代のKING CRIMSONに迫る圧倒的なそのサウンドは、眠っていた世界中のプログレ・ファンを呼び起し、また多くのクローンを生み出した。そして、現在に至る新たなプログレ・シーン、ブームの火付け役となった。
SC-0595 ANEKDOTEN / Nucleus CD \2300
 <2020年リマスター&デジパック>95年リリースの2nd。ハードなギターに劇的なメロトロンや凶暴なベースなど、より屈指し、全体を通してかなりヘヴィな印象を受ける。この時点で多くのクローン、フォロー・バンドが出現したため、彼ら自身も脱クリムゾンのオリジナリティーを探し求めた結果だと言える頂点を目指した超力作! 耽美な邪悪さがたまらない。新規ボーナスとして09年のベスト盤「CHAPTERS」に収録されていたデモ3曲を収録。注*04年盤ボーナスの「Luna Surface」は未収録。04年盤は廃盤ですが、まだ在庫が数枚ございます。(SC-0004)
SC-0594 ANEKDOTEN / From Within CD \2300
 <2020年リマスター&デジパック> 99年リリースの3rd。ヘヴィさが目立った前作に比べると、メロトロンの特性を生かしたダークで沈み込むようなミディアム・テンポの曲が多い。クリムゾンのDEVILS TRIANGLEを思い出させる。まさに深淵なドラマチックさが号砲の如く炸裂し、いつまでも冷めない余韻が渦巻く。闇の叙情美学が結実している。追従バンドが多かった当時、改めてオリジナリティーを追求した彼らの姿がここに。アコースティックなラストにも注目。屈指の名作!
SC-0179 ANEKDOTEN / Gravity CD \2300
 03年4th。ややもするとスタイルが限定される、メロトロンをフィーチャーしたクリムゾン風の泣きのヘヴィ・シンフォを、どう進化、発展させるかが鍵となる彼ら。それをファンの期待を裏切らず、ものの見事に、2ndで進化、前作3rdで発展を誇示した。本作ではPAATOSという最大のライバルの出現が影響してかどうかわからないが、旋律を美しく磨く作曲面で懐が深くなった。ダークな間が美しくて、メロディーに痺れる。
SC-0292 ANEKDOTEN / A Time Of Day CD \2300
 07年5th。全体にダークさが多彩なベクトルを持ち、メロトロンも今まで通り強力なものの、クリムゾンの古色からコンテンポラリーなメランコリックさへ哀愁感が変化しており、バンドとしての色付けをより魅力的なものとしている。シーンに反応した、このあたりの調整は流石。そして、彼ら流に磨かれた愁いとメロウさが淡く散る。前作同様に曲も良く、カンタベリー風のオルガンやゲストのフルートの好プレイが過去と違った印象を与え、よく知っているバンドのはずなのに新鮮さも十分。ずばり傑作! 初回限定デジパック盤。
SC-0504 ANEKDOTEN / Until All The Ghosts Are Gone CD \2500
 誰しもが別格と唸るだろう、8年振りにリリースされたクリムゾンへの回帰を見せる2015年作6th。スタイリッシュなダークさと言うか、20年以上活動しているバンドならではの成熟と風格を感じさせる内容で、メランコリックだった前作をよりシンフォニック・ロック化させたサウンドになっている。メロトロンが今まで以上にドラマチックにフィーチャーされ、オルガン、ローズ、アコギ、フルート、ヴィブラフォンなどアレンジの繊細さも絶妙だ。妖しいイントロから一気に荒涼としたインパクトが押し寄せるラストはサックスも導入され、不穏な終わり方が、これ又たまらない。デジパック。
SC-0359 ANGLABARN / Same CD \2500
 フォーク系のデュオによる73年の作品で管弦やリズム・セクションもフィーチャーし、北欧のリリシズムを聴かせる。美しいピアノやアコギをバックにスウェーデン語で切々と歌われ、メロトロンかと思わせる古風なストリングス・オケやポップ調の女性コーラスも加わる。コレクターズ・アイテム的な雰囲気を漂わせているがアレンジや録音はきちんと成されており、あまりサイケ色は持たず、どちらかと言うとプロコル・ハルムやムーディ・ブルースあたりが浮かんでくる。実際にアルバム・ラストはサテンの夜のカヴァー。暖かな冷気がある。73年のシングルから2曲のボーナス入り。リマスター。
SC-0561 BATTRE LYSS / Till Den Strang Som Brast An Att Aldrig Spanna En Bage CD \2800
 初CD化。ex.LIFEらのメンバーで結成された正統派ハード・プログレ・バンドが75年にリリースした激レア作。マイナー・レーベルからの作品であったものの録音やプロデュースは良く出来ており、ガツンとした迫力のハード・ロックからピアノをバックに切々としたヴォーカルを聴かせる曲まで、時にはUKポップの影響も見出せる内容だ。スウェーデン語のヴォーカルや硬質の哀愁ギターは同国のSAGAあたりも思わせ、曲によってオルガンやフルート、サックスも入る。メンバーによるリマスター。
SC-0511 BIB SET / It Wasn't Meant To Happen... CD \2600
 初CD化。ハモンドがダークな凄みを持って唸る彼らの69年唯一作。オークションにもめったに出ないメガレアだ。同国のHANSSON & KARLSSONを思わせるサウンドだが、こちらはギタリストも加わった4人編成。ソウルフルなヴォーカルをフィーチャーし、ギターが絡むものの、あくまでもメインはレスリーを通した存在感たっぷりのオルガン。エマーソンのようなタイプではないものの、どんより、そして重くのしかかるヘヴィさはスウェーデンならではと言え、感覚に酔うような暗いインプロが溶岩流の如く展開されていく。リマスター。
SC-0452 CARPTREE / Man Made Machine CD \2700
 入手困難だった05年の名作3rdがデジパックで再発。この国の傑作群へエントリーされるであろう、美しいモンスターの誕生と当時レヴューした作品だ。その評価は今も変わらない。スタジオ・ワークを駆使した壮大なスケール、トニー・バンクスのようなキーボードの壁とそこへ封じ込めたミステリアスでロマンチックな雰囲気。ヨーロッパの没落貴族的なデカダンと甘美な夢がシンフォニック・ロックとなってあふれ出る。クラシカルな合唱団、リリカルなピアノ、切々としたヴォーカル、メロトロンを上手く取り込んだ本格的なオーケストレーションなど、本当に良く出来ている。自主盤。
SC-0289 CARPTREE / Insekt CD \2700
 07年作4th。迫力がアップし、核心へ迫るリアルさが見事に描き出された。深い闇から解き放たれるファンタジーが容赦なく襲い掛かり、ドラマチックという言葉がちっぽけに感じるほど。荘厳な混声合唱団、うなりを上げるピアノ、しなるシンセ、優美なメロトロン、エニド張りのオーケストレーション、重厚なリズム・セクション、デカダンなヴォーカルなど基本は前作と同じだが、素材が多くなり、少しヘヴィになり、アレンジと曲構成が複雑になった。さらにゴシック風味も妖しさを増し、モンスターは自我に目覚めた。寒気がするほど美しい。自主リリース。
SC-0387 CARPTREE / Nymf CD \2700
 必聴! 2010年作5th。のっけから迫力というか気迫が違う。彼らはどこまで進化するのか。曲のタッチが明確になり、ミステリアスでロマンチックながらもその力強さは半端じゃない。デカダンな夢を打ち砕き、ヨーロッパの真の亡霊が立ち上がるような光景に包まれる。怒涛のオーケストレーションから抜け出てくる甘美なギターやリリカルなピアノの一時の静寂、夜空を切り裂くドラゴンのようなシンセ、苦悩と恍惚のヴォーカル、天使の混声コーラス、完ペキなドラマチックさ。美しい悪夢の中で戦いを始めたモンスターはもう止められない。自主盤デジパック。
SC-0543 CARPTREE / Emerger CD \2700
 超傑作の「Nymf」後の沈黙を破り7年振りにリリースされた2017年作。結成以来の2人を中心にバックミュージシャンで構成されたNO FUTURE ORCHESTRAを加えた、いつもの編成にて、アナログ楽器やアナログ機材にこだわった録音で制作されたという。たしかにギターや重厚なベース&ドラムスなどロックバンド然とした存在感があり、生の実体が迫力と共に感じ取れる質感に仕上がっている。加えてダーク・ファンタジーが無数に張り巡らされた怒涛のサウンドとヒューマンなヴォーカル&コーラスの融合が物を言い、スペクタクルな長編映画ような光景がまるで3Dパノラマの如く押し寄せてくる。デジパック。
SC-0565 CARPTREE / Subimago CD \2700
 唯一無二のシンフォニック・ロックを開拓する2018年作。姿が見えない知性が生み出したような傑作をリリースし続ける彼ら。前作で現れたフィジカルなバンド感をヘヴィに押し進めた作風で、コアの2人を中心にバックミュージシャンで構成されたNO FUTURE ORCHESTRAを加え、新たなスタイルを見せる1曲目から壮大なファンタジーが繰り広げられていく。まるで異次元の様相が渦巻く中、メロトロンや妖精の如き女性コーラス、エモーショナルなギター、そして切々としたヴォーカルが醸し出すノスタルジックさが織り成す。多元の世界が映し合った恐ろしいほど深いドラマ。デジパック。
SC-0460J DICE / Same CD \3450
 「ダイス / 北欧の夢」 <リマスターSHM-CD・限定紙ジャケット> 78年リリースの北欧シンフォの必聴傑作。多彩なキーボードと美しいギターが変拍子をタイトに繰り出すリズム・セクションと一体となり、緻密に織り成すカラフルなサウンドは非常にイマジネイティヴ。叙情性とスリリングさが見事に計算され、アルバムの中に夢のように構築されている。鮮烈さではカイパの上を行く。解説・歌詞・対訳付き。国内盤
SC-0631 EXIT STAGE LEFT / Appleberry Trees CD \3200
 スウェーデンらしい透明感のあるキャッチーなシンフォを聴かせる2023年デビュー作。ギター&ヴォーカル、キーボード、リズム・セクションの4人編成で、ラッシュのアルバムからバンド名を取っている。イエス、ジェネシスらの影響も語っており、タイトでテクニカルな演奏はスウェーデンの若手ミュージシャンならではだろう。シンセ、ピアノ、オルガンらとメロディ重視のギターに堂々としたヴォーカルをフィーチャーし、もしコーラスを多用していたならムーン・サファリのきらきらとした清涼感を例えに挙げれるかもしれない。ゲストでフルートを配し、前半はポップな印象もあるが、プログレ然とした展開を見せる中盤はスカンジナヴィアン・ホープとして十分な手応えを見せる。フレッシュな構築型の叙情派。早くも次作が待ち遠しい! 紙ジャケット自主盤。
SC-0617 THE FLOWER KINGS / By Royal Decree - Limited Digipack Edition 2CD \2800
 近年作に続き2枚組でリリースされた2022年作。前作はリモート録音だったが本作では2作振りにスタジオへ入り、生のディスカッションを交わし、アナログ録音にこだわり生のバンドの音をダイナミックに収録。制約から解き放たれた開放感と冒険のようなスリリングさがあり、多彩なアレンジと多様な曲想を見せる。ハモンドやメロトロンなどのヴィンテージ色、力強いヴォーカル、スタジオ録音ならではの仲間と触れ合う遊び心やコーラスの多用をギターが結んでいく。インスト・ナンバーも交え、ディスク1の後半ではスウェーデン色のカイパを、ディスク2の中盤ではイエスのような神秘を漂わせ、ピュアなフォークやスタイリッシュなジャズ、最後はブルースまで、まさに70年代に探求したルーツを幅広く反映。かなり時間を費やしたであろう超力作となっている。ハケット・バンドのロブ・タウンゼンド(管楽器)がゲスト参加。3面開きデジパック限定盤。
SC-0643 THE FLOWER KINGS / Live In Europe 2023 CD \3800
 2023年10月オランダでのライヴ。95年のデビュー作から23年の最新作までの幅広いセットリストで、キーボードにLALLE LARSSON、ベースにMICHAEL STOLTを配した編成となっており、TOMAS BODINやJONAS REINGOLDでの以前のライヴとは選曲もアレンジも違う新感覚の演奏が聴けるファン必聴盤だ。中でもLALLE LARSSONは多くのパートでピアノをフィーチャーしており、そのイントロから始まる長尺に拡張されたギターソロも感動的なBACK IN THE WORLD OF ADVENTURES収録の2曲目や、最新作でのシンセ・ソロ、またラストの大作STARDUST WE AREでの美しい加筆パートなど彼のスタイルとスキルを全面にアピールした、あるいはロイネがそうさせたプレイが宝石の如く際立ち、旧曲にも新たな命を吹き込んでいる。また、ミックスはロイネが行っているが、その必要もないくらい元の録音状態が良く、本ライヴのリリースのきっかけになったという。自主盤デジパック。
SC-0626 GREEN ASPHALT / Same CD \2850
 ジェントル・ジャイアントに触発された最高のアルバムの1つとなったマルチ・ミュージシャン中心の2022年デビュー作。ドラマーやギタリストに管楽器奏者や女性を含む3人のヴォーカリストも参加しており、完全なバンド・スタイルで録音。ポリリズムやコーラスによる、もろジェントル・ジャイアント風な奇妙なテクニカルさに、フラワー・キングスを思わせる21世紀シンフォがドラマチックにミックスされた注目の内容だ。アコギやリコーダーなど繊細な美しさはスウェーデンならではで、フォーキーなメロディアスさに包まれるナチュラルさに加え反するダークな幻想を見せるエレクトリック色などオリジナリティがあり、中世色と上手く交じり合っている。なお中心人物であるDAN BORNEMARKはジェントル・ジャイアント・ボックスのプロデューサーで、解説も手掛けている。見開き紙ジャケット自主盤CDR。
SC-0579 HANS LUNDIN / The Solo Years 1982-1989 (Remaster) 6CD BOX \5800
 <1000セット限定ボックス> すべて初CD化となるカイパのキーボーディストのソロ作品集。84年作1stと85年作2ndのリミックス、ロイネ・ストルトも参加している89年作3rd、さらに未発表アルバム&未発表デモ(79年〜84年)を収録した3枚、計6枚を全リマスターにて収納したシンフォ・ファン垂涎のボックス。キーボードをメインに作品によってはカイパや後のフラワー・キングスのメンバーの参加を得て、北欧然と澄んだドラマチックなサウンドを壮大かつファンタジックに描き出している。多重録音をベースにリズムのメリハリやエキセントリックな攻撃性を持たせたロック色も特徴だ。ディスク4は85年作と89年作の間の完全な未発表アルバムで内1曲は再編カイパの1作目で甦っており、またディスク6には当時のカイパの為のデモやスウェーデン語によるヴォーカル・ナンバーも収録。開閉式ボックス仕様&各紙ジャケット入り。24ページのブックレット入り。
CD1:Tales (1984) *REMIX
CD2:Visions Of Circles Of Sounds (1985) *REMIX
CD3:Houses (1989) *feat ROINE STOLT
CD4:The Veiled Seveneyed Dancer (1986-87) *UNRELEASED
CD5:In Search Of The Green Glass (1980-84) *UNRELEASED
CD6:Okant Ode (1979-84) *UNRELEASED incl.KAIPA Demo
SC-0408 INTROITUS / Elements CD \2500
 格段にスケール・アップ! 満を持して4年振りにリリースされたシンフォ・バンドの2011年作2nd。女性ヴォーカルを生かしたメロディアスさと、テクニカルなドラマチックさが織り成す、モダンでスタイリッシュなサウンドはトップクラスへ躍り出た。リリカルなフルートもフィーチャーし、ギアチェンジの多い10分前後のナンバーに叙情的な小曲を挟み、チェロをゲストで加え北欧の物悲しげな幻想色が渦巻くラストまで切れ目無く一気に聴かせる超力作だ。フラワー・キングス、マジェンタらのファンは必聴。素晴らしい! デジパック。
SC-0485 INTROITUS / Anima CD \2500
 マジェンタに並ぶ女性ヴォーカル・シンフォ・バンドの3年振りとなる2014年作3rd。より強固になったチームワークにて聴かせる素晴らしい内容で、リリカルさを保ちながら突き抜けていくドラマチックさは格調高くモダンでかつクラシカル。北欧の澄んだ空気に愁いが溶け出す、そんな色合いの変化が幻想的に描かれる叙情性と、壮大なシンフォニック美を追求したスリリングなテクニカルさがスウェーデンならではのセンスで融合。カイパを思わせるトラッドメロを取り込んだ感動的なインスト・ナンバーもあり、郷愁を誘うメランコリックさはデビュー作から通しての魅力だ。シンフォ・ファン必聴! デジパック。
SC-0583 INTROITUS / Shadows CD \2500
 女性ヴォーカル・シンフォの代表格となった2019年作。待望と言える5年振りの4作目だ。ギターやキーボードはドラマチックな壮大さを描き、フルートやオカリナが叙情を沸き立たせ、スケールアップしながらも深いまどろみが円熟を感じさせる見事な内容となった。多彩に飛び交うシンセなどスリリングなテクニカルさに加え、霧が流れ辺りが透けていくような引きの部分の幻想色は初期から見せていたもので、このゆったりとしたパートこそ本作の最大の魅力だ。中盤あたりの物悲しい幽玄さは他のバンドと一線を画している。シンフォ好きの方へ超おすすめです! デジパック。
SC-0040 ISILDURS BANE / Sagan Om Den Irlandska Algen + Sagan Om Ringen CD \2500
 キャメルに似た優美な叙情派シンフォで、リリース当時に絶賛された84年リリースのSAGAN OM DEN IRLANDSKA ALGENと、その以前のカセット作品(81年)に手を加え87年にリリースされた、トルーキンの指輪物語を題材にしたファンタジックなSAGAN OM RINGENとの2in1。非常に美しく洗練された傑作のカップリング。迷わずの必聴作!
SC-0041 ISILDURS BANE / Sea Reflections + Eight Moments Of Eternity CD \2700
 86年リリースの3rdと87年リリースの4thの2in1。前2作とは違い、フュージョン化してしまったが、曲によってはメル・コリンズやキット・ワトキンスのいた頃のCAMEL風でもある。インストだが、良質かつクリアーなメロディーで飽きさせない。4thでは管弦を導入したシリアスな曲があり、その後の彼らを予感させる。
SC-0139 ISILDURS BANE / Cheval - Volonte De Rocher CD \2700
 デジタル・リマスター&ニュー・アート・ワークにより、JANNE SCHAFFERとの共同プロデュースで89年にリリースされた5作目が出直した。BJORN J:SON LINDHも参加。この2人の関与が大きく作用し、クリエィティヴな傑作シンフォとなっている。室内管弦楽を導入し、クラシカルなシリアス色を漂わせ、ヒステリックなまでのハイ・テンション・パートや、北欧ならではの美しい詩情あふれる静寂な描写まで、スケールの大きい、かつ透明感のあるサウンドを展開。
SC-0558 ISILDURS BANE / The Voyage - A Trip To Elsewhere CD \2700
 長らく廃盤になっていた92年必聴傑作がデジパックにて2018年新装リリース! 通算6作目で、当初2枚組にて茶カバン、黒カバン、ジャケ違いデジパックなど何度も出直している大作だ。ヴァイオリン、チェロ、ピアノのTHE ZORN TRIOを始め、混声合唱団、BJORN J:SON LINDH、JANNE SCHAFFERらのゲスト陣が入り組み、バンドという概念を超越した編成にて、90年代を代表する孤高のシンフォニック・ロック・ワールドを完成させた。稀に見る透明感とシリアスな現代性で構想されたサウンドを澄み切った冷気が満たしている。2in1デジパック。
SC-0043 ISILDURS BANE / Lost Eggs CD \2700
 76年〜93年の間のスタジオ未発表テイクやライヴ・テイクを集めたもの。流石にクオリティーは高い。まさに北欧のキャメルと呼べるメロディアスなシンフォニック・ナンバーが詰っている。彼らの名作1stや2nd、そして初期キャメルを思わせるサウンド。叙情と泣きです。
SC-0552 ISILDURS BANE / Mind Volume 1 CD \2700
 長らく廃盤になっていた97年必聴傑作がデジパックにて2017年新装リリース! 通算8作目で、BJORN J:SON LINDH、JANNE SCHAFFERが参加。ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、フルート、イングリッシュホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ、ハーディ・ガーディらを加えたサウンドは最初から室内楽との融合を目指したスコアで書かれており、壮大なパートのみでなく、マリンバとヴァイオリン、フルートとアコギなどアコースティックなパートがあの手この手と繰り広げられていく。教会風オルガンに加わる冷気のギターなどステンドガラスから降り注ぐかのようだ。極上の叙情と詩情。シリアスさも湛えた最も美しい透明感のあるシンフォニック・ロックがここに。デジパック。
SC-0577 ISILDURS BANE / Mind Volume 2 - Live 2CD \3500
 2001年リリースの2枚組。99年〜2000年の各国でのライヴ・パフォーマンスに、スタジオで生の管弦セクションを加えるなど手を十分に施し、新たなパートの追加録音や、BJORN J:SON LINDH、JAN SCHAFFERの参加、いくつかの新曲やメンバーのソロ・ワークのバンドでのライヴ再現など、もう完全に全体が新しいコンセプトで再編された単独の作品と言える内容。ドラマチックなスケールに舌を巻く! スリップケース付き。
SC-0578 ISILDURS BANE & METAMORFOSI TRIO / Mind Vol.3 CD \2700
 イタリアのチェンバー・トリオを迎えての2003年作。シリアスな面が強調され、お互いを触発させる即興演奏をジャージィーに繰り広げる。アレア級のテンションが張り巡らされており、かつ、管弦が奏でるアカデミックな深みがダークに加わっている。視覚的な刺激を得る美空間の創出も彼ららしい。MINDシリーズ第3弾。新たな音楽創造への挑戦が示されたコンセプト作となった。ジャズ・ロック・ファンも必聴の問題作!
SC-0560 ISILDURS BANE / Mind Vol.4 - Pass CD \2700
 彼らの初のヴォーカル入りアルバムとなった03年作がデジパックにて2018年新装リリース! ヴォーカルがあろうが、なかろうが、ISILDURS BANEはISILDURS BANEであるという素晴らしい出来。前2作よりもVOL.1のようなメリハリのある展開がドラマチックに張り巡らされ、BJORN J:SON LINDHの参加により澄み切ったシリアス&クラシカル美も復活。パートによっては今までにない近代クリムゾンのような攻撃性を見せ、生の管弦アンサンブルも銀の羽のような光を放つ。非常にレヴェルの高い傑作。デジパック。
SC-0546 ISILDURS BANE & STEVE HOGARTH / Colours Not Found In Nature CD \2700
 全プログレ・ファンの興味を引くコラボとなった2017年作。ISILDURS BANEとしては14年振りのアルバムだ。キーボーディストでコンポーザーのMATS JOHANSSONとSTEVE HOGARTHが共同で曲を書き、ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート、クラリネット、トランペットらの管弦楽を交え、STEVE HOGARTHのヴォーカルを全曲でフィーチャーし、クラシックやシリアスなコンテンポラリー・ミュージックも取り込んだISILDURS BANEならではの緻密で美しい北欧シンフォと英国ハートが融合する至上の内容となった。正に別格中の別格! デジパック自主盤。
SC-0556 ISILDURS BANE / Off The Radar CD \2700
 傑作。生の管弦楽とメロトロンも含むアナログ&デジタル・シンセ、ドラムス&パーカッション&プログラミング、各種ギター類らが織り成す圧巻のシンフォとなった2017年作。前作はマリリオンのSTEVE HOGARTHのヴォーカルをフィーチャーしたものだったが、本作は全編インスト。97年から始まったMINDシリーズの延長線上とも言え、最小限の楽器で構成される室内楽的なシリアス美から10人以上で迫るバンドのロック・パワーの振れ幅に加え、ジャズ、21世紀作ならではのアンビエント加工が混ざり、驚愕のラインを突破している。数曲でPAT MASTELOTTO参加。デジパック自主盤。
SC-0581 ISILDURS BANE & PETER HAMMILL / In Amazonia CD \2700
 ピーター・ハミルをヴォーカリストに迎え制作された全プログレ・ファン必聴と言える2019年作。詞はすべてハミルが書き、全曲キーボーディストでコンポーザーのMATS JOHANSSONとの共作となっている。ヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、トランペットらの管弦楽を始め、アープ、ムーグ、メロトロンなどヴィンテージ・キーボードも配し、ダークでヘヴィなサウンドで聴かせる予想を超越した孤高の内容だ。バンドはハミル寄りのアンサンブルに徹しており、サックスが加わる4曲目などヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの北欧版とも言えそうで、メロトロンが冷たく美しい6曲目などもイン・カメラあたりの曲想が思い出される。デジパック自主盤。
SC-0615 ISILDURS BANE & PETER HAMMILL / In Disequilibrium CD \2700
 再びピーター・ハミルをヴォーカリストに迎え制作された2021年作。前作と同じく詞はすべてハミルが書いており、全曲キーボーディストでコンポーザーのMATS JOHANSSONとの共作となっている。アープ、ムーグ、メロトロン、プロフェット、オーヴァーハイムといった多彩なキーボードにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ギターらが加わり、前半はハミルのエレクトリック・ギターもフィーチャーされた過激でダークで凝縮と膨張を繰り返す様な複雑ハードな作風で聴かせ、後半はハミルのヴォーカルの存在感を際立たせたシンフォニックな作風にて美しい神聖さと狂気を振りまいている。サックスではなくトランペットが要所で加わることでヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター21世紀アナザー・ストーリーといった印象を受ける。PAT MASTELOTTO参加。デジパック自主盤。
SC-0636 ISILDURS BANE & JINIAN WILDE / The Pearl Of Ever Changing Shell CD \3300
 ダークな夢想の中を彷徨うような孤高の音楽性を見せる2024年作。ヴォーカリストとの新たなコラボ作となっており、本作ではDAVID CROSS BANDのJINIAN WILDEを抜擢。ピアノ、アープ、ムーグ、クラヴィ、メロトロン、プロフェット、オーヴァーハイム、CS-80といった多彩なキーボードに、ヴィオラ、クラリネット、トランペット、ギターらが加わり、パーカッションも交えた気鋭のリズム・セクションがダイナミックな情景を浮き上がらせる。様々な音楽性と手法が融合し、彼らの作品の中では最もエレクトリックなアンビエント色が強いが、水の底に漂うような叙情は穢れなく神聖で、まぎれもなく息吹があり、ラストではすべてを許し合ったような讃美歌が未来へ木霊する。常に新しい音楽を求めるバンドにとって、絶えず変化する貝殻と真珠をタイトルにしたという。その意味を全編に込めた超力作!
SC-0507 KAIPA / Same CD \2600
 最高作と評される次作より、こちらを取るファンも多い75年リリースの1st。キャメルにスウェーデンの香りをミックスさせたような哀愁に染まる美旋律が次から次へと紡ぎ出される名作だ。ストリングス系やシンセも多用されているものの、澄んだ歌声でリード・ヴォーカルも担当するハンス・ルンデンのクラシカルでヨーロッパ然としたオルガンがロイネのギターと共に際立っている。トラディショナルなメロディが織り込まれるのも特徴だ。2015年リマスター&ボーナス2曲(既発)入り。
SC-0508 KAIPA / Inget Nytt Under Solen CD \2600
 美旋律の凝縮から発散へと作風を拡大させた76年リリースの2nd。なんと言ってもアルバム片面を飾った21分の組曲はプログレ史に燦然と輝く傑作で、印象的な数々のメロディを繰り返し織り込み、ドラマチックな構成でラストまで一気に聴かせる70年代カイパのハイライトだ。よく聴くとフラワー・キングスの源流が感じ取れる部分も見られる。後半は前作を思わせるキャメル風の哀愁叙情ナンバーが並ぶ。メロトロンも劇的に導入。2015年リマスター&ボーナス4曲(既発)入り。
SC-0517 KAIPA / Solo CD \2600
 その昔、キャメルが海を渡り北欧の地に舞い降りたと言われたカイパの78年リリース3rd。ロイネ・ストルトの甘美なギターとハンス・ルンデンのファンタジックなキーボードが織り成すイメージはジャケットそのもので、優しく包み込まれる温かさと翳りの孤独感が絶妙に混じり合う。中世に佇んでいたハケットの侍祭の旅のミステリアスさが、北欧の森に浮かび上がったかのようなナンバーもあり、そんなメロディアスさに加え、クールなテクニカルさも申し分ない。2015年リマスター盤。
SC-0518 KAIPA / Hander CD \2600
 ABBAのレーベルで知られるスウェーデン・メジャーのPOLARから80年にリリースされた4作目。ロイネ・ストルト脱退後初のアルバムで、新任のギタリストを加え、キャッチーなポップ路線とカイパ然とした哀愁に染まるシンフォニック色を混在させたファンを悩ませる内容となっている。中でも3曲目や5曲目は切り出せばカイパそのものだが、ポップなナンバーにも注目で6曲目はその後のジェネシスだし、7曲目はマイク・ラザフォード1stソロ風で、共通点が興味深い。2015年リマスター盤。
SC-0519 KAIPA / Nattdjurstid CD \2600
 マイナー・レーベルから82年にリリースされた5作目で当時のカイパの最終作。キーボーディストのハンス・ルンデンのみオリジナル・メンバーとなり、エイドリアン・ブリューのようなギターをフィーチャーし、びっくらニュー・ウェイヴへイメチェン。エレポップ色も交えながらのサウンドだが、中盤以降は相当アナーキーで、セールスを意識したとは思えない、どちらかといえば前作のHANDERよりクリエイティヴな姿勢で制作されている。本CDはハンス・ルンデンによる2015年リミックスが施されており、音像もグレートアップ。シングル、未発曲のボーナス3曲入り。2015年リマスター盤。
SC-0644 KAIPA / Sommargryningsljus - Limited Mediabook Edition CD \3980
 夏の夜明けの光と題され、夕暮れから夜明けまでの夜の旅をコンセプトに緻密でドラマチックなシンフォを哀愁を込めて聴かせる2024年作。ヴァイオリンやリコーダーを配し、スウェーデンのトラディショナルなクラシカルさと郷愁美を溶け合わせたソリッドでスリリングなサウンドはハンス・ルンディンのソロ色が強かった近年作よりも2010年代前半のテクニカルでモダンなバンドの強固さを強調した作風に近く、美声の女性を含む男女ヴォーカルをフィーチャーし、まったくスキのないギターとシンセやプログレ然と包み込むメロトロンなどアルバム全体が究極の作曲密度で作り上げられている。リーダーでありキーボーディストのハンス・ルンディンの常に心の奥底にあるという夜明けの印象で感動的に幕を閉じるが、初期カイパの3枚にもこのテーマで曲を書いていると語っている。なんとトータル80分越え!の超力作。綴じ込み付きハードブックカヴァー仕様限定盤。
SC-0537 KAIPA DA CAPO / Darskapens Monotoni CD \2600
 来日も果たした真のカイパ・サウンドを目指す彼らの待望のアルバムがリリースされた。ロイネ・ストルトとリズム・セクションのオリジナル・メンバーに、新キーボーディストやロイネの弟のマイケル・ストルトをヴォーカルで加えた編成。スウェーデン語で歌われ、なによりも泣きの叙情を最優先させたタメの効いたサウンドは正に初期カイパのアップデイト版。たしかにフラワー・キングスっぽい所もあるが、のどかに差し込む陽光がカイパ然としたファンタジーを放っており、また、初心に戻り?キャメルやジェネシスを思わせるところも。ハモンドB3、ミニ・ムーグ、メロトロン、ローズ、チェンバロ、さらには本物のパイプ・オルガンまで導入したキーボーディストによるフルートやヴァイオリンも好アクセントとなっている。あのMERIT HEMMINGSON!がゲスト参加。2016年作。デジパック自主盤。
SC-0120 KEBNEKAISE / Resa Mot Okant Mal CD \2500
 北欧ハードの名作のひとつ。2nd以降はトラッド・メロディーに根ざした作風へ変ってしまうが、この71年の1stはギンギン(死語?)のハード・ロック。鋼のようなリズムとリフ、タメ、ノリ、オリジナリティー、すべてで抜き出ている。あのTRETTIOARIGA KRIGETの登場まで、まだあと3年あるとは思えない。ものすごいパワーが凝縮されたエネルギッシュな1枚。リマスター盤。
SC-0535 KULTIVATOR / Barndomens Stigar 2CD \2980
 長らく廃盤だった81年の必聴傑作が新装リリース! ボーナス盤付き2枚組2016年盤。ハットフィールドなどカンタベリーの影響を強く受けた正統派で、強力なリズム・セクションをバックに展開するサウンドは終始圧巻。デイヴ・スチュワート風のオルガンを始め、ピアノ、ギター、女性コーラス、リコーダーを絡めテクニカルにスリリングに攻め立てる。爆発的なヘヴィさと繊細なスタイリッシュさが知的に同居。曲調、音色、クセなど非常に研究されており、もとの名作群に並んでしまっている。ディスク2には92年スタジオ、79年と80年のライヴ、さらに、06年録音の新曲4曲を収録。すべて、既発だが、06年作は女性ヴォーカルとフリップ調のギターをフィーチャーし、リコーダー、キーボードも入った同傾向の音で驚かされる。冷っとしたスウェーデンらしさも十分。
SC-0624 MENDOZA / Same CD \2600
 初CD化。72年にメジャーのCBSからリリースされたジャズ・ロック作。ギターとキーボードにトランペットやフルートも配し、北欧のトラディショナルな哀愁メロを織り込み、どこかケブネカイゼも思わせるグルーヴで聴かせるスウェーデンならではのサウンドだ。いわゆるサイレンス・レーベルからリリースされているプログレ作に共通している部分を感じさせるも、60年代後期のビート色やツウなジャズ色、さらにはストリングス・オーケストラを加えたポップ色など英国とはまた違った音楽性の幅を見せる力作と言える。リマスター。
SC-0640 MERIT HEMMINGSON / Mother Earth Forever - featuring Roine Stolt CD \3800
 傑作。BJORN J:SON LINDHやJANNE SCHAFFERとの共演でも知られる女性オルガン奏者がROINE STOLTのギターや共同プロデュースなど全面参加を得てリリースした2024年作。元は93年頃から作り始めた共作で、アレンジと録音を重ね、SAMLA MAMMAS MANNAのメンバーを含む数人のドラマーや管楽器奏者ら10人のミュージシャンが参加。パイプ・オルガンをメインに彼女の美声ヴォーカルやハモンドやピアノやシンセを加え、全曲でROINE STOLTのギターをフィーチャーし、サックスなどのジャズ色や北欧トラッド、さらにはバグパイプやハーディ・ガーディなどケルト色も交え荘厳かつダイナミックに展開。北欧エレメンツ炸裂のエモーショナルでドラマチック、時に寄り添うように切なく哀愁を奏でるギターに彩られるファン必聴のシンフォニック・ロックとなっている。ラストのなんと感動的なこと。自主盤デジパック。
SC-0604 MIKLAGARD / Same CD \2600
 待望の初CD化。キーボード・トリオによる79年リリースのシンフォ。スウェーデン語で歌われているものの柔らかな哀愁があるクラシカルなサウンドはオルメあたりも思わせ、かつ澄み切った北欧ファンタジーが広がる独特の風味を持っている。さらにオルガンの温かみやアープ・シンセはジェネシスを、透明感のある端整なピアノはルネッサンスも思わせ、シアトリカル気味に歌われるヴォーカルの儚さはカイパにも通じる、といった具合だ。ゲストで入るリリカルなヴァイオリンや高貴なトランペットもハッとさせられ効果的。彼らの唯一作。リマスター。
SC-0634 MOON SAFARI / Himlabacken Vol.2 CD \3200
 10年振りながらそのブランクを全く感じさせない傑作となった2023年作。完ぺきなコーラスでキャッチーに迫る1曲目からキュンとしたカヤック張りのシンフォへ移る2曲目の流れでもう早くも虜に。素晴らしいソングライティング力、プログレファンを満足させるアレンジ力、より巧みになった演奏力、そして10年の月日による円熟と俯瞰の効いたプロデュース力。どれもが超一流で、ジェネシスやイエスを感じさせながらも、特に引きのパートでは北欧のクリアーな叙情美が立ち込め、ドラマチックに高揚するダイナミックな波に呑み込まれていく。ポップでありながらも変拍子でスリリングにはじける3曲目、一転、また胸キュンのピアノで始まる極美バラードの感動的な4曲目、荘厳な歴史を目の当たりにしているような5曲目、そこからスタイリッシュな現在へタイムスリップしたかのような6曲目、なんというドラマ性だろう。そしてハイライトとも言える21分越えの7曲目。彼らの楽曲の中でも最高クラス。さらにアルバムは続くが、ラスト・ナンバーがまたこれがハマり過ぎ! 自主盤。
SC-0629 MOSAIK / Same CD \2800
 初CD化。79年に北欧シンフォの名作をリリースしたATLASの後身プロジェクト・バンドと言える82年作。ATLASを彷彿させるキャメルやジェネシス風味のシンフォニック・ジャズ・ロックを始め、美しいアコースティック・ピアノと管楽器が北欧叙情を奏でる曲、スウェーデン語ヴォーカルをフィーチャーしたフォーク・タッチの曲、どこか、BJORN J:SON LINDHを思わせるECM系のシリアスな曲など、パートによってはヴァイオリンも配し、クールに聴かせる隠れた好作となっている。中にはATLASのために書かれていた曲ではと想像させるものもあり、ハケットを連想させる幽玄な1曲目からギターやフルートを多重したラストまで、淡い情感を秘めた北欧らしい1枚となっている。彼らの唯一作。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-0404 PAATOS / Breathing CD \2600
 美メロが炸裂し、スタイリッシュな美学を哀愁に染めて聴かせる5年振りの2011年スタジオ作。リズム・セクションのメンバー・チェンジがバンドにフレッシュな感覚をもたらしており、ギタリストの小技を効かしたプレイをアレンジの核とし、最高のタイミングでメロトロンをシンフォニックに用い、フルート、チェロらも加えたサウンドに、美声の女性ヴォーカリストが映り込むように歌っていく。あの水辺で月と語り合うような幻想感も健在で、かつ、スピーディなロックをポップに演奏する新鮮味もあり、流石、オリジナリティーの高さを感じさせる傑作となっている。3面開きデジパック。
SC-0515 PANDORA / Measures Of Time CD \2600
 初CD化。ブリティッシュ・ナイズされたメロディアスなサウンドを聴かせるノルヒェーピングのバンドの74年リリースの唯一のアルバム。ロマンチックなハープシコードの調べから幕をあけるシンフォニック・ロック・スタイルの作品だ。英語で歌われるヴォーカルはガブリエル風だが、硬質なギターは所々カイパを思わせ、映画音楽のようなピアノとテクニカルなシンセが絡む好作だ。6人編成のアンサンブルで、ジェネシスやキャメルの他に、ウイッシュボーン・アッシュの影響もあったらしく、ツイン・ギターに表れている。リマスター。
SC-0223 PAR LINDH PROJECT / Gothic Impressions (10th Anniversary Re-Edition) CD \2500
 94年に衝撃的にリリースされたあのデビュー作をリマスター&リミックスにて出し直した、10TH ANNIVERSARY RE-EDITION。一部のリズム・セクションやコーラスを追加録音。もともと傑作だっただけに、リエディションの必要があるのかという疑問も残るが、ディテールは彼がより望むものになっている。パイプ・オルガン、メロトロン、ハモンド、ハープシコードをふんだんに使用し、混声合唱団や女性ヴォーカルも加え、バックはANGLAGARDが固め、さらに、ロイネ・ストルトの協力・参加も得て完成された究極のシンフォ作。曲調は中世ゴシックからバロック音楽に多大な影響を受けたもので、荘厳なスケールで繰り広げられていく。
SC-0068 PAR LINDH PROJECT / Mundus Incomprertus CD \2500
 彼がクラシカル・シンフォニック・ロックを徹底的に追求した97年作2nd。強力なリズム隊をバックに、生のオーボエやヴァイオリンも加え、女性ヴォーカル、合唱、ハモンド、メロトロン、多種ヴィンテージ・シンセ、荘厳なパイプ・オルガンetc.で、プログレ然と絢爛豪華に繰り広げられる。曲をよく把握しているギタリストの存在も大きい。PAR LINDHから送られてきた荷物には、いつもSTEINWAYのメモ用紙(凝っているねぇ)にコメントが添えられていた。
SC-0105 PAR LINDH PROJECT / Veni Vidi Vici CD \2500
 生のストリングス・セクションと混声合唱を加えて制作された2001年作。おなじみとなった、メロトロン、パイプ・オルガン、ハモンド、ハープシコードらに加え、今まで以上にクラシカルなピアノをフィーチャーし、中世音楽、バロック音楽をシンフォニック・ロック化している。反面、E.L.&P.張りのパワフルな演奏も。女性ヴォーカルも曲調によく合っている。
SC-0399 PAR LINDH PROJECT / Time Mirror CD \2500
 約10年振りの新作となる2010年作。自身のスタイルにこだわりながら、10年の時を埋めるべくアップデイトさせたと言う、クラシカル・ロックのすべてを取り込んだ強靭な出来だ。目まぐるしくキーボードのアイテムが変わっていく17分越えの大作から堂々と幕を開け、エマーソンとリック・ヴァン・ダー・リンデンが共演したかのようなバロック・テイストにジャズも交えた演奏で畳み掛ける。軽快な曲を挟み、ティンパニーの高鳴りとヴァイオリンでドラマチックに始まる3曲目は、これぞ真骨頂、大聖堂が浮かぶパイプ・オルガンが疾走し、カヤックあたりも思わせるメロディックなサウンドを展開。彼らのデビュー作を聴いた当初の感動が甦って来た。ベースやドラムの重量感など、録音にも相当こだわりが見え、またバンドという存在を強く感じさせるシンフォ・ファン必聴の渾身作! 3面開きデジパック。
SC-0067 PAR LINDH & BJORN JOHANSSON / Bilbo CD \2500
 96年リリースのデュオ作第一弾。04年にリリースされた第2弾と同じくトールキン(北欧の人、ほんと好きですね)からインスパイアされた、中世音楽/クラシック/トラッド色のアコースティックなコンセプト作。女性ヴォーカリストをフィーチャーし、フルートやオーボエ等の生楽器と、PAR LINDHによるハモンド、ハープシコード、メロトロン、パイプ・オルガンらにアンソニー・フィリップスを思わせるギターが織り成す北欧ファンタジー。リズム・セクションも入り、シンフォニック・プログレとして聴ける完成度がいい。
SC-0197 PAR LINDH & BJORN JOHANSSON / Dreamsongs From Middle Earth CD \2500
 映画、ロード・オブ・ザ・リングにハマってしまった人も多いはず。映画とは関係ないけれど、本作もまた指輪物語を音楽化、この場合、シンフォニック・プログレ化したもの。ホルン、トランペット、バスーンなどの管楽器や、ハープ、ハープシコードなどのアコースティック楽器もふんだんに用い描かれたファンタジー・ワールド。白の魔法使い、ガンダルフらと旅を続けるフロドになったような気分。こういった音楽性の場合、メロトロンは強力に威力を発揮する。深いドリーミィーさは元祖BO HANSSON譲りの北欧幻想風味。女性ヴォイスもエルフ、ガラドリエルのよう。ロイネ・ストルトも1曲参加。04年作。
SC-0072 ROINE STOLT / The Flower King CD \2500
 90年代を代表するグループとなったTHE FLOWER KINGSの母体となったのが、94年に突如ソロとしてリリースされた本作。彼の素晴らしいギター・ワークを中心にドラマチックなシンフォニック・プログレを展開。THE FLOWER KINGSの原点がここに。
SC-0075 SAMLA MAMMAS MANNA / Maltid CD \2500
 73年リリースの2nd。初期は初期で独特の味を出し、ストイックな演奏に重点を置いた後期よりも、メロトロンをフィーチャーするなどプログレ然とし、メロディアスな曲調も持つ。もうこの時点で、オリジナリティーと特異さは十分に抜き出ている。ボーナス3曲入りで内2曲は2nd録音時の未発表曲で、もう1曲は1stから。
SC-0285 SOLID GROUND / Made In Rock CD \2500
 07年リマスター&3面開きデジパックで再リリース。76年に200枚のみでリリースされたスウェーデンのウルトラ・レア・アイテム。サバス、ツェッペリンが見えるヘヴィなサウンドと粘着的なヴォーカルで聴かせるツイン・ギターのハード・ロック・バンドで、1曲ながらオーケストロンというメロトロンに似たストリングス・サウンドを出すキーボード(初期レインボーが使っていたので有名)も使用。哀愁のギター・ソロを引き立てる。ずっしりとした手応え十分。新たに74年、75年、そして06年の計8曲のボーナスを追加収録。
SC-0487 TRIBUTE / New Views CD \2500
 廃盤で長らく入手困難だった84年作1stがリマスターで出直した。当時スウェーデンのマイク・オールドフィールドと言われた彼ら。ツイン・キーボードを含む6人編成で、テクニカルで透明感のある叙情派シンフォを繰り広げる、80年代を代表する必聴バンドだ。インスト志向だが美しい女性スキャットも交え、フルート、リコーダー、アコギ、イングリッシュ・ホルンらを織り込んだバンド・アンサンブルは北欧美に満ちる。ダイナミックな前半も良いが、旧B面をすべて使った20分越えの長尺曲は正にマイク風マジカル・ワールドで、レコード発売時かなり話題になった。
SC-0465 TRIBUTE / Breaking Barriers CD \2500
 廃盤で長らく入手困難だった86年作2ndがリマスターで出直した。本作からドラマーにピエール・モエルランを迎え、シンガーのバックで来日も果たした超絶ベーシストとリズム・セクションを強化し、シンセ、ギター、管楽器、パーカッションらが万華鏡のように色鮮やかにシンフォニック・ロックを奏でていく。叙情を優しく歌う男性ヴォーカルはキャメルを彷彿させ、美声の女性ヴォーカルが入るとマイク・オールドフィールドも彷彿。タイトな変拍子を軸に巧みなサウンドを繰り広げながらも、北欧色をたっぷりと含んだ幻想美、イシルドゥース・バーネにも通じる透明感が素晴らしい。デジパック。
SC-0524 TRIBUTE / Terra Incognita CD \2500
 北欧シンフォ屈指の必聴傑作。廃盤で長らく入手困難だった91年作4thがリマスターで出直した。彼らの素晴らしいシンフォニックな音楽性がダイナミックに配されたファイナル作である。澄んだ女性ヴォーカルをフィーチャーし、コンパクトな展開を見せる前半。オーケストラと合唱団をフィーチャーし、悠久の荘厳さを見せる後半。前半ではBJORN J:SON LINDHもフルートで参加し、身震いするほどの幽玄さを加味。後半は21分越えの長尺曲で、チェロ、オーボエ、クラシカルなピアノ等が凛々しく織り成し、マイク・オールドフィールド風のギターで締めくくられる北欧美の極致となっている。デジパック。
SC-0591J TURID / Trdje Dagen CD \3080
 「トゥリド / 三日目」 初CD化。北欧アシッド・フォーク屈指の女性ヴォーカリスト1975年作3rd。自作曲のみならず、フィンランドやノルウェーの作曲家や他国のシンガーの曲を取り上げ、かつスウェーデン語で歌い、彼女の中で革新と伝統がせめぎあうエキセントリックなコンセプトで制作された意欲作。本作にもケブネカイゼのギタリストが参加。絶妙なサイケデリック風味を流し込んでいる。たおやかで実は硬派な彼女らしい初期の代表作。リマスター/紙ジャケット/復刻インサート/解説付。
SC-0194 TURID / I Retur CD \2500
 北欧アシッド女性ヴォーカル・フォークの最高峰と言われる彼女の厳選されたベスト盤。71年の1stから5曲、73年の2ndから9曲、75年の3rdから6曲、82年の共作から1曲の全21曲収録。バックには、KEBNEKAISEのKENNY HAKANSSONや、GREGORY ALLAN FITZPATRICK、BJORN J:SON LINDHらが参加。うつろで、あぶなげな彼女のヴォーカルを、優しい陽だまりのようなアンサンブルが包んでいく。ロック色が強まれば、バックの連中が流し込むサイケ・トーンもぐるぐるまわり、アコ・ギでの弾き語りになれば、英国フォークのような物悲しさで心がいっぱいになる。女性ヴォーカル・ファン、アシッド・フォーク・ファン必聴!
SC-0405D V.A. / PROGFEST '95 - Day Two DVD(NTSC) \2500
 2011年初DVD化。2日間に渡って行われた95年のプログフェストでのライヴ。2日目の収録は、SPOCK'S BEARD (1曲)、LANDBERK (3曲)、DEUS EX MACHINA (4曲)の3バンド。改めて見て、アメリカで体験した衝撃が鮮明に甦った。ステージ上にはメロトロンなどヴィンテージ・キーボードがバンドの為に手抜き無く用意され、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ヨーロッパからもファンが集まり、みんなが熱狂していた。1stCDを出したばかりのSPOCK'S BEARDの演奏の上手さ、ローソクを立てての暗いステージングでのLANDBERK、AREAとPFMが合体したようなDEUS EX MACHINA。特にDEUS EX MACHINAはストリングス・カルテットを同行させており、バンドと一体となったテンションは95年の最大の見所であった。唖然、呆然。超絶を超えた超絶である。彼らの全盛期がどれだけ凄いのか、ぜひ見て頂きたい、プログレ・ファン超必見DVD! 最後に、これがプロのイベンターではなく同志によって企画運営され、ネットもまだそんなに普及していなかった時代に、これだけのファンを世中から集め、後の各地のプログレフェスへ広がっていったことを付け加えておきたい。

〓[FINLAND]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
SC-1209 CASTANJA / Same CD \2500
 初CD化。73年リリースの激レア・アイテムで、初期ウィグワムのようなサイケ・ポップをメインにしつつ、オルガンを弾き倒すヒープ調のハード・プログレもミックスした実にフィンランドらしい作品。コレクターなら、まず息を止めるのが対自核を思わせる1曲目。ソロもカッコいい。続く2曲目もオルガンがイントロから唸り、叙情がたなびく3曲目の小曲へと続く。メロディアスな4曲目や5曲目、そして、後半等、コンパクトにまとまったアルバムだ。リーダー格の74年ソロ作から12曲ボーナス入り。こちらは、サックスも入ったポップ&ロック。リマスター。
SC-1153 HARVEST (ELONKORJUU) / Flyin'High Runnin'Fast CD \2500
 72年にハード・プログレッシヴ・アルバムをリリースしたELONKORJUUがバンド名英意のHARVESTに改名し78年にリリースした通算2作目。ペッカ・バンドのキーボーディストや、タサバランのドラマーもゲストで加わりプロデュースを担当するなど、メンバーを大幅に入れ替えテクニカルなジャズ・ロックへ大変身。全編透明感のあるインストで、サックス、トランペット、ホルン、クラリネットも導入しインターナショナル・マーケットを目指した作品だったらしいが、巧みなアコギやシンセがファンタジックな叙情を描く3曲目など北欧らしさは十分。とてもプロフェッショナルな演奏とアンサンブルで聴かせる。リマスター。
SC-1210 HAIKARA / Iso Lintu CD \2800
 初CD化。ジャケットで引かないで! メジャーを離れ、75年に超マイナー・レーベルからリリースされた激レア3rd。サックスがダークに唸るへヴィな1曲目やフルートと生ストリングスが切り込んでくる2曲目など、このバンド独特のアレンジと言えるが、初期クリムゾンを彷彿させる叙情とジャージィさで聴かせるバラードの3曲目もまたハイカラ然としたものだ。ポップな曲を挟むものの、後半はオーボエやクラリネットなど室内楽的な哀愁が渦巻くシンフォニック・ロックに彩られ、しんみりと感涙。メンバーの79年と80年のソロから5曲ボーナス入り&リマスター。
SC-1292 KALEVALA / People No Names - 50th Anniversary Edition CD \2800
 6ケタの激レア・アイテムとして拝められる72年リリースの1st。単体では初CDとなる2022年リマスター盤。ジャケットからは妖しいサイケを想像してしまうが、技巧的な演奏に驚かされる、まさに驚愕の内容だ。英国の超一流のギタリストにも負けない恐るべし速弾きやオルガンかと思ってしまうレスリーを通したエレピ、ハード・エッジで迫りまくるベース、ジャズ・ロックも凌駕するドラムス、一方で物憂げなピアノとアコギがたなびく黄昏のナンバーもあり、加えて、1曲目を始めとする予想外の展開の連続、各曲の個性的な独立性、奇抜なテクニカルさなど今でも十分に通用する作曲やオーヴァーダヴなど凝った録音にも注目。北欧の秘宝名作。デジパック。
SC-1240 MOONLIGHT / The Edge CD \2800
 初CD化。激レア・シンフォ78年作。バルト海に面した小さな港街、トゥルクで結成された彼らの唯一作で、オルガンとシンセを担当するキーボーディスト、ヴォーカルを担当するギタリストにリズム・セクションが加わった4人編成での録音。フランスのサンドローズやイギリスのファンタジーあたりを思わせるメロディアスなサウンドで、英語で歌われているため北欧色は強くないが、冷たく澄んだ叙情を感じ取ることが出来る好作となっている。マイナー・シンフォのマスト・コレクターズ・アイテムだ。メンバーによる書き下ろしライナー入り&リマスター。
SC-1211 NIMBUS / Obus CD \2500
 フィンランド最後の大物が遂に初CD化! 激レア・シンフォとして君臨していた74年作で、クラシカルなハモンドとヴァイオリンが哀愁を誘い、テクニカルなギターが舞い、フィンランド語のヴォーカルが北欧の神聖な森へと導く。彼らの場合、叙情性と、アップテンポになれば一気にテンションを上げる演奏の強固さが見事なバランスで共存し、かつ、幽玄な雰囲気を保ちながらも流されないシリアスな展開を見せ、屈指の名作に仕立てている。74年の未発ボーナス2曲入りで、こちらもアルバムと同レベルの出来。シンフォ・ファンもジャズ・ロック・ファンも必聴! リマスター。
SC-1297 PEKKA POHJOLA / Harakka Bialoipokku CD \2700
 管楽器セクションをフィーチャーした74年リリースの2ndソロ。ウィグワムを離れた後の事実上の初ソロで、ウィグワムの音楽性に近かった前作に比べ、後の彼が見えるオリジナリティーを確立。サックスなど3人の管楽器とピアノをメインに1曲のみサムラからギタリストのCOSTE APETREAを迎え、コンポーザーとしての前半、ジャズ・ロック・プレイヤーとしての後半、時にユーモアなセンスと暗い翳りが入り混じるコンテンポラリーな楽曲は早くも孤高。75年には、B THE MAGPIEというタイトルで英ヴァージン盤も出た。24 BIT DIGITAL REMASTER盤。
SC-1298 PEKKA POHJOLA / Keesojen Lehto CD \2700
 英ヴァージンからもジャケ違いでTHE MATHEMATICIAN'S AIR DISPLAYのタイトルでリリースされた、マイク・オールドフィールドとの共演盤としても知られる77年リリースの大傑作。美しく澄み切った叙情、ハープシコードなどクラシカルな気品、突き抜けていくインストのせめぎ合いなど、研ぎ澄まされた感性と演奏はシンフォ・ファンもジャズ・ロック・ファンも体験すべし。5曲目の天へ炸裂するギターソロは名演中の名演。サリー・オールドフィールドも参加しておりエンジェル・ヴォイスを聴かせてくれる。24 BIT DIGITAL REMASTER盤。
SC-1146 PEKKA POHJOLA / Visitation CD \2500
 79年リリースの4作目。その完成度は前作、KEESOJEN LEHTOと並ぶ。前年にリリースされたプロジェクト・バンドのTHE GROUPを核にし、ブラス・セクションとフル・オーケストラを伴った力作で、ジャズ、クラシック、民俗音楽など幅広いエッセンスを吸収し、広角な視野を持った高度な音楽性が展開される。すべてが彼のフィルターで濾過されているのも凄い。もちろんジャズ・ロックとしてのテクニック面も超一級。最も内容の濃い反面、少々とっつき難いか。03年にWARNER FINLANDからリリースされたデジタル・リマスター盤です。
SC-1164 PEKKA POHJOLA / Urban Tango CD \2700
 2010年リマスター&見開き紙ジャケット。82年リリースの5作目。タンゴをテーマに奇怪なジャズ・ロックを繰り広げる1曲目。軽やかさとヘヴィさが同居する楽曲の質の高さには舌を巻く。シンフォニックな波が押し寄せる美しい2曲目、プログラミングを導入し、ストリングスが淡々とリズムを刻み、サックスとギターがダークなソロを取るハケット風のアレンジの3曲目、ヴォーカルが入り、北欧然とした哀愁を感じさせるもメリハリが効いている4曲目、どの曲も力作だ。弦を配したバラードのボーナス1曲入り。
SC-1165 PEKKA POHJOLA / Jokarnies (Everyman) CD \2700
 2010年リマスター&見開き紙ジャケット。83年リリースの6作目。彼の作品の中で最もダークで物悲しさを感じさせる1枚。本作ではジャズ・ロック色が影を薄め、全編でポリフォニック・シンセが多用されたシンフォニックな作品だ。ハケットの作風を思わせるヘヴィなリズムにストリングスがミステリアスで美しいパースペクティヴを描き出す。また、パイプ・オルガン風のキーボードに壮麗な混声合唱団がフィーチャーされるなど、元はサウンド・トラックとして制作されながらもアルバム・リリースにあたって手が加えてある。
SC-1166 PEKKA POHJOLA / Space Waltz CD \2700
 2010年リマスター&見開き紙ジャケット。85年リリースの7作目。フュージョン・タッチかと思わせるオープニングもギターが入ればたちまち複雑さを増し、2曲目ではダークで妖しい雰囲気が漂う。タイトル曲の3曲目ではワルツのリズムに乗りシンフォニックでジャズ・ロックな演奏がテクニカルに展開。非常に幾何学的な楽曲だが、これぞペッカの真骨頂と言えるサウンド。後半もドラマチックで美しく、ポリシンセをバックにギタリストのSEPPO TYNIのスキルが炸裂。ストイックなイメージの強いペッカのエモーショナルな作品。
SC-1190 PEKKA POHJOLA / Flight Of The Angel CD \2700
 86年リリースの8作目。彼の80年代最後のスタジオ・アルバムで、後の傑作CHANGING WATERSが見えるようなストリングス・カルテットをフィーチャーしたシンフォニックなナンバーが収録されており、甘美なギターソロをメインにするなど自身はあくまでもコンポーザー、あるいはバンドの支点的存在感をアピールするも、4曲目はマイク・オールドフィールドとの共作を思い出させるコードとベースが支配し、最も刺激的と言えるラストの5曲目などプログレッシヴな追求が炸裂。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-1180 PEKKA POHJOLA / Pewit CD \2700
 傑作必聴シンフォ作となった97年作。ペッカと言えば硬派なジャズ・ロックの印象が強いが、本作はその高度な音楽性でシンフォニック・ロックをドラマチックかつ叙情的に描き切っている。彼の作品にこう言った例えを出すのは失礼だが、イエスやハケットを思わせるテクニカルさと透明感、複雑な緻密さと、人を惹き付けて止まないヒューマンなリリカルさ、といったものが、まるで映画を見ているように展開されていく。ヴァイオリンやヴィオラをフィーチャーした壮絶・壮大なラストまで、録音の良さも特筆。見開き紙ジャケット。
SC-1192 PEKKA POHJOLA / Views CD \2700
 2001年にリリースされたラスト作で、物悲しい弦アレンジのオープニングから雄大に広がっていく1曲目で早くもぐっと来てしまう。久しぶりにオーケストラをフィーチャーした作品となっており、優雅なシンフォニック性と、独特のコード進行で繰り広げられるジャズ・ロックが高度にミックスされ、かつ、後半の華やかで複雑な展開など彼が築き上げた集大成と言えるだろう。その中で、4曲目や5曲目で入るベースのなんともリリカルなプレイが光り、初期のナイーヴさも失っていない。偉大で孤高の最終作。見開き紙ジャケット。
SC-1152 SCAPA FLOW / Uuteen Aikaan CD \2500
 キャメルの影響を感じさせる良質な叙情派シンフォの80年作。男女ヴォーカルをフィーチャーしたツイン・キーボードの6人編成で彼らが残した唯一のアルバム。フルートもリリカルに配し、アコースティックな良さを兼ね備え、今のVIIMAと重ねることが出来る作風だ。ギターソロやオルガンのメロディアスさ、フィンランド語が放つ独特の雰囲気、漂うナチュラルな光景など、北欧らしい清々しさが浮かび上る。当時、マイナー・プロダクションであったが、ドラマーは後にペッカに誘われるなど、録音とテクニックは上級。リマスター。
SC-1222 SEPI KUU / Rannan Usvassa CD \2850
 オークションで10万円クラスの激レア作が奇跡のオフィシャル初CD化! 80年にリリースされた妖しくドリーミィで、まるでフィンランドの森の奥を彷徨っているかのようなサイケデリックな幻想プログレが繰り広げられる。すべて、ジャケットも手掛けているTEPPO LEHTOによるマルチ演奏で、フィンランド語のつぶやくようなヴォーカル、鬼火のような奇妙なアープ系のシンセ、深いエコーに包まれたファズワウギター、やすらぎと不穏さが入り混じるアコギ、霊体のようなフルート、プリミティヴなパーカッションや太いベースが織り成し、実に作者のイメージが上手く表現されている。
SC-1160 SESSION / Unikuva CD \2800
 74年にEMI ODEONからリリースされた激レア物。73年にLOVE RECORDSからシングルをリリースするもアルバムはこれが唯一。コレクターならイチコロの内容で、翳りを持ちながらシャープに走り回るプログレッシヴなハモンド、切り込みメロウに歌うギター、攻撃的なエッジのベース、タイトに捲し立てるドラムス、フィンランド語のヴォーカルと彼が吹くジャージィなサックスらがバツグンのコンビネーションでアルバムを一気に聴かせる。ナイスのようなクラシカル・ロックのインスト・ナンバーもあり、ゲストの女性ヴォーカルも好ポイント。英国のデラムあたりの一級バンドに並ぶ出来だ。リマスター。
SC-1299 TABULA RASA / Ekkedien Tanssi CD \2800
 76年リリースの2nd。キーボーディストらメンバーチェンジにて繊細になった。泣きのフレーズを重ね、ガラス細工のように美しいキャメル・タイプの北欧シンフォを奏でる。4曲目、6曲目などはほんと絶品! 1stと甲乙付け難いシンフォ・ファン必聴作。77年のシングルからボーナス2曲入りでこれらも良い。これぞ叙情派。ウィグワムのJUKKA GUSTAVSONのプロデュース。タイトルは造語らしい。ラスト・ストック・フィンランド盤。
SC-1276 TASAVALLAN PRESIDENTTI / Same CD \2500
 フィンランドが誇るギタリスト、JUKKA TOLONEN率いるジャズ・ロック・バンドの69年デビュー作。当時4作をリリースしており、英国人ヴォーカリストをフィーチャーする本作はプロコル・ハルムやジェスロ・タルを思わせるなど英国と北欧がミックスされたサウンドで、彼らの中でも最もロック色が強烈に出ている。技巧的なギターに加え、哀愁に響くハモンドや美しいフルート、クラシカルなピアノの小曲、自然音を取り入れた実験的なナンバーなど今聴くと新鮮な部分も。69年と70年のシングルから4曲ボーナス入りで内1曲は初CD化。2021年リマスター盤。
SC-1266 TASAVALLAN PRESIDENTTI / II CD \2500
 71年リリースの2nd。1stアルバムをフィンランドでリリース後、より良いレコーディング環境を求めて、スウェーデンへ渡り、ストックホルムで録音された作品。1st収録曲も2曲含むものの、アレンジを変えて再録されており、まったくの独立した2作目と言える。音的には、1stに近く、ヴィンテージ感たっぷりのハモンドやリリカルなフルート、ジャージィーなサックスを配しながら、JUKKA TOLONENのギターがホットなソロを取る、といった典型的な北欧ジャズ・ロック。味のあるヴォーカルもいい。2019年リマスター盤。
SC-1267 TASAVALLAN PRESIDENTTI / Lambertland CD \2500
 スウェーデン録音作を経て、より英国ジャズ・ロック&カンタベリーからの影響を聴かせる72年リリースの3rd。キーボーディストが抜け、ヴォーカリストが加わり、サックス&フルート奏者が達人へ代わるなどメンバー・チェンジのカラーが浮き出ている。ウィグワム風の1曲目、北欧然としたファンタジックな2曲目、スピーディな演奏が冴える3曲目、JUKKA TOLONENのギターが職人芸を見せる4曲目、クラシカルな中間部が美しい5曲目等、本作を代表作とする人も多い。シングルから2曲ボーナス入り。2019年リマスター盤。
SC-1278 TASAVALLAN PRESIDENTTI / Milky Way Moses CD \2500
 キャラヴァンを思わせるオープニングの74年作4th。当時のラスト・アルバムで作詞にウィグワムのJIM PEMBROKEを迎え、インスト・バンドのイメージのある彼らだが本作では1曲を除いてヴォーカル・ナンバーとなっており、サックスやギターのジャズ・ロック色とハモンドやヴォーカルのポップ色がメロウに混ざり合ったプログレッシヴなサウンドを聴かせている。ギアが入った時のスピーディな演奏は4作の中でも群を抜いており、またエレピの打楽器的な奏法などアレンジも独創的で、急斜面をころがっていくようなスリリングさが見事。2021年リマスター盤。
SC-1277 TASAVALLAN PRESIDENTTI / Changing Times And Movements - Live 1970-1971 2CD \2850
 全未発音源による70年と71年のライヴ2枚組2021年盤。初期の未知なる可能性を秘めた彼らの演奏が繰り広げられており、英国人ヴォーカリスト在籍時の69年デビュー作からスウェーデン録音の71年2ndリリースまでのステージをラジオ音源を中心に驚くべきクオリティーで収録。アルバムからの曲に加え、後にJUKKA TOLONENのソロに収録される曲や、バンドが初期から演奏するもバンド名義ではスタジオ録音されずフィンランドのヴォーカリストKIRKAが72年にTASAVALLAN PRESIDENTTIのメンバーをバックにフィンランド語でリリースした3曲がオリジナルの英詞により初めてバンド名義で収録されているなどアルバム未収曲が6曲も含まれている。タイトルがぴったりの超貴重ライヴ。2021年リマスター。
SC-1136 VIIMA / Ajatuksia Maailman Laidalta CD \3200
 06年デビュー作。本作では女性ヴォーカルをフィーチャーし、優しい歌声でフォーク・タッチに歌われ、インスト・パートになるとバーデンス風のキーボードや、フルート、ギター、リズム・セクションがプログレ度をぐっと上げる、といった独特のバランスを持つ。あくまでもフィンランド・タッチの彼女のヴォーカルと、キャメルでまとまっているバックとの関係が個性を生み、メロトロン系の音色、全体の柔らかな録音、クラシカルさ、リリカルさ、まどろみなど北欧らしいファンタジーを届けてくれる。自主リリース。
SC-1137 VIIMA / Kahden Kuun Sirpit CD \2500
 最大級のキャメル派が誕生した。09年作2nd。女性ヴォーカルが居なくなったもののスタイルを統一し完全なシンフォ・バンドになった。それも北欧のリリカルな幻想とドラマチックさを十分にたたえ、同国ならタブラ・ラサ、隣国ならカイパといった本格的なバンドへ変貌した。メロトロンを含むメロディアスなキーボード、まさにラティマーを思わせる甘美なギター、フルート、ヴァイオリン、チェロらのクラシカルさ、フィンランド語のヴォーカルのエキゾチックさらが醸し出すそのファンタジーはどこまでも深淵で壮大なロマンに満ちあふれている。叙情派ファン必聴! 自主リリース。
SC-1307 VIIMA / Vaistyy Mielen Yo CD \3300
 フィンランド最大級のキャメル派と言われた彼らが15年振りに新作をリリース! 前作とほぼ同じメンバーで録音されており、フィンランド語のヴォーカルをフィーチャーし、バーデンス風のロマンティックなキーボードとメロディアスなギターにフルートも加え、オルガン、エレピ、シンセ、そして深夜の湖畔から漂ってくるようなメロトロンが神秘の美を幻想的にドラマチックに描き出している。まさにキャメルの如し。なんという叙情の洪水。心の夜が消えていくと題され、それを映し出したジャケットのような光と希望も見え、ざわついた日常が溶けていく。リズムにもキャメル然とした適度な緊張感があり、時にハードでスリリングな展開に。ラストも絶品で、いつまでも鳴り続けてほしいと祈るロマンに満ちる。メロトロン・シンフォで人気のKOSMOSのメンバーがゲスト参加。キャメル・ファン、メロトロン・ファン必聴傑作! 2024年作・自主盤。
SC-1306 VRAJITOR'S TENEBRARIUM / E.N.L.D. CD \3300
 伊プログレ・ファン必聴! GOBLINを始め、JACULA、DEVIL DOLL、FABIO FRIZZIらイタリアのジャッロ系と呼ばれるホラー&神秘主義の文学/映像美をイメージしたプログレをリスペクトするフィンランドのヘヴィ・シンフォ2023年デビュー作。ハープシコードや荘厳なパイプ・オルガンをフィーチャーし、ブズーキも交えたサウンドはまさに、と言った感じで、北欧の同趣向のANIMA MORTEやMORTE MACABREと比べるとシンセによるネオ・シンフォ的な要素もあり、ダークで耽美な世界感にステンドグラスのような光が差し込む。さらに曲によっては伊語の女性ナレーションや妖しいクラリネットも入り、鮮やかなギターソロ、クラシカルなストリングス、ジャージィなサックス、夜空に広がる哀愁など、終盤はまるでイタリアン・ロックのラビリンス。言われなければ完全にイタリアの音だ。その内容に驚愕したイタリアのレーベルからのリリースとなった! 3面開きデジパック。
SC-1300 WIGWAM / Hard N'Horny CD \2700
 結成まもなくリリースされた69年のデビュー・アルバム。プロコル・ハルムなど英国の影響を強く感じさせ、JUKKA GUSTAVSONの魅惑的なハモンドとジャージィーなピアノをメインにメロディアスなヴォーカルで聴かせる好作だ。前半には前衛的な曲も含み、後半は組曲が切れ目なくつながり、ストリングスを配した曲などまるで英国風で、ウォームハート。またGUSTAVSONがヴォーカルを取るフィンランド語のナンバーもあり、グループのイニシアティヴは彼の手にあったと思われる。69年の1stシングルからボーナス1曲入り。24 BIT DIGITAL REMASTER盤。
SC-1291 WIGWAM / Fairyport - Deluxe Edition 2CD \3200
 71年リリース傑作3rdに約90分のボーナスを収録した2022年リマスター盤。プログレッシヴなハモンドとピアノが繰り広げるジャズ・ロック&カンタベリー色にヴォーカルのメロディアスさが溶け合う。JUKKA GUSTAVSONとPEKKA POHJOLAによるコンテンポラリーなコード進行が独創性を生み、JUKKA TOLONENをゲストに迎え、オーボエ、バスーン、クラリネットも加え展開。ペッカはヴァイオリン、ピアノ、アコギ、ハープシコードとマルチ才能ぶりを発揮。ボーナスは約90分あり、1トラックを除き、すべて初出。D面に収録されていた71年ライヴ録音の「Rave-Up For The Roadies」は17分に短縮されたエディット・ヴァージョンだったが、今回、初となる36分の完全版で収録。トローネンのギターが圧巻だ。加えて、70年のラジオ音源からトルコ風ブルー・ロンドやザッパなどカヴァーも交えたメドレー含む5トラック計41分(グスタフソンのハモンド弾き倒しが凄まじい)、デモ2曲、また完成版ではカットされたペッカが弾くヴァイオリン入りのヴァージョンやオーケストラ入りヴァージョンも収録。3面開きデジパック限定盤。
SC-1255 WIGWAM / Nuclear Nightclub - Expanded 2CD 2CD \2800
 初出音源をディスク2に収録した2枚組エクスパンデッド・エディション2018年盤。ディスク1に75年リリースの5作目を、ディスク2に初出となる74年11月スウェーデンでの未発ライヴを45分収録。PEKKA POHJOLA、JUKKA GUSTAVSONが脱退するも新メンバーを加え、2曲目や4曲目のような北欧らしい不思議なポップ・カラーに3曲目や5曲目のようなシンフォニックなアレンジを織り交ぜ、独自のサウンドを編み出した秀逸作。ライヴは本作収録曲をメインにヴォーカリストのJIM PEMBROKEのソロ作からも演奏されている。カンタベリー風味のテクニカルな好演を良音質で収録。リマスター。

〓[NORWAY]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
SC-2512 ACTIONFREDAG / Turist I Eget Liv - Expanded Edition CD \3600
 北欧然としたジャズ・ロックをカンタベリー・テイストを漂わせテクニカルに聴かせる注目のデビュー作。現在のノルウェーのプログレ・シーンを賑わせているTUSMORKE、JORDSJO、MEER、PANZERPAPPA、そしてTHE CHRONICLES OF FATHER ROBINらのメンバーも加わっているクールでかつエネルギッシュな気鋭作で、ノルウェー語&英語で歌われる男女ヴォーカルをフィーチャーし、キーボード、ギター、フレットレスベースらに、クラリネット、フルート、サックス、ハープ、絶品の美旋律を聴かせるヴァイオリンを曲によって配し、エレピのモダンな輝きも効いたサウンドを展開。メロディアスなイントロから北欧的な広がりを見せるラストなどシンフォ色もあり、ぜひ、の好作となっている。アナログと配信のみだった2023年作にボーナスを1曲加え初CD化された2024年盤。このなんとも北欧っぽいジャケットも最高です! 見開き紙ジャケット。
SC-2457 AKASHA / Same CD \2800
 <2022年リマスター盤> メロトロン多用で有名な77年リリースのシンフォニック・ロックのレア盤。泡のようなシンセなど暗く妖しいスペーシィなサイケ色を加えたマニアックなサウンドを展開しており、音楽性の曖昧さが逆に他にない味を出している。ギターも受け持つキーボーディストがすべてを牽引し、速いパッセージを織り込んだ構築的なキーボード・トリオ・スタイルからメロトロンを幽幻に効かせたヴォーカル入りの緩い曲まで独自の世界を提示。スカンディナヴィア半島の最北端の北極圏のバンドでホテルの地下シェルターで録音された極めてローカルな雰囲気がいい。ST.HELENAを経てHOSTの2ndに参加したギタリストも一時在籍していた。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2492 ALF EMIL EIK / Joy & Breath Of Eternity CD \2800
 <2023年リマスター盤> メロトロン入り北欧シンフォの名作として知られる79年作。当時はEMIハーヴェストからリリースされたもので、ALF EMIL EIKのマルチ・プレイを中心にハケットの影響も感じさせる幽玄かつクリアーなサウンドを描き出している。サックスなど管楽器奏者らが加わっているものの、キーボード、ギター、リズム・セクションらどれも演奏力が高く、多重とは思えないグルーヴ感に驚かされる。前半はジャズ・ロックから入っていくが、アコギとシンセが美しくヴォーカルも聴かせる4曲目や美声の女性ヴォーカルをフィーチャーした5曲目のあふれ出るメロトロンは鳥肌物。まさに北欧ならではの深淵の幻想感に包まれる。神秘的な後半も良い。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2472 ANDERSEN & PLEYM / Have Your Own Feeling Have Your Own Way CD \2800
 初CD化。後にST.HELENAを結成するキーボーディストら2人のデュオ作として71年に250枚のみプレスされたメガレア物。英国フォークの影響を感じさせる甘くドリーミィーなヴォーカルをアコギではなくオルガンとピアノ主体で聴かせる作風が独特で、曲によってトロンボーンやエレクトリック・ギター、ベース&ドラムスも加わるが、あくまでもキーボードとヴォーカルをメインとし、ギターなど数人の友達と学校の音楽室で録音された自主盤だ。物静かな曲ではDUNCAN BROWNEあたりに通じるも、オルガンの弾き倒しとファズギターによるサイケデリックなロック色が強いナンバーもあり、プログレ前夜の雰囲気が立ち込める見逃せない愛着を感じる。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2438 AUNT MARY / Same CD \2800
 <2022年リマスター盤> アント・マリーの70年リリースの1stが著名音楽プロデューサーCHRISTER FALCKが仕掛けるCD化プロジェクトのNORSKE ALBUMKLASSIKEREにてノルウェー盤にて再発! 本作は英国からの影響を強く持ち、曲によってストリングスやブラスも配したアートなポップ色や、サイケなギターを交えつつ、熱くメロウなヴォーカルをメインにプログレ前夜の中を探るように先へ進んでいる。クラシカルなハモンドや叙情的なフルートが前に出て来ると哀愁のヘヴィ・プログレの資質が妖しく覗く、奥のある内容だ。結成当初はバンド名をPROGRESSとしていた。本作後、メンバーチェンジにて本格派ハード・ロック路線に生まれ変わる。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2439 AUNT MARY / Loaded CD \2800
 <2022年リマスター盤> アント・マリーの72年名作2ndが著名音楽プロデューサーCHRISTER FALCKが仕掛けるCD化プロジェクトのNORSKE ALBUMKLASSIKEREにてノルウェー盤にて再発! 北欧屈指のハード・ロックの名盤と言え、哀愁を交えた重厚なサウンドへ大化けした。前作からキーボーディストが交代し、ディープ・パープル直系の豪快かつテクニカルなアンサンブルを生んでおり、リッチーの影響が強いギタリストの腕前はアコギも含め英国の超一流に匹敵。そして、旧B面になるとプログレ色が沸き立ち、クラシカルでワイルドに唸るハモンドとヘヴィなギターの絡みは、二期パープルにエマーソンが加入したかのような迫力で迫る。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2460 AUNT MARY / Janus CD \2800
 <2022年リマスター盤> 北欧屈指のヘヴィ・シンフォの傑作となった73年リリースの3rd。クリムゾンの21世紀を思わせる1曲目から3曲目までは組曲のようにつながっており、バンコかと思う4曲目、タル風の6曲目、ELP風の8曲目、シンフォニックな9曲目などなど本作ではハモンドだけでなくムーグも重厚に配され、イタリア・ファンも息を呑むプログレッシヴさを見せる。シュールな幻想を具現化させた多彩な試みが詰っている力作だ。英国の影響をサウンドに落とし込んだ1st、リッチークラスのギターテクが炸裂しパープルにエマーソンが加入したかのような2nd、そして、シンフォの名作となった本3rd。どれも完成度が高い。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2482 BAROCK / Bare En Blaveis CD \2800
 <2023年リマスター盤> 76年にリリースされた北欧シンフォの名盤が人気の高いNORSKE ALBUMKLASSIKEREの再発シリーズにて登場。バンド名が示すようにクラシカルな哀愁を湛える叙情派で、キーボードやギターの他にヴァイオリンとフルートを配し、メロディアスなヴォーカル・ナンバーと幻想的なインスト・ナンバーを交えながらロマンチックな作風で聴かせる。フィヨルドの港街、スタヴァンゲルのバンドらしい夜明けを見つめるような心に染み入る内容だ。当時はマーキュリーというメジャー・リリースであった為、演奏力もあり、アレンジや録音などプロデュースも行き届いている。オスカー・ワイルドやハンス・ボルリなどの著名な詩人の引用も。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2473 BAZAR / Drabantbyrock CD \2800
 <2022年リマスター盤> HOSTの1stあたりを思わせる激レアの良質なコレクターズ・アイテムとして知られるハード・プログレ・バンドの74年作2nd。ツイン・ギター(&ヴォーカル)とリズム・セクションの4人編成で、曲によってハモンドやピアノ、リリカルなフルートも加わる。ノルウェー語で歌われ、中にはカイパのようなトラッドをベースにした北欧らしい哀愁のインスト・ナンバーも含み、アコギも用いられ、カッコ良く畳み掛けるナンバーにメロディアスなナンバーも混じる。手数の多いドラムスに乗り硬質なギターが熱いインプロを展開するラストはジャズ・ロックへ。71年にオスロで結成され、73年にROLF AAKERVIK & BAZAR名義でデビュー。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2502 THE CHRONICLES OF FATHER ROBIN / The Songs & Tales Of Airoea - Book III CD \3300
 WOBBLER、JORDSJO、TUSMORKEらのメンバーが集まった最強クラスのヴィンテージ・シンフォ最新の第3弾2024年作。1曲目はまるでジェントル・ジャイアント、2曲目、そして3曲目は、まるでイエスといった感じで、英国プログレへの崇高な憧憬が映し出される。ややサイケデリックな4曲目、女性ヴォーカルも交えたフォーク風味で始まるラストの5曲目も70年代初期の英国リスペクトが強く、ハモンド、ローズ、ソリーナ、チャーチ・オルガン、メロトロンなどキーボードの彩りも十分。北欧神話や伝説などからのインスピレーションを散りばめ完成させている。30年ほど前からあった構想で、3部作としてようやく形になった。その最終章で、もっとも統一感があり、透明感のあるリリカルな作品となている。
SC-2483 CONVIVIUM / Same CD \2800
 初CD化。ノルウェー語で歌われる哀愁の女性ヴォーカルをフィーチャーしたフォーク・バンドの71年作。デビュー当時はノルウェーのペンタングルと言われていた彼らの唯一作で、メジャー・ポリドールからのリリースだった。2本のギターとコンバスの4人編成に、曲によってフルート、リコーダー、チェレスタ、フィドル、パーカッション、ドラムスらが加わる。オリジナル曲にトラッドを交え、歌詞はルドルフ・ニルセン、オラフ・ブル、ハーマン・ヴィルデンヴェイなどのノルウェーの詩人から取られ、後半ではストリングス・カルテットも加わったクラシカルさや、ジャズ・スゥイングも見せる。英国のアンダーグラウンド・フォークにも通じるツウな趣がある。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2430 DIFFERENCE / Same CD \2800
 初CD化。プロコル・ハルムに触発されたバンドの74年デビュー作。最初のデビューはプロコル・ハルムと同期の67年で数枚のシングルのみで一度解散。そして数年後に再編により本作をリリース。オーケストラを配したポップな要素とハモンドによるクラシカルな哀愁が交じり合うメロディアスな内容となっており、シングルの再録に加え、ムーグの大胆な導入やエレピのリズミカルなアクセントなどプログレッシヴ・ロックにも触発されたアレンジを見せている。シンパシーを思わせる5曲目やリリカルなコーラスが美しい6曲目など後半ではナイーヴな曲調にも魅せられ、またラストはキーボードとギターをメインにしたインストで軽めのシンフォ風味も。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2440 DIFFERENCE / Different Ways CD \2800
 初CD化。プロコル・ハルムに触発されたバンドの75年リリースの2nd。デビュー作に比べると幾分ポップになっているものの、エレピやギターの堅実なプレイに曲によってストリングス・オーケストラを加えメロディアスに聴かせる好作だ。コーラスを多用したヴォーカルとタイトな演奏の組み合わせは北欧を匂わせるが、レスリーが効いたハモンドとクラシカルなオーケストラが英国調で奏でられる4曲目などやはりプロコル・ハルムがイメージとして浮かぶ。また6曲目のようなシンセをフィーチャーした哀愁のシンフォ・ナンバーもあり、オケ・アレンジも担当しているキーボーディストの作曲力が光る。歌を主体に聴かせる抜群のメロディセンスは一級品。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2481 THE DREAM / Get Dreamy CD \2800
 <2021年リマスター盤> ピンク・フロイドやザ・ナイスがデビューした67年にリリースされたスーパー・グループの唯一作。TERJE RYPDALがギターで在籍しており、もちろん彼のハードなプレイも聴き所だが、サウンドの核となっているのは弾き倒されるワイルドなハモンドで、暗さがあり、HANSSON & KARLSSONや初期SAVAGE ROSEを思わせる北欧らしい名盤だ。ブラスや女性コーラスもフィーチャーし、ポップ、サイケ、ハード、プログレが入り混じり、アートロックを超えた攻撃性あふれる長尺なインストなど、かなり過激。ストックホルムで録音されリリースまでに時間を要したが、その間に噂が広がり、16週チャートインし最高5位を取っている。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2427 FLAX / One CD \2800
 <2021年リマスター盤> 76年にノルウェー・ヴァーティゴからリリースされたメロトロン入りハード・プログレの名作。デビュー・アルバムとなる本作は英国の一流どころに匹敵し、ストレートなノリと屈折したアレンジが曲中で織り成す攻撃的なサウンドをエネルギッシュに炸裂させ、次から次へと切り込みを繰り返す硬質なギターとスリリングな絡みを見せるキーボード、それもピアノ、オルガン、シンセ、クラヴィなど引き出しが多く、ハッとさせるコーラス、そして、強力&重厚なリズム隊と一体となってかなりの破壊力を持つ。ヴォーカルがややうるさいが叙情的に流れるメロトロンはシンフォ・ファンに好アピール。同国のHOSTと並ぶ必聴作。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2433 FOLQUE / Same CD \2800
 <2022年リマスター盤> 北欧プログレッシヴ・フォーク・ロックの名作として知られる74年リリースの1st。哀愁の女性ヴォーカルをフィーチャーし、ギターやダルシマーにノルウェーの伝統的フィドル、ハーディングフェーレを絡め、厚みのあるアコースティック・アンサンブルにエレクトリック・ギターとリズム・セクションがロック色をもたらすデビュー作ながら完成度の高い作品だ。名曲、CRUEL SISTERもやっていて郷愁のリコーダーも加わる。深い神聖な森に木霊するような格調が魅力で、時折加わる男性ヴォーカルとコーラスや、インスト曲での平坦にならないアクセント付け、ラストの物悲しいヴィオラの響きなどアルバム構成も見事。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2461 FOLQUE / Kjempene Pa Dovrefjell CD \2800
 <2022年リマスター盤> ノルウェーでは彼らの最高作とも言われる75年リリースの2作目。その後のバンドを支えるギタリストと専属のドラマーが加わり、スプリガンズのようなロック色を強めた。マンディー・モートン似の女性ヴォーカルをフィーチャーし、ほぼ全曲トラッドだが、曲の良さが際立ち、ピアノやリコーダーも交え、ダルシマー、ハーディングフェーレ、マンドリンらを配し、ソリッドな音色にワウも使うエレクトリック・ギターや、ベースにはジャズも感じさせる厚みとタイトなリズム・アレンジが特徴だ。魔法を使える女の子や血なまぐさい伯爵の暗殺など18世紀から19世紀の詩が主に使われている。英国の一流どころに並ぶ出来。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2464 FOLQUE / Vardoger CD \2800
 <2022年リマスター盤> 最も完成度が高い77年リリースの3作目。マンディー・モートン似の女性ヴォーカル、LISA HELLJESENが在籍した最後のアルバムで、魔女と英雄のおとぎ話などトラッドにオリジナル曲を交え、ノルウェー語にて男女ヴォーカルで歌われていく。ギター、マンドリン、ダルシマー、フィドルがアンサンブルのメインでインスト曲もあり、また6曲目のようなピアノをバックにしたコンテンポラリーなバラードや8曲目のような繊細かつプログレッシヴ・フォークと言える力強さなど、このあたりが北欧のスプリガンズと言われる所以か。ディストーションやフェイザーなどエフェクターが効いたエレクトリック・ギターもポイントだ。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2434 FOLQUE / Dans Dans Olav Liljekrans CD \2800
 初CD化。78年リリースの4作目。女性ヴォーカリストとフィドル奏者が新メンバーとなり、ノルウェー伝承の中世トラッドと牧歌的なオリジナル曲を交え制作され、メジャーを離れ、急進的なミュージシャンを支える為に設立されたローカル・レーベルからのリリースとなった。ハードなエレクトリック・ギターと多くの曲でドラムスがフィーチャーされるロック色が本作でも表れており、英国でいうところのフェアポート・コンヴェンションやスティーライ・スパンのようなエレクトリック・フォーク・ロックのノルウェー版となっている。曲によってはクルムホルンやダルシマーも配し、ラストではジョン・レンボーン・グループのような雰囲気も。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2417 FOLQUE / Fredlos CD \2800
 初CD化。バンドの過渡期と言える80年にリリースされた5作目。初期の流れを汲むトラッド・アレンジの多い作品で、自作曲によりエレクトリックなサウンドを強めた次作「LANDET DITT」と比べると正統派の北欧フォーク・ロックを聴かせている。ノルウェー語で歌われる男女ヴォーカルをフィーチャーし、エレクトリック&アコースティック・ギター、フィドル、フルート、ダルシマー、マンドリンにリズム・セクションを配し、インスト・ナンバーも交えながらジャケットが物語るノルウェーの中世絵巻へ誘っていく。厳かなコーラスと反するディストーション・ギターなど本バンドの魅力のひとつだが、なんといってもチャーミングささえも感じる女性ヴォーカルの良さが格別だ。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2418 FOLQUE / Landet Ditt CD \2800
 初CD化。エニドやグリフォンを思わせるシンフォニックなナンバーに驚きを隠せない81年リリースの6作目。北欧を代表するフォーク・ロック・バンドで、ノルウェー語で歌われる女性ヴォーカルをフィーチャーし、アコギ、フィドル、ダルシマーらを配したアコースティック色に、本作ではハードなエレクトリック・ギターを始め、厳かなオルガン、リリカルなピアノ、美しいシンセ、クラシカルなチェンバロなどキーボードが多めに持ち込まれ、またエキゾチックさを纏ったポップなナンバーも聴かせるなどエレクトリック&ロック色を強め、シンフォ・ファンも魅了。とは言え、ノルウェーの中世トラッドをベースにした曲もあり、当然出来は良く、フォーク・ファンも見逃せない。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2441 FOLQUE / Sort Messe CD \2800
 初CD化。当時の最終作となる83年リリースの7作目。フィドル奏者が抜け、バンド初のフィドルをフィーチャーしない、そしてエレクトリック・ギターとマンドリンをアンサンブルのメインとし、ファンタジー文学を取り入れるなどオリジナル曲を中心にアコーディオン、ダルシマー、ピアノ、シンセ、オルガン、フルート、ペダル・スティール・ギターらにリズム・セクションを加えた最もロック色の強い作品となった。後期の女性ヴォーカリストはそのまま在籍しており、彼女のチャーミングかつ奥行の深い哀愁の歌声を聴かせる、ある意味、異色作となっている。レコードはマイナー・レーベルからのリリースでプレス枚数はかなり少なかったらしい。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2499 FOLQUE / Dans Dans... CD \2800
 初CD化。彼ら唯一のライヴ盤。デンマークでの84年のMIDTFYNSフェスから収録したもので、リリースは91年だった。7作目の後、活動休止状態だったが、フィドル奏者を呼び戻し、チャーミングな女性ヴォーカルをフィーチャーした後期のメンバー6人で演奏。4作目以降の曲だけでなく、1st、2nd、3rdなど初期の曲も取り上げており、計10曲(MCあり)の集大成的なセットリストとなっている。録音状態も良く、中世トラッド色とタイトなロック色の融合はやはりスプリガンズを彷彿。なお、このフェスはジャズやメタルも含み北欧最大だったとも言われ、数日に渡って開催されていた。フェアポート、プロコル・ハルム、ロバート・プラント、オール・アバウト・イヴらも参加。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2465 GUNNAR ANDREAS BERG / Snowdawn CD \2800
 初CD化。ノルウェージャン・ギター・ジャズ・ロックの傑作とされる80年リリースのデビュー・アルバム。TERJE RYPDALと並ぶと評価されており、音色も含めプレイのタイプが良く似ている。前半は正にTERJE RYPDALを思わせる抽象的でかつ自由でクールなサウンドを北欧色でシリアスに聴かせており、ECM系ファンにはたまらない作風だ。後半はハードに始まりテンション高くマハヴィシュヌ系ジャズ・ロックを展開。エレピに加え、幽玄なオルガン、一部でシンセや女性ヴォイスも配される。また、アコースティック・ナンバーではマクラフリンと言うよりもハケットを連想させる幻想性があり、キーボードようにフィーチャーされるプリレコ・コーラスが印象的。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2503 HADES / Same CD \2800
 初CD化。専任のフルート奏者を配し、リリカルなプレイからタル張りのハードな奏法まで自在に繰り広げるハード・プログレッシヴ・バンドの74年作。巧みなギターとノルウェー語のヴォーカルをフィーチャーし、同国のHOSTの1stにも似たサウンドを聴かせる70年に結成されたバンドで、タルのブーレそのもののようなクラシカルなナンバーも含み、たしかに影響は隠せないが、ジャズ色をハードに織り交ぜた演奏は時にフォーカスあたりも感じさせ、英国よりもヨーロッパの叙情が流れる。本作が唯一作で、74年にライヴ録音されるも、ANEKDOTENやANGLAGARDらを手掛けていたノルウェーのプログレ専門レーベルCOLOURSから92年に初アナログ・リリースされた。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2448 HAKON GRAF - SVEINUNG HOVENSJO - JON EBERSON - JON CHRISTENSEN / Blow Out CD \2800
 初CD化。RUPHUSのキーボーディストやMOOSE LOOSEのギタリストとベーシストに多数の作品に参加しているECMのハウス・ドラマーが加わり4人の連名で77年にリリースされたジャズ・ロック・アルバム。プロデュースも手掛けている初期RUPHUSのキーボーディスト、HAKON GRAFを中心としたプロジェクトだったと思われ、彼のシャープな弾き倒しのシンセをメインに、ピアノや美しいストリングスも加え、ギターが鋭角に切り込み時にメロウにフィーチャーされるインスト作で、イメージはRUPHUSの3作目「Let Your Light Shine」あたりに近い。アコースティックなナンバーもあるものの、全体にハードなテンションで迫るプログレッシヴな内容となっている。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2500 HAKON GRAF - JON CHRISTENSEN - SVEINUNG HOVENSJO / Hideaway CD \2800
 初CD化。RUPHUSのキーボーディストやMOOSE LOOSEのギタリストとベーシストに多数の作品に参加しているECMのハウス・ドラマーが加わり77年にリリースされた連名作「Blow Out」の続編と言える82年作。ただ、本作にはギタリストが参加しておらず、初期RUPHUSの要だったキーボーディストのHAKON GRAFのソロ色の強い作品となっている。美しいシンセやエレピがゆったりと幽玄に流れ、ポリムーグによるストリングスやタウラスベースもフィーチャーし、北欧然とした幻想的なシリアス系シンフォとジャズ・ロックが混在する内容となっている。メロディ楽器の立ち位置も取る強固なベース、時に装飾的なドラムス、12弦の導入もあり、ペッカあたりの感性にも通じるのでは。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2419 HOLE IN THE WALL / Same CD \2800
 <2021年リマスター盤> 72年リリースのプログレッシヴ・フォーク・ロックの激レア傑作。男女ヴォーカルをメインにピアノ、エレクトリック&アコースティック・ギター、ヴァイオリン、チェロ、アコーディオン、リズム・セクションらの彩り鮮やかなアンサンブルにて、当時のサイケ色もミックスされ、英国のバンドに例えるなら、COMUSの2作目やINCREDIBLE STRING BAND、HERONあたりに近いサウンドで聴かせる深みのある内容だ。現在でも多くの優れたプログレ・バンドを送り出している風光明媚なベルゲンで結成され、ヒッピー集団から生まれたと言われているもののドラッグ色はなく、端整に作曲された楽曲と繊細な演奏が素晴らしい。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2449 HOST / Pa Sterke Vinger CD \2800
 <2022年リマスター盤> ツイン・ギターを配し哀愁のハード・プログレを聴かせる74年作1st。北欧のウィッシュボーン・アッシュと言われる本作。メロディアスでかつテクニカルに展開されるトップクラスのサウンドで、緻密に配された2本のギターがこれでもかと織り成し、ノルウェー語のヴォーカルで胸熱に歌われていく。リフひとつとっても巧みに考え抜かれており、ゴリゴリのベースやコーラスもフィットし、ギタリストによるキーボードも控え目ながらソリーナ系、ピアノ、シンセ、オルガンを曲によって使い分け、ラストは泣き泣きでエンディングを迎える。翌年に2人のギタリストとドラマーは脱退し、同趣向のDEJA-VUとBAZARへ。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2466 HOST / Hardt Mor Hardt CD \2800
 <2022年リマスター盤> ノルウェーが生んだ屈指の北欧シンフォの傑作。デビュー作からメンバーが一新され、もう別バンドと言える76年リリースの2nd。ヴォーカリストは同じなのでそのイメージは保たれているが、テリー・ポジオを思わせる強烈なリズムを叩き出す元ST.HELENAのドラマーと、同じく元ST.HELENAのギタリストのテクニカルなプレイに、ジョブソン張りのスリリングなオルガンがフィーチャーされ、ギターがスキなく入り、急激な展開が何度も配され、アコギやフルートの叙情性も効果的に加味。さらに、バラードではオーケストラまで導入。アルバム前半の畳み掛けが凄まじいが、後半は北欧色を押し出した空気が張っている。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2025 IVER KLEIVE / Kyrie CD \2850
 その参加作品の数は200を超えると言われるオルガン奏者。本作は94年にリリースされた彼の初の単独作品。荘厳なパイプ・オルガンとリリカルなピアノをメインに、美しい女性ヴォーカルと合唱団を加えた圧巻のスケール。力強いドラマチックな展開を見せる。パイプ・オルガンに絡む女性ヴォーカルを、パーカッションとドラムがいやおうなく盛り上げるラストは言葉も失うほどの感動を呼び起す。このテイクは94年のリレハンメル・オリンピックのオープニング・セレモニーで使われた。デジパック。
SC-2026 IVER KLEIVE OG KNUT REIERSRUD / Himmelskip CD \2850
 パイプ・オルガンを導入した圧巻のシンフォニック作品、KYRIEでプログレ・ファンからも注目されるようになった彼と、ギタリスト、KUNT REIERSRUDとの96年共作。あまりにも荘厳なパイプ・オルガンとアンディ・ラティマーを思わせるギターの重なりは、ここでも感動的。ヴォーカルをとるPOVL DISSINGは、デンマークの有名なシンガー。デジパック。
SC-2474 JORDSJO / Jord Sessions CD \2800
 17年にカセットでリリースされたアルバム、JORD(18年にCD化)の曲に追加録音をした「リミックス」をメインに、同時期に録音されていた2曲(1曲は初CD収録)とファン向けのコレクターズ・シングルとしてリリースされたデモ(初CD化)を収録した2022年盤。ANGLAGARDあたりを思わせるサウンドが話題となったが、リミックス及び追加録音により神秘的なプログレッシヴ性が濃くなり、ますますANGLAGARDに近くなった。メロウなギター、妖しくも美しいフルート、シンセ、オルガン、メロトロンらにノルウェー語のエキゾチックなヴォーカルが加わる。本編と同年に録音され今回追加収録された3曲もメロトロンのツウな配し方など出来が良く、ジェントル・ジャイアントの影響も感じさせ、特に初CD化となるデモ(13分)はデモの域を超えた内容で北欧シンフォの真髄を極めている。深い。ANGLAGARDファンはぜひ!
SC-2462 KERRS PINK / Same CD \2800
 <2022年リマスター盤> これが初のノルウェー盤CDとなる80年デビュー作。今も新作をリリースし続ける彼ら。アップデイトされた近年の作品にはないノスタルジックな慕情があり、込められた哀愁は初期カイパにも通じ、儚いフルートも配し、ノルウェー語のヴォーカルが北国のエキゾチッさを醸し出す。メロトロン・コーラスでドラマチックさを引き立てる9曲目、バロックとトラッドが交差しラストはオーロラの如く感動的なソロが夜空に織り成す10曲目など、この後半の感情の発露は今でも色あせない。バンド史は古く、72年に結成。HOSTのギタリストとの共同プロデュースとなっている。キャメル度ではドイツのルソーと双璧。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2484 KERRS PINK / Mellom Oss - 1981 Original Version CD \2800
 <オリジナル・ヴァージョン初CD化> キャメル愛が満ちる81年リリースの2nd。ヴァイオリンもフィーチャーした序盤の甘美で物悲しいメロディアスさ。キャメルにカイパも加わるからもう泣くしかない。デビュー作からサウンドが少し立体的になり、ストリングス・シンセを薄く使った遠近感のあるメリハリ、音色でも泣かせるハモンド、ノルウェー語のヴォーカルと北欧王国のアイデンティティ。後半は17分越えの組曲になっており、フルートも流れ、幽玄な佇まいに女性ヴォーカルが美を研ぎ澄まし、きらきらとした雪解け水が見える。屈指の名曲だ。*以前のすべてのCDは90年頃の完全な再録とリミックスです。これがオリジナルLPの初CD化となります。キーボーディストら録音メンバーも少し違い、アレンジや楽器も異なり、ムゼア盤など以前のすべてのCDはMellom Oss Ver.2と言え、曲順も変えられた別物です。今回の81年録音オリジナルVerは必携です! リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2202 KERRS PINK / A Journey On The Inside CD \2500
 限定紙ジャケット・ロシア盤。解散、FOXTROTを経て、93年に突如リリースされた3作目。新メンバーのキーボーディストが書きおろしたストーリーをベースに、70分以上にわたって展開する大作のコンセプト・アルバム。3年以上の構想らしい。アイリッシュなリコーダーやティン・ホイッスル、曲によっては女性ヴォーカルをフィーチャーし、優美なギターがリードを取っていく。北欧シンフォの90年代の名作のひとつ。
SC-2040 KETIL BJORNSTAD & ERIK HILLESTAD / Messe For En Saret Jord CD \2850
 傑作。ノルウェー屈指の二人のアーティスト(ERIK HILLESTADはKIRKELIGのオーナーでもある)による壮麗なシリアス・シンフォニック・ロック作品。女性オペラ歌手とオスロ混声合唱団をフィーチャーし、ミサ組曲をドラマチックに展開する。泣きのギターまで加わった本格的なクラシカル・ロック・アルバムと言える。1曲目から2曲目あたりで、B級シンフォ・バンドなどぶっ飛んでしまう。このレーベルではIVER KLEIVEのKYLIEと並ぶシンフォ・ファンも必聴作。92年作。
SC-2467 KONG LAVRING / Same CD \2800
 <2022年リマスター盤> FOLQUEの1stに参加していたギタリストが結成したバンドの77年デビュー作。ノルウェー語による美声の女性ヴォーカルと温かな男性ヴォーカルをフィーチャーし、ギター、マンドリン、ベース、ドラムスらの基本構成に曲によってピアノ、クルムホルン、ダルシマー、アコーディオンらが加わり、FOLQUEと比べるとアレンジが幾分シンプルだが同じく中世色があり、哀愁が透き通り染み入ってくる。また、トラッド中心だがフィドルが入らないため、エレクトリックな質感が強い。バンド名はノルウェーの御伽噺にちなんで付けられた。スウェーデンのFOLK & RACKAREとのつながりも。アナログ・コレクター垂涎のレア・アイテム。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2493 KONG LAVRING / Den 2Den CD \2800
 <2023年リマスター盤> 美しいハーモニーを聴かせる女性ヴォーカリスト2人をフィーチャーしての北欧然とした暗さを持つエレクトリック・トラッド&フォークを聴かせる78年作2nd。本作ではほぼメンバーが入れ替わっており、幾分シンプルなアレンジだった前作と比べ、ギター、マンドリン、ダルシマー、リコーダー、リズム・セクションらにファゴットやホルンなど木管楽器の淋しげなアンサンブルや、ランゲレイクと呼ばれるノルウェー民俗弦楽器のツィター、さらにピアノ、エレピ、クラヴィのキーボードをゲストで加え、またFOLQUEのフィドル奏者も参加している。深く掘り下げられた古代ノルウェーのメロディと純粋な地元の言語による激レア名作。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2507 LAUGHING STOCK / Shelter CD \3600
 メロトロンやオルガンを幽幻に配し、ヴァイオリンやヴィオラ・ダ・ガンバ、フルートやトランペットも曲によってフィーチャーした、なんとも薄暗い北欧の幻想が絵画的に浮かび上がる2024年作。ナイーヴなヴォーカルを交え、ピアノやアコギの耽美な夢想と時にヘヴィなディストーション圧を交差させ、夕暮れの仄かな光が闇に消えていく逢魔が刻の哀愁を見せられる。パートによってはアンビエントが効いたポスト・フォークのようでもあり、パーカッションをドラムス的に用いながら、ナイロン・ギターや12弦などアコースティックの極めて美しい叙情性を引き出しつつ、シンフォニックな色彩を絶妙に加えたエレクトリックの融合。トータルに仕上げられたモダンな北欧美学に浸れる。TIM BOWNESS入りのボーナス収録。
SC-2450 MATHEUS / Musikk Fra Balders Hage CD \2800
 メロトロンをフィーチャーするノルウェーの知られざる1枚、マテウスの74年リリースの唯一作。フォーク風味を湛えたポップ・ロックを基調とするバンドでノルウェー語で歌われるメロディアスな作風が聴け、曲によってはリリカルなフルートも加わる。ラストは美しいピアノにストリングス・カルテットを配したクラシカルなナンバーで、印象に残るエンディングだが、なんと言ってもメロトロン(フルート&ストリングス)が銀河のようにあふれギターがドラマチックに入る1曲目はシンフォ・ファン&メロトロン・ファン垂涎となっており、もしこの調子でアルバム全体が作られていたならスプリング並みのアイテムとしてコレクターを悩ませていたに違いない。2022年リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2509 MEER / Wheels Within Wheels CD \3600
 ノルウェーのシンフォ・バンドの2024年新作3rd。エレクトリックに、ヴァイオリン、ヴィオラも加えた8人編成のバンドで、飛翔し高鳴るストリングスが随所でその色彩を美しく放つ。コーラスを加えた壮大なスケール感のあるドラマ性の中にも、北欧幻想が宿るドリーミィさも持ち合わせた、目まぐるしく多彩なアレンジが素晴らしい。各メンバーの演奏テクニックも申し分なく、また、ソロでも通用しそうな少しハスキーな魅惑の女性ヴォーカルと、柔らかで叙情的な男性ヴォーカル、どちらも非常に魅力的で惹きつけられる。唯一無二のサウンドを誇る、インテリジェント・ポップとシンフォ・プログレのダイナミックな融合。一級品。
SC-2477 MIN BUL / Same CD \2800
 <2022年リマスター盤> ノルウェー・ポリドールから70年にリリースされたフリー・ジャズ・ロックの激レア盤。TERJE RYPDAL率いるトリオで、アヴァンギャルドなジャズがロックと熱く融合していくサイケデリックな内容で、ヘヴィなフレーズをループで固定するウッドベースの木の質感と、メタリックなトーンでハードにプレイするTERJE RYPDALが対象的だ。TERJE RYPDALはサックスも吹いているが、やはり聴き所は3曲目のような攻撃的で過激なギター。ナチュラル・ディストーションにエコーやワウを交え、ロックへ傾倒しながら、つっかかるような独特のスタイルで猛進。またラストはメロウなサウンドで渋さを見せる。北欧ジャズ・ロック、闇の問題作。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2421 MOOSE LOOSE / Elgen Er Los CD \2800
 初CD化。ジャズ・ロック・ファン必聴の74年作。2枚のアルバムをリリースした彼らの1stで特に本作はキーボード、ギター、ドラムスなど驚異的なテンションで畳み掛けており、SECRET OYSTERあたりも思わせる圧巻の演奏で迫ってくる。加えてシンセやオルガンによる北欧イメージも広がり、マハヴィシュヌ〜カンタベリーといった影響を見せながら、後半にはTERJE RYPDALが初期で繰り広げた荒々しいギターのハードなインプロや、アコースティック・ピアノとアコギをフィーチャーした美しいナンバーが配置されるなど、各ミュージシャンのスキルを最大限テープに収めることに追求した、そんなチャレンジ精神にも満ちた尖った内容となっている。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2459 MOOSE LOOSE / Transition CD \2800
 初CD化。ノルウェー・ヴァーティゴから76年にリリースされた2nd。初期RUPHUSのキーボーディストやFOLQUEのヴァイオリニストが加わるなど、ギタリスト以外のメンバーが一新され、その為かエネルギッシュだった1stとは趣を変えたコンテンポラリーで知的なジャズ・ロックとなっている。中盤ではヴァイオリンとピアノ、またはヴァイオリンとアコギ&エレピのみの曲があるなど物静かなマハヴィシュヌとも言えなくもないが、一旦ギアが入るとグルーヴ感は上がり、はねるようなベースと的確なドラムスに乗ってギターがハードに弾き倒される。インストだがパートによってはRUPHUSの美しいジャズ・ロック性にも通じる、とてもツウな内容だ。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2428 NEPTUNES EMPIRE / Same CD \2800
 初CD化。71年に英国のみでマイナー・リリースされた激レア作。英国とノルウェーの混合バンドの唯一作で、4人のフォトがあるものの実際はトリオで演奏にはプログレ・バンドのJUNIPHER GREENEとオスロ・シンフォニー・オーケストラが起用されている。オルガンと男女ヴォーカル・フィーチャーした英国調のソフト・ポップ・ロックと言った感じだが、時折攻めるオルガンやリリカルなフルートがプログレ風味を出し、加えて曲がメロディアスで心地良い。最近YOUTUBEにオリジナル・メンバーの書き込みがあり、メンバー写真の間違いやエージェントが飛行機事故で亡くなりプロモーションが行えず不運なリリースだったと語っている。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2422 OCTOPUS / Thaerie Wiighen CD \2800
 待望の初CD化。81年に自主リリースされた激レア・シンフォ。ノルウェーの劇作家のヘンリック・イプセンの詩をコンセプトにしたトータル・アルバムで、ジェネシスやキャメルの影響を感じさせながらもノルウェー語のヴォーカルにより不思議なシアトリカルさが浮かぶ力作だ。オーヴァーチュアーからラストのエピローグまで目まぐるし展開し、北欧ならではのファンタジーに迷い込んでしまう作風はフルートなどクラシカルな手法に基づいたパートも含み、シンセ、ピアノ、オルガン、ソリーナ、エレピなど多彩なキーボードとアコギも多用されたアンサンブルは徹底的に作曲されたもので、本作のみで消えたバンドの作品とは思えない出来だ。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2458 OLE G NILSSEN / World Of Dreams CD \2800
 初CD化。76年に超マイナー・レーベルからリリースされた激レア物。クリムゾンの詩情とフロイドのダークな幻想感とキャラヴァンのポップさを混ぜ合わせたようなメロディアスな内容で、英語で歌われ、華麗なギターにピアノやオルガンなどキーボードが巧みにかつリリカルに加わり、曲によってヴァイオリンやフルートが添えられる。ヴォーカルをメインにした構成だが、手数の多いドラムスにより、インスト・パートになるとジャズ・ロックの様相も見せ、シンセも入る。後半ではオーケストラがフィーチャーされるバラードも。ノルウェー北部の島にある街、ハーシュタのレコード店のオーナーでもあり、そんな彼の英国好きな趣味が香る隠れた名作だ。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2443 ORIENTAL SUNSHINE / Dedicated To The Bird We Love CD \2800
 <2022年リマスター盤> 70年にPHILIPSからリリースされたプログレッシヴ・サイケ・フォーク・バンドの唯一作で6桁の激レア名作。女性ヴォーカルをフィーチャーしたトリオに、プログレ色をもたらすJUNIPHER GREENEのキーボーディストやジャズ系のリズム・セクションなどゲストが加わり、オルガン、ピアノ、シタール、タブラ、リコーダーなどを導入した、浮遊感を帯びたドリーミィーなサウンドで魅了。ギタリストは後にHOLE IN THE WALLを結成し、SAFTの3rdにも参加している。シタールの音色がエキゾチックなサイケ感覚を呼び起こし、北欧というよりも一連の70's英国レア・フォークを聴き終えたような印象を残すとてもツウな必聴作。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2476 PLUTO / Voyage Into A Dreamers Mind CD \2800
 遂に初CD化。ハケット・ファン超必聴のマイナー・シンフォの名作のひとつ、PLUTOことマルチ・プレイヤーのPETTER ESPEN GUTHEによる80年デビュー作。タイトなプレイが光るドラマーと2人のヴォーカリストが加わったバンド・スタイルで録音。絵を描くように紡がれるギターと曲想はハケットを北欧のドリーミィさと幽幻さに落とし込んだようなリアルさがあり、メロトロンもフィーチャーし、カイパやケルス・ピンクといった北欧シンフォ独特の哀愁で聴かせる。ナイロン・ギターのロマンチックさなど、まるでハケットだが、多くのパートで配されるリリカルなリコーダーが本作の決め手となっており、全体にゆったりとしつつ凛とした叙情が深く満ちていく。リマスター&見開き紙ジャケット。*曲順はレコードのB面が前半にA面が後半に収録されています。クレジットはレコードと同じです。
SC-2501 PLUTO / Ouverture CD \2800
 初CD化。ハケット・ファン必聴のマイナー・シンフォの名作「Voyage Into A Dreamers Mind」で知られるPLUTOことマルチ・プレイヤーのPETTER ESPEN GUTHEによる82年作2nd。フルートやサックス奏者など数人のメンバーを加え、バレアリック的なエレクトリック感のあるサウンドを北欧の凛とした叙情に幻想的に落とし込んだ作風で、ノルウェーのマイク・オールドフィールドと評された。震えるようなヴィブラートのギターが映え、きらきらとしたシンセやリズム・マシーンを独自のセンスで配し、ヴォーカル・ナンバーも交え聴かせるクールな内容だ。ニュー・ウェイヴ色もあるが、ハートフルな哀愁が漂いバンドを想定した後半など前作の延長線上のシンフォとして上げれる。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2504 PLUTO / Soundtracks For Inner Movies CD \2950
 傑作。初CD化(初リリース)。ハケット、そして、マイク・オールドフィールド・ファンも必聴の99年未発3rdアルバム。マイナーながら名作シンフォ「Voyage Into A Dreamers Mind」で知られるPLUTOことマルチ・プレイヤーのPETTER ESPEN GUTHEによる作品で、神秘的な哀愁に満ちたギターを感動的にフィーチャーし、シンセ、ストリングス、ピアノらにリズムを加えたバンド・スタイルのアンサンブルで録音。全編でこれでもかと響くマジカルなエレクトリック・ギターとリリカルで凛としたナイロン・ギターは超一級品。広大に澄んだ叙情をハートフルに描き切っている。北欧シンフォの指折りの名作だろう。元は映像作品のサウンド・トラックとして依頼されたもので、テスト・プレスのみを残した。2010年にリリースされた彼のシンフォ・バンド、PLUTO & THE PLANETSの曲も含まれている。リマスター。
SC-2451 POPOL VUH / Same CD \2800
 <2022年リマスター盤> 初期クリムゾンを思わせるメロトロンが哀愁を誘う72年リリースの1st。ハモンドやシンセをフィーチャーしたシンフォニックなナンバーを始め、ブリティッシュ・ナイズされたハードでサイケなポップ・ナンバーやコンテンポラリーなジャズ・ロックまで共存するが、アルバムとしてのバランスは良く、リリカルなフルートや気品のあるトロンボーンも配し、ねばっこいギターにホットでメロディアスなヴォーカルとプログレッシヴな演奏を聴かせる名作だ。中でもメロトロンが雄大にうねる5曲目は鳥肌が立つ屈指の名曲だろう。ムーグが乱れクラシカルなピアノで幕を閉じるラストなどバンドのポテンシャルの高揚が伝わる。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2479 POPOL VUH / Quiche Maya CD \2800
 <2023年リマスター盤> ハードなポップさと儚いメロウさを同居させ、アルバムをより強固なものとした73年リリースの2nd。英国の影響、とりわけクリムゾンを感じさせる叙情があり、3曲目を始め幽玄に現れる翳りのあるメロトロンが効果を生む。ハモンドやムーグも配され、ねばり気のある哀愁のギター、アコギやピアノでのバラード、クラシカルな仕掛け、展開の多様性を含め曲作りのヴァリエーションも広がり、一気にシンフォニックに泣きまくる4曲目など王道だろう。また5曲目での北欧色、シンセをサイケデリックに使用した終盤など終始プログレへの意識が高い。なお、クラヴィネットがリズミカルな1曲目はバンド最大のヒット曲となった。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2487 POPOL ACE / Stolen From Time CD \2800
 <2023年リマスター盤> ドイツのPOPOL VUHとの混同をさけるためバンド名を改名し、75年にリリースされた3rd。当時、国内盤も出ていたメロディアスな美しい名作で、ギターは洗練され、シンセが多用されるようになり、2曲目など英国のイングランドも思わせるアレンジで聴かせるシンフォニックな作品だ。ストリングス、エレピ、クラヴィ、ハープシコードなど多彩なキーボードに、本作ではONDES MARTENOT(6曲目のイントロ等)という不思議な音色を発する楽器をフィーチャー。なお、この頃のライヴではピーター・ガブリエル顔負けの数種のコスチューム(クライマックスは本ジャケットの黒怪鳥!で登場)を用い、シアトリカルなステージを見せていた。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2423 PRUCEL / Easy Pieces CD \2800
 初CD化。メロトロンが哀愁を誘う伝説のプログレ・バンド75年作。メロディアスなヴォーカル・ナンバーからラストのようなフォーカスを思わせるクラシカルなインスト・ナンバーまで聴かせる彼ら。ノルウェーのウッドストックと言われたロックフェスのRAGNAROCKに参加していた4人編成のバンドの唯一作で、メロトロンの他に、オルガン、ピアノ、ムーグ、そして劇的なパイプ・オルガンも導入されている。全員がソロ・ヴォーカルを取れる強みがあり、メジャーのフィリップスからのリリースがうなずける内容だ。本作をリリース直後に解散し、アルバムそのものも激レアになってしまった惜しまれる隠れた名バンドの隠れ名盤と言えるだろう。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2452 PRUDENCE / Tomorrow May Be Vanished CD \2800
 <2022年リマスター盤> ノルウェーのジェスロ・タルと言われるプルーデンスの72年デビュー作。フルート、アコーディオン、マンドリンをフィーチャーし、メロディアスなヴォーカルをメインとした牧歌的なフォーク・ロックにヘヴィなサウンドが攻撃的に混じる英国ナイズされた内容だ。フィヨルドで形成されたウォーターフロントの街、ナムソースのバンドで、地元の実力派ミュージシャンにて結成され人気があり、4枚のスタジオ作と1枚のライヴ盤を残しているが、プログレで語れるのは本作のみ。ハードなギターと対比する金属的なマンドリンがポイントとなっており、後半では北欧の森林に木霊するような美しいインスト・ナンバーも聴かせる。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2354 RUPHUS / New Born Day CD \2800
 北欧ハード・プログレの名作として名高い73年デビュー作。次作のRANSHARTではシンフォ、3rd以降はジャズ・ロックへとスタイルを変えていく彼らだが、同国のHOSTやAUNT MARYと並び評される本作のドラマチックさも凄まじい。物悲しいピアノで導かれ、フルートが寄り添い、ハモンドとギターをバックに男女ヴォーカルが交差していく4曲目はヒープに端を発した最高峰だろう。エッジの効いたベースなどイエスを思わせるリズム・セクションの破壊力も特筆だ。ラストなど構想はイエスに近く次作で鮮明に。2019年リマスター盤。
SC-2363 RUPHUS / Ranshart CD \2800
 ハード色が後退し、北欧シンフォの傑作のひとつとなった74年リリースの2nd。明らかにイエス影響下の構想美あふれるプログレッシヴなサウンドを力強く聴かせる前半、キャメルを思わせるようなフルートとメロトロンが至上の美を奏でるムーン・マッドネス調の後半、妖精の如く幽幻な響きは聴く者すべてを美の虜にしてしまう。ファンタジックなジャケットに迷い込んだかのよう。再発物に限れば今でも個人的なノルウェーのベスト3の1枚です。さらに叙情派に絞るとNO.1! 2019年リマスター盤。
SC-2370 RUPHUS / Let Your Light Shine CD \2800
 テリエ・リピダルのプロデュースにより76年にリリースされた3rd。デビュー作のハード志向とも2ndのシンフォ志向とも違うテクニカルなジャズ・ロックを1stから復帰した女性ヴォーカリストを交え展開しており、スピーディに疾走するリズム・セクションを始め、スリリングなギターやシンセなどセンスあふれる技巧サウンドに驚かされる。かつ、北欧然とした透明な美しさを持っており、幻想的な小曲も織り込まれる。部分的にフォーカスを連想させるところも。1stや2ndと共にバンドを代表する作品となっている。2019年リマスター盤。
SC-2374 RUPHUS / Inner Voice CD \2800
 前作「Let Your Light Shine」同様にテリエ・リピダルのプロデュースで77年にリリースされた4th。女性ヴォーカリストとキーボーディストがバンドが目指す音楽性に合ったよりジャズ志向のメンバーに代わり、スマートに疾走する作品を完成させた。スタイリッシュでクリアーで澄んだサウンドは一級品で当時は国内盤もリリースされジャケットと共に多くのリスナーに記憶されたはず。ヴォーカルはソウルフルだが、ギターとピアノがテクニカルに絡みシンセやソリーナによって美しい北欧世界が広がる。冷えびえとした郷愁を垣間見る。2020年リマスター盤。
SC-2392 RUPHUS / Flying Colours CD \2800
 78年リリースの5作目。前作の延長線上にあるサウンドで女性ヴォーカルをフィーチャーしたリズミカルな曲調と北欧らしい美空間が広がるジャズ・ロック・テイストのバランスがいい。テクニカルなギターとキーボードは硬質な輝きを持っており、非常にセンシティヴな、そして円熟を感じさせる演奏を聴かせる。ゲストでヴァイオリンが入る5曲目やアコギがリリカルなラストなど英語で歌われているものの透き通った北国の情景が浮かぶ。ジャケットに描かれたオーロラが揺れているようだ。2020年リマスター盤。
SC-2415 RUPHUS / Manmade CD \2800
 初期の女性ヴォーカリストが戻って録音された79年リリースの6作目でバンド最終作。北欧らしい美空間は本作でも失われておらず、それどころか、より透明度を増している。2曲目や4曲目などゆったりとした曲調も見られ、ドリーミィで叙情的なシンフォニック・ロック色が芽生えている。加えてジャズ・ロック・ナンバーもアンサンブル志向へやや変化。ピーンと糸が張ったリリカルさがあり、キーボードやギターが光を反射し、まさにダイヤモンドダストの情景を映し出す。ジャケットのイメージからはとても想像出来ない、ヒューマンなサウンドだ。2021年リマスター盤。
SC-2431 SAFT / Same CD \2800
 切れのいいプログレッシヴでクラシカルなオルガンを配し哀愁のヴォーカルを聴かせる71年デビュー作。ポリドールからのメジャー・リリースでプロデュースとレコーディング力が効いた内容となっており、ハードなナンバーと郷愁のアコースティックなナンバーにELEANORE RIGBYなど影響を物語るナンバーを交えながら、ポップなメロディアスさも極上でマイナー調の心に響く曲が多い名作だ。なお、6曲目の切々としたバラードはベトナム反戦を歌っており「Fighting for freedom is like fucking for virginity」の歌詞にてBBCでは放送禁止となるも同年に皮肉った「Censored by BBC」ロゴ入りジャケットにてシングル・カットされた。単体では初CD化。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2468 SAGE MALONE / Words CD \2800
 初CD化。メロトロンをフィーチャーし、ジョン・ウェットンとグレッグ・レイクを合わせたような哀愁ヴォーカルを聴かせるシンフォ・バンドの85年作。EP&シングルと2枚のアルバムを自主リリースしたバンドの1stアルバムで、エレドラのシモンズの導入など80年代トレンドに、7曲目の「Masquerade」のようなこの年代では希少になったメロトロン(ストリングス&フルート&クワイア)の劇的な配置やハモンドB3など70年代ヴィンテージが混在し、クリムゾンやフロイドらの英国プログレッシヴな憧憬と共に北欧ならではの冷たく澄んだ美しい空気が生フルートも入り発散されていく。嘆きのラストはまるでクリムゾンで鳥肌物。メロトロン・ファン必聴作。1曲目はご愛嬌ということで。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2480 SAGE MALONE / I Can Do Without You CD \2800
 初CD化。86年リリースの2nd。ジェネシス、キャメル、クリムゾンらに影響を受けて78年にオスロで結成。84年にデビューEPを自らのレーベルからリリースし、翌年に1stアルバムをリリース。エレドラなど80年代のフォームに入っていながらのドラマチックなメロトロンの導入にシンフォ・ファンのコレクターズ・アイテムとなった。本作は1stの音楽性を洗練させた延長線上のもので、前半はポップでバグルスあたりも思わせるが、アコギとメロトロンが叙情的な4曲目やアルバム後半は落ち着いたメランコリックな曲が続き、哀愁を秘めた英国調のヴォーカルをフィーチャーし、ピアノ、シンセ、サックス、フルート、ギターなどシンフォニックな趣を湛える。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2495 SALUKI / Same CD \2800
 <2023年リマスター盤> JUNIPHER GREENEを経たギタリストや後にRUPHUSに参加するキーボーディスト、ドラマーが在籍するジャズ・ロック・バンドの76年作。当時の唯一の作品で中期RUPHUSの女性ヴォーカリストもコーラスで参加。ブラスを押し出したファンキーな1曲目で惑わされるが、ピアノとギターが美しい叙情を奏でるRUPHUS風の2曲目、テクニカルなシンセとメロディアスなヴォーカルで聴かせるキャラヴァン彷彿の3曲目へと続き、ストリングス・キーボードも幻想的に広がる北欧シンフォ的な中盤も良い。そして、シンセ、ギター、サックス、オルガンがソロを繰り広げる終盤は後期RUPHUSへ受け継がれていく。コレクター垂涎。近年再結成された。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2184 SINIKKA LANGELAND / Starflowers CD \2800
 北欧のロリーナ・マッケニットと言われる彼女の久々となる07年作。KIRKELIGも愛用するオスロ・レインボー・スタジオでの録音。トランペットとサックス奏者入りの静謐なジャズ・バンドをバックに、彼女の澄んだヴォーカルときらきらと木漏れ日のようなカンテレが響く。ローカルな純トラッド部分が薄くなり、北欧ルーツのデザイン化されたアコースティック音楽といった感じでもあり、もちろん、トラディショナル音楽がベースになってのことだが、狙った立ち位置が絶妙で、プログレ・ファン層へ持ってくるには地味過ぎたそれまでの作品よりは、この凝り方がとっつきやすい。スリップケース付き。
SC-2463 SOFT FFOG / Same CD \2800
 ロジャー・ディーンを思わせるジャケットが目を引く2022年デビュー作。知的でかつエキサイティングなジャズ・ロックを演奏する4人組で、猛烈な弾き込みのギターと、エレピ主体にシンセが絡むキーボードが張り合い、イエスやクリムゾンを連想させるフレーズも散見。オール・インストだがTERJE RYPDALを思わせる変化自在にクールなサウンドを聴かせるギタープレイのヴァリエーションの多彩さと幽玄なストリングスなどロジャー・ディーン風アートワークに合うファンタジックな奥行を持っており、また、ヘヴィでハードなせめぎ合いとシリアスに構築されたパートとのドラマ性が見事で、音色に独自性があり、モダンなエキゾチックさを秘め迫ってくる力作となっている。
SC-2478 SOLARIS / Misty Morning CD \2800
 初CD化。こちらはノルウェーの知られざるグループ。超マイナー・レーベルから77年にリリースされた彼らの唯一のアルバムで、前年に「World Of Dreams」をリリースしたOLE G NILSSEN率いる5人組。そのソロでの英国プログレ色を受け継いでおり、キャラヴァンあたりを思わせるメロディアスでクールなヴォーカルのポップ色に甘美なギターが加わり、3曲目のような叙情的なシンフォ・ナンバーや5曲目のようなツイン・ギターが絡むテクニカルなナンバー、さらに、終盤にも8曲目のような冷ややかな艶のあるギターで聴かせる美しいインスト・ナンバーがあり、曲によってはケルス・ピンクあたりと並べることも出来る。おおらかな歌心が北欧然と流れ出る。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2380 SOLFRID MOLLAND / Hapets Kappe CD \2850
 名門KIRKELIGレーベルからの女性ヴォーカリスト2020年作。ピアニストであり、作曲家でもある彼女。本作ではヴァイオリン、トランペット、アコーディオン、ウッドベースらECM系のジャズ・ミュージシャンを配し、オリジナル曲にユダヤやアラブの曲も交え、しっとりとノルウェー語で歌い寄り添う。インスト・ナンバーも含まれており、北欧ならではの薄暗い哀愁が幽玄に漂う様はKIRKELIGならでは。ピアノのロマンチックな美しさも絶品だ。愛や平和がテーマとなっている。そんな想いに包まれるラストも感動的。デジパック。
SC-2437 ST.HELENA / Hello Friend! (1974 Original Mix + 2012 Remix) 2CD \2980
 初CD化。HOSTの傑作2ndへ参加するギタリストとドラマーが在籍したテクニカルなハード・プログレで圧倒する幻のバンドの唯一作。91年まで未発だった74年のオリジナル・ミックスをディスク1に、12年にリリースされたリミックス・ヴァージョンをディスク2に収録した2022年盤2枚組。怒涛の手数で巻き上げるドラムスや技巧的なギターはHOSTの2ndそのものと言え、メロディアスなヴォーカルで聴かせる名作だ。柔らかなフルートやアクセントとなるアコギ、叙情的なオルガンやエレピ、緻密な硬派でありながら英国やオランダあたりを思わせる優雅なクラシカル風味も持っている。くっきりとした印象のリミックス・ヴァージョンは本編にオープニングとエンディング曲が足されており2曲多い。*ディスク2はオリジナル・ミックス+リミックスの収録になっています。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2488 THULE / Natt CD \2800
 <2023年リマスター盤> 83年にノルウェーの最北端、マーゲロイ島で結成されたゴシック・プログレ・バンド。ULTIMA THULEから改名し、2作目となる90年作。のしかかるダークさが渦巻くも、ヘヴィというよりその混沌としたイメージが独特で、低いトーンのヴォーカルをギターやキーボードとリズム・セクションで押し流していくように聴かせる北欧ならではの個性派だ。当時、ANEKDOTENを始め、ANGLAGARD、LANDBERK、KERRS PINKらを手掛けていたノルウェーのプログレ専門レーベルCOLOURSの2番としてリリースされた。クラシカルなハモンドとメロトロンのようなストリングスも特徴的で、イタリアのバンドにも通じる破壊的な闇に美が漂う名作。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2510 TROJKA / Strobemorke CD \3600
 独自の北欧カンタベリー・プログレをハイセンスで聴かせる2024年作。ノルウェー語で歌われるキーボード・トリオに本作ではギタリストが加入。テクニカルにアレンジされたエレピやシンセ、そしてオルガンにギターが芯を持って加わり、ポップなヴォーカル&コーラスを変拍子に乗せ、激しくヘヴィな膨張から優しいミドルテンポの叙情まで広フィールドにインテリジェンスなアルバム作りを見せている。メロディックさに一線を画す凝ったアンサンブルが絶妙に混じり、モダンながらもどこかノスタルジックな親しみ安さが染み、ダイナミックな成熟を感じさせる出来となっている。曲によってストリングス、サックス、フルートも配され、色彩も芳醇に。ラストも痛快! 5年振りの3作目。今の北欧必聴バンドのひとつ。
SC-2511 TUSMORKE / Dawn Of Oberon CD \3600
 美しく溶け合うフルートと深淵なメロトロン、メロディアスなヴォーカルとクラシカルなハーモニー等、イタリアのような幕開けの北欧シンフォ2024年作。キーボーディストらメンバー・チェンジがあり、前作でシンフォニック路線へ戻った彼らだが、よりファンタジックでリリカルな方向へ向かっている。ヴィンテージなオルガンやギターに加え、シンセや光したたるピアノはシンフォ正統派であり、英語ヴォーカル(一部ノルウェー語)と相まって時に英国シンフォも思わせる。本作では妖精王国の探検をコンセプトとし、このバンドならではの風変わりさを少し残しつつ、カンタベリー・テイストや森の神秘も織り交ぜ、彼らの作品の中で甘美なメルヘンすら感じさせる最もシンフォニックな内容となった。
SC-2444 UNDERTAKER CIRCUS / Ragnarock CD \2800
 <2022年リマスター盤> 73年にポリドールからリリースされたブラス・セクションをフィーチャーしたハード・ロック作。強力なリズム陣に支えられてサックスやトランペットが高鳴り、リフを刻むツイン・ギターもカッコいい。一方でヴォーカルはメロディアスな哀愁を湛え、パーカッションや浮遊するアシッドなフルートも効果的で、暗さのあるアコースティックな叙情を沸き立たせ、加えてタイトルが示すように神話をテーマにノルウェー語で歌われているため北欧的な雰囲気もよく出ている。冷えた空気もパッケージされ伝わってくるようだ。67年に結成され2枚のアルバムを制作。本作がデビュー作。近年再結成しライヴを行っている。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2424 UTOPIAN FIELDS / Same CD \2800
 初CD化。キャメルも思わせる美しく澄んだ叙情派シンフォを聴かせる89年リリースのデビュー作。キーボードにツイン・ギターとフルートもフィーチャーする8人編成で英語で歌われ、自主制作に近いローカル録音の為か淡泊な印象を受けるも逆にその素朴さが魅力で、クリアーでメロディアスなギターとオルガンに時折リリカルなフルートやハーモニカが入り、北欧の森を散歩しているような爽快で幸せな気分になれる不思議な魔法を持った作品だ。当時、ANEKDOTENを始め、ANGLAGARD、LANDBERK、KERRS PINKらを手掛けていたノルウェーのプログレ専門レーベルCOLOURSからの注目新人バンドとしてのリリースされ、長らくCD化が望まれていた。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2432 UTOPIAN FIELDS / White Pigeon You Clean... CD \2800
 初CD化。ローカルな味わいながらも素朴な魅力を持った叙情派シンフォを聴かせた89年のデビュー作に続き90年にリリースされた2作目。ヴォーカリストが代り、その朗々とした歌声の分、イメージが変った印象を受けるもこの年代ならではのメロウな透明感があるシンフォとなっている。3曲目での冷え冷えとしたギターとキーボードなど北欧らしい情景だ。アコギも美しい。また曲中での曲想ががらりと変わる展開が独特。当時、ANEKDOTENを始め、ANGLAGARD、KERRS PINKらを手掛けていたノルウェーのプログレ専門レーベルCOLOURSからの注目新人バンドとしてのリリースされ、長らくCD化が望まれていた。19年に再結成され新作が模索されている。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2505 VILLBLOMST / Same CD \2800
 初CD化。ノルウェー語と英語で歌われる叙情的なシンフォと北欧のメロウさで聴かせるジャズ・ロックがミックスされた79年作。リズムにはジェントル・ジャイアントの影響を感じさせ、ギター、シンセらと歯切れの良いサウンドを聴かせる好作だ。全体に漂う薄暗い雰囲気の中、時折フィーチャーされるストリングス・キーボードの冷たい響きが美しく、終盤では哀愁の泣きが立ち込める。90年代に入るとシンフォ・バンドのFRUITCAKEを結成し、95年にはANEKDOTENのクリムゾン・カヴァーCIRKUSを含む驚愕の北欧オムニバスCD「This Is An Orange」をリリースしたBRISKEBY RECORDSのオーナーのバンドで同レーベルの最初の作品だった。アルバムはこれが唯一。リマスター&見開き紙ジャケット。
SC-2498 WHITE WILLOW / Ingis Fatuus CD \3200
 <2023年リマスター盤> 廃盤で長らく入手困難だった最も幽幻な95年デビュー作が待望の再リリース! 後に音楽性を変えていく彼らだが、本作に漂う儚い美しさは絶品で、ヴェールに透ける妖しい銀燭の影絵のような世界は唯一無二。女性ヴォーカルをフィーチャーし、ギター、フルート、ヴァイオリン、チェロ、リコーダー、パイプ、クルムホルン、シンセ、オルガン、生々しいメロトロンも加え、北欧の夢想美と初期クリムゾンの叙情をミックスさせたシンフォを聴かせる。ロセッティの詩を用いたルネッサンス風味の曲やケルト色も。当時、バンドは自分たちをシンフォニック・アレンジメントを深く掘り下げたフォーク・ロック・バンドであると考えていた。ソロでも知られるTIRILL MOHNら本作のみの編成が生み出した稀有な名作。リーダーのJACOB HOLM-LUPOによる新規リマスター。
SC-2279 WHITE WILLOW / Ex Tenebris CD \2600
 廃盤で長らく入手困難だった98年作2ndが3面開きデジパック&リマスター、4曲ボーナス入りで新装版としてリリース。1stの後、バンドは解散状態となり、当初はリーダーでギタリストのJACON HOLM-LUPOがソロとして制作を始めたものの、オリジナル・キーボーディストや、ドラマーにANGLAGARDのMATTIAS OLSSONを起用したことによって、彼が思った以上のバンド的な内容となり、WHITE WILLOWの2作目としてリリース。オルガンやフルートがもたらす中世色も幻想的で深く本作を印象付けている。また、珠玉の名曲となった3曲目等で絶品の美声を聴かせる女性ヴォーカリスト、シルヴィアの加入も大きい。そんな彼女をフィーチャーした未発ボーナス4曲(1曲はNICK DRAKEのカヴァー)も必聴だ。*ジャケット背が間違ってSACRAMENTと印刷されています。予めご了承ください。
SC-2280 WHITE WILLOW / Sacrament CD \2600
 廃盤で長らく入手困難だった2000年作3rdが3面開きデジパック&リマスター、3曲ボーナス入りで新装版としてリリース。ギターと女性ヴォーカル以外を一新して制作されており、約1年のリハーサルとアレンジの熟考を経て録音。リーダーのJACON HOLM-LUPOが3作目にして初めて満足のいくアルバムとなったと語っている充実作だ。クリムゾン張りのヘヴィな部分と、オーボエやフルートによるクラシカルで中世的なアコースティック・アンサンブルの対比はまさに北欧美学。ANGLAGARD並みのプログレッシヴな質感を生み出している。そして、シルヴィアの表現力も増した。未発ボーナスの内、2曲はヴァイオリン入りスタジオ・デモ、1曲は05年のライヴでWOBBLERのキーボーディストが加わった、SIGNAL TO NOISE期のメンバーで演奏されている。
SC-2285 WHITE WILLOW / Storm Season CD \2600
 廃盤で長らく入手困難だった04年作4thが3面開きデジパック&リマスター、3曲ボーナス入りで新装版としてリリース。再編された前作のメンバーを中心に、キーボーディストに翌年WOBBLERでデビューするLARS FREDRIK FROISLIEを迎え録音。寂しげなメロトロンに誘われ女性ヴォーカリストの美声が映えるトラッドで幕を開け、チェロやフルートが幽幻な前半ではクリムゾン詩情も漂わせる。ヘヴィに展開する中盤はヴィンテージ・キーボードがシンフォニックに渦巻き、プログレッシヴな佳境へ。アルビノーニのアダージョを思わせる哀愁の美曲を挟み、再びヘヴィなラストは次作を予感。デモ2曲とアウトテイク1曲の計3曲のボーナス入り。

〓[DENMARK]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
SC-3001 ACHE / De Homine Urbano + Green Man CD \2500
 4枚のアルバムをリリースした彼ら。徹底してハモンドをフィーチャーする彼らの69年の1stと71年の2ndの2in1 CD。デンマークのバンドならではの英国ナイズされた重みのあるサウンド。終始ハモンドに支配され、クラシカルに、ヘヴィに、プログレッシヴに展開してゆく。バレエ団のために演奏された2ndでは、よりギターもフィーチャーされるが、圧巻は20分近い1stの後半だろう。デジタル・リマスター盤。
SC-3056 ACHE / Pictures From Cyclus 7 CD \2500
 カヤック・ファンにぜひおすすめしたい彼らの3作目。5年のブランクの後76年にCBSからリリースされた本作は、1stや2ndのオルガン・ロックとは違い、初期カヤックに似たメランコリックなシンフォニック・ロックに変貌していた。もちろん、ハモンドの他に、ピアノ、ソリーナ、ムーグもプログレ然とフィーチャーし、そのヨーロッパの哀愁に満ちた美しい旋律で魅了。物悲しさが込み上げてくるような2曲目、3曲目が特にたまりません。隠れた名盤!
SC-3094 COMA / Financial Tycoon CD \2600
 初CD化。アルティのような哀愁が効いた痛快なジャズ・ロックで幕を開ける77年作1st。マハヴィシュヌ、クリムゾン、ザッパらの影響を語っており、ギターやサックスに加え、ゲストでヴァイオリンやトランペットもフィーチャーした引き出しの多い厚いアンサンブルで聴かせる。もろジャズといった場面もあるがヘヴィな展開や噛み付く狂おしいソロの連続などプログレッシヴなインパクトは十分。メンバーはプロのセッションマンで構成されており、緩急のキレなど流石。結成は71年。3枚のアルバムをリリースしており、プログレで取るなら本作。リマスター。
SC-3099 CULPEPER'S ORCHARD / Mountain Music - The Polydor Recordings 1970-1973 2CD \2800
 長らく入手困難だった北欧名作1stを含む初期3枚が2020年リマスターにてボーナスも加え2枚組で再発。メガレアとしても有名な71年1stのCULPEPER'S ORCHARD、続く72年2ndのSECOND SIGHT、そして初CD化となる72年3rdのGOING FOR A SONGの3枚にシングルや73年のライヴ・コンピからボーナス4曲をプラス。ストローブスのレコーディングにも参加していた英国人ヴォーカリストとデンマークのミュージシャンによる混合バンドで、1stの出来とインパクトはトップクラス。殺気立ったギターにハモンド、ピアノ、ハープシコードらのキーボードやドリーミィなフルートなど巧みなアレンジが光り、時にファンタジーあたりにも通じるメロディアスさを見せる。デンマーク屈指の名盤だろう。2ndは叙情的なアコースティック色をやや強め、初CD化の3rdはさらにその延長線上と言えるだろう。ブリティッシュ・ロック・ファン必聴バンド。3面開きデジパック。
SC-3098 DAY OF PHOENIX / Mind Funeral - The Recordings 1968-1972 - Expanded Edition 2CD \2800
 カンタベリー系を彷彿させるメロウなサウンドで聴かせる70年作1st「Wide Open N-Way」と72年作2nd「The Neighbour's Son」にシングル(68年〜71年)から初CD化2曲を含む4曲を加えた2020年リマスター盤2枚組。68年に結成されたバンドで、コロシアムのオープニング・アクトを務めたことにより、後にグリーンスレイドにも参加するベーシストのトニー・リーヴスの目に留まり、彼のプロデュースで2作とも録音された。中期キャラヴァンや、キース・クロス&ピーター・ロスを思わせるヴォーカルとインストは英国ビューと言え、テクニックや変化に富んだ曲作りも良く、実に味があって良い。3面開きデジパック。
SC-3087 HEAVY JOKER / Same CD \2600
 初CD化。76年にメジャー・ポリドールからリリースされたインスト・ジャズ・ロックで彼らのデビュー作。ややフュージョン気味ではあるものの、デンマークの技巧派バンド、THORS HAMMERを経たギタリストと、セッション・ミュージシャンとして名を上げていたキーボーディストによるムーグ、オルガン、ピアノらがメロディ重視のソロと構築された風通しの良いアンサンブルを繰り広げる好作となっている。ヨーロッパ然とした雰囲気も叙情的に湛えており、オランダやドイツのバンドを思わせるあたり、他の北欧産とは一線を画している。リマスター。
SC-3086 IRON DUKE / First Salvo CD \2600
 初CD化。キーボード・ファン垂涎の1枚! かつて、北欧のELPと言われた74年デビュー作で、サウンドのメインはハモンド、ムーグ、ピアノといったキーボードが主体だが、ギタリストも加わった4人編成で、ベーシストによるフルートも入る。ヘンデルのオラトリオやグリーグのペール・ギュント組曲もアレンジしており、クラシカルな質感からTRACE、親しみやすいヴォーカルからTRIUMVIRATも思わせるが、硬質のギターが入りベースはリッケン風なのでリック・ウェイクマンの初期ソロ作も彷彿。クラシカル・ロックを詰め込んだ力作だ。リマスター。
SC-3088 IRON DUKE / Gammel Dansk CD \2600
 初CD化。キーボーディストを交代し、ツイン・キーボード+リズム・セクション編成でリリースされた77年作2nd。エマーソンを思わせるハモンドをフィーチャーしたELP風の攻撃的なナンバーを始め、シンセがシンフォニックでドラマチックなTRACE風のナンバーや、テクニカルで軽快なリック・ウェイクマン風のナンバーなど、どの曲もキーボード・ファンど真ん中、垂涎の内容となっている。また、デンマークのトラッドをシンフォにアレンジしたものも幾つか収録されており、北欧情緒が香り立ち、74年の1stと合わせて必聴だろう。リマスター。
SC-3095 MASALA DOSA / 77 CD \2600
 初CD化。甘美なツイン・ギターを配し、メロディアスなサウンドを哀愁に染めて聴かせる79年作。ウィッシュボーン・アッシュや時にキャメルも思わせる美旋律を奏でる彼ら。唯一作で、曲によってサックスやキーボードも加わり、ヴォーカル&インスト共にキャラヴァンあたりも感じさせるカンタベリー色もあり、また、英語とデンマーク語で歌われ、北欧叙情も漂う。時折フィーチャーされるシタールが不思議な幻想感を醸し出し、ノスタルジックな雰囲気はウィグワムやポポロ・エースらの同年代の作品にも通じる叙情派の隠れ名盤。リマスター。
SC-3009 MIDNIGHT SUN / Same CD \2500
 デンマーク・ソネットで4枚のアルバムをリリースした彼らの72年リリースの1st。デンマークのバンドならではのブリティッシュ・ナイズされた音作りで、サイケ、プログレ、ジャズ、ハード&ブルースetc.といった音楽志向が混在するものの、それらが、うまくまとまっていてレベルに達している。テクニカルな面も。ロジャー・ディーンのジャケットで昔から知られてきた。英語。
SC-3074 SAVAGE ROSE / En Vugge Af Stal CD \2800
 長らく入手困難になっている中期のインディ作のラスト・ストック! 82年にリリースされた10作目で、本作から独自のレーベル、NEXOを設立し、以降、アイデンティティーを見つめ直し、世の歪みを問い掛け、デンマーク語で歌われる傑作を立て続けにリリースしていく。アコーディオン、ツィター、ピアノ、パーカッションのシンプルなバックが幽玄な魔法を起し、アニセッテの胸をしめつける嘆きのヴォーカルを際立たせる。ジャケットはアニセッテの手によるもの。リマスター盤。
SC-3075 SAVAGE ROSE / Vi Kaemper For At Sejre CD \2800
 長らく入手困難になっている中期のインディ作のラスト・ストック! 78年に再編後、初期のロック色から、胸を打つアコースティックなサウンドへ変化した彼ら。前作、EN VUGGE AF STALからさらに説得力というか、真の凄みを増した84年リリースの11作目。アコーディオン、ピアノ、ヴァイオリン、パーカッションがマジカルで深い渦巻きを見せ、メッセージを投げ掛け歌うアニセッテの熱く切ない情念のヴォーカルを押し立てる。女性ヴォーカル・ファン必聴作。リマスター盤。
SC-3032 SAVAGE ROSE / Kejserens Nye Klaeder CD \2800
 長らく入手困難になっている中期作のインディ作のラスト・ストック! バレエ音楽のために制作された86年の作品。そのため舞踏曲や、フルートをフィーチャーしたシリアス寄りのインスト・ナンバーも多くなっているものの、合間を縫って歌われるアニセッテのヴォーカルはここでも絶品。北欧シリアス女性ヴォーカル美を好む方はぜひ本作も。リマスターなのでより音が繊細に。リマスター盤。
SC-3076 SAVAGE ROSE / Sangen For Livet CD \2800
 長らく入手困難になっている中期のインディ作のラスト・ストック! インスト志向のKEJSERENS NYE KLAEDERを挟み88年にリリースされた13作目。カンテレで北欧のロリーナ・マッケニットと言われるSINIKKA LANGELANDや、THOMAS KOPPELの娘もヴォーカルで参加。こうした数人のゲストにより、トリオでの比類なき2枚、EN VUGGE AF STALやVI KAEMPER FOR AT SEJREと比べると、ピアノやアコギなど外へ開放されていくような白色の光が差し、力強いアニセッテのヴォーカルを照らしている。リマスター盤。
SC-3102 SECRET OYSTER / Same CD \3200
 73年リリースの1st。メジャーCBSからの作品だが、マルチ録音ではなく2トラックへダイレクトに録音されたと言う。スピーディーなリズムに乗せて、ギター、サックス、キーボードがソロを取り合いっこするわけだが、次作のように整合感を意識したものでは無く本作はサイケデリックで荒れている。そのロック的なワルぶりが最高で、唸る管楽器と弾き倒しのギターに鍵盤楽器が鬼の如く速く絡む。その正確性がリズムを倍速させ、まったく退屈さを感じさせない恐い内容となっている。その後、FURTIVE PEARLのタイトルで国外発売もされた。2019年リマスター盤。73年の2曲の未発ボーナス入りで1曲はライヴ。
SC-3092 SECRET OYSTER / Sea Son CD \3200
 74年リリースの2nd。ストリングス・クァルテットを配し、バンドの重さのあるジャズ・ロック・サウンドにインテリジェンスなクラシカルさを加味しており、全編インストながら陰りのあるヨーロピアンな印象を残す。管楽器も交え演奏力で押していくがソロ・パートだけが突出するのではなく、きちんと作曲されたメロディーが光り、うねりを作るムーグなど、このバンドの特徴が出る。アコースティックな部分も良い。曲のヴィジョンを音で描けるテクニックに裏打ちされた作品。2019年リマスター盤(当時のPANレーベルのロゴが入ったドイツ盤ジャケット仕様)。同傾向の3曲のボーナス入り。
SC-3105 SECRET OYSTER / Vidunderlige Kaelling CD \3200
 76年リリースの3rd。好色な詩歌に基づく刺激的なバレエの為に制作された名作で、次作の「Straight To The Krankenhaus」と同時に作曲された。もちろん、ジャズ・ロックとして高い評価を出来る1枚だが、その趣向から、神秘的な静寂パートが映像的で美しく、そこから紡ぎ出されるように展開していくテクニカルなアンサンブルが独特の個性を放つ。管楽器、シンセ、ギターらのメロディー楽器がリズム・セクションという深い海のうねりと一体化し迫りくる。他国ではASTARTEと言うタイトルでリリースされ、インターナショナルで知られる存在となる。アルバムと同傾向の3曲の未発ボーナス入り。2019年リマスター盤。
SC-3093 SECRET OYSTER / Straight To The Krankenhaus CD \3200
 76年リリースの4th。プログレとジャズ・ロックがシームレスにブレンドされた名作で、演奏のスリリングさで持っていくところと、奇妙でかつ沸き立つ深いイメージでじっくりと聴かせる部分のバランスが絶妙。うねりのある6曲目などドラマチックさまで感じてしまう。ミステリアスで叙情的な7曲目から一気に加速する8曲目あたりもハイライトか。同傾向の2曲のアルバム未収ボーナス入りで、特にラストの1曲はバンド史上最もアグレッシヴでテクニカルなナンバーとなっている。獣じみた壮絶さ。アルティ系ファンも必聴です。2019年リマスター盤。

〓[FAROE]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
SC-6026 EIVOR PALSDOTTIR / Krakan CD \2850
 長らく入手困難だった初期の傑作が見開き紙ジャケット・新装アートワークにて再プレス! ECMやKIRKELIGがこだわる、オスロの名門レインボー・スタジオで録音された03年作2nd。なので、仕上がりもECMやKIRKELIGを思わせる、ジャズ・フレーヴァーが加わったコンテンポラリー色を持つ。冷気とドリーミィーさがゆったりと入り混じり、彼女はまるで精霊のように歌って溶け込む。全曲彼女の作詞曲。後半は実体の無い幻想色がどんどんと立ち込め、彼女のシンギングもジャンルを越えた独自のスタイルを見せる。色は違うが、サヴィナ・ヤナトゥーが浮かぶ。
SC-6023 EIVOR PALSDOTTIR / Eivor CD \2850
 04年作3rd。本作はアイスランドのレイキャヴィックで録音されたピュアなフォーク作となっており、フェロー語、スウェーデン語、アイスランド語、英語で歌われている。美しいアコースティック・ギターと素朴な鳴りのパーカッションがバックを務め、彼女の絶世とも言える美ヴォーカルをサポート。薄暗な部屋の中で暖炉の炎が照るような明かりと影が哀調となり、イメージとして広がっていく。他にない幻想色が漂うフェロー語で歌われる曲がやはり良く絶品。見開きデジパック・アイスランド盤。
SC-6025 EIVOR PALSDOTTIR / Human Child + Mannabarn 2CD \2980
 北欧フェロー諸島の女性ヴォーカリスト、アイヴォール・ポルスドッテル。来日も果し、多彩な音楽性を見せ、すべてがスキルに満ち、多くのファンを魅了。本作は07年に英語ヴァージョンとフェロー語ヴァージョンで同時にリリースされた5作目で、アイスランド盤にて2枚組仕様で出直した。あのドーナル・ラニーのプロデュースにより澄んだケルト色を持ち、美声を生かしたコンテンポラリーなセンスに、シンフォ・ファンも幻惑する北欧の幽幻さが入り混じり、傑作となっている。DAVY SPILANEもイリアン・パイプ、ティン・ホイッスルで参加。3面開きデジパック。
SC-6017 EIVOR PALSDOTTIR / Live CD \2850
 再び来日し、女性ヴォーカル・ファンを魅了した彼女の待望のライヴ盤。アイスランド、デンマーク、ドイツ、オーストリア、そして09年日本公演からもピックアップ。シンセやリズム・セクション入りのバンドでのプログレッシヴなコンテンポラリー・スタイル、アコギでの弾き語り、ロマンチックなストリングス・カルテット入り、さらにシンフォニー・オーケストラ入りとアレンジは多彩で、またジャズやスタンダードなど音楽性も幅広い。中には15才の時に書かれた失恋を歌った曲もあり、これがダークな執念に満ち、今でも相手は相当怖いはず。
SC-6018 EIVOR PALSDOTTIR / Larva CD \2850
 フェロー諸島の人気女性ヴォーカリスト。2010年作。多才な彼女らしい今回はロック&アンビエント志向の内容で、1曲のみフェロー語、他は英語で歌われ、ケイト・ブッシュやビョークを思わせながらも美的感覚が研ぎ澄まされた斬新さとプログレ・ファンも虜にする幻想的なドラマチックさを秘めて聴かせる。ギター、シンセ、リズム・セクションにストリングス・オケとコーラスを交え、ダークでかつ底無しのドリーミィーさの中で妖しく天使を装う魔性を帯びた美声、そしてこの美貌。11曲中9曲はオリジナルの新曲で、他2曲は彼女が居たニューウェイヴ・バンド、CLICKHAZEのセルフ・カヴァーと、ケイト・ブッシュのHOUNDS OF LOVE。デジパック。女性ヴォーカル・ファン必聴!
SC-6021 EIVOR PALSDOTTIR / Room CD \2850
 傑作。ドリーミィさと美しさが結実し、孤高に達した彼女の2012年作。世のスタイリッシュさを贅沢に集め、繊細に吟味しピュアさだけを取り出し、少女が抱く夢と憧れを加えたような、なんともフェミニンな作風だ。ヴァイオリン、オルガン、ギター、ハープ、シンセ、ピアノ、プログラミングといったものが幻想的なアンビエントとなって溶け合いシルクとなって、一段と磨きの掛かった美声ヴォーカルを包み込む。アルバム通してのメロディの綺麗な際立ちは過去最高だろう。本作もまたプログレ&シンフォ・ファンも虜にすること間違いなし。見開き紙ジャケット。
SC-6027 EIVOR PALSDOTTIR / Bridges CD \2850
 神から美を委ねられたフェローの女性ヴォーカリストの2015年作。その幻想色からシンフォ・ファンにも人気が高く、サヴィナ・ヤナトゥー、アンナ・マリア・ヨペック、最近だとフィンランドのヨハンナ・クルケラらと並ぶ孤高のフィメール・ヴォーカルを聴かせる一人だ。本作は前作ROOMの延長線上と言えなくもないが、初期のアコースティックなフォーク色に妖しくもファンタジックなプログラミングを絡め、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、アコギ、ピアノ、ローズをフィーチャーした神秘的な作風となっており、アルバム毎に微妙に色合いを変えるコンセプトが際立っている。見開き紙ジャケット。
SC-6028 EIVOR PALSDOTTIR / Slor CD \2850
 先にリリースされたBRIDGESと姉妹作と彼女が位置付ける2015年作。通算10作目。友情や愛をテーマにしたBRIDGESだったが、本作は解放や自由をテーマにしており、ヴァイオリンやヴィオラを絡めながらも、よりエレクトリックでダークな趣向となっている。彼女の作品で言うとケイト・ブッシュに接近した2010年作のLARVAを思い出させるものの、珠玉の傑作となった2012年作、ROOMでのデリケートなスタイリッシュさを持ち合わせており、また、今回は主にフェロー語で歌われ、そのエキゾチックな幻想性は頂点に達している。神から美を委ねられた孤高の女性ヴォーカリスト。妖しくプログレッシヴだ。見開き紙ジャケット。
SC-6029 EIVOR PALSDOTTIR & / At The Heart Of A Selkie CD \2850
 スコットランドやアイルランドの神話、およびフェロー諸島に伝わる伝説上の海の生き物、セルキーをテーマにした2016年プロジェクト作。愛欲によって引き起される悲恋と子供も巻き込んだ復讐を描いたシネマティックな作品で、EIVORの以前の作品でも共演したアレンジャーのPETER JENSENとDANISH RADIO BIG BANDを迎え、また、混声合唱団DANISH NATIONAL VOCAL ENSEMBLEを壮麗に配し、あざらしの女(妻)の感情をEIVORが切々と悲しみを込めて歌い上げていく。ピュアさと怨念が入り混じるシンギングはEIVORの真骨頂とも言え、怖いジャケットと共に、まさに涼夏。ファン必聴! 3面開き紙ジャケット。
SC-6032 EIVOR PALSDOTTIR / Live In Torshavn CD \2850
 地元フェロー諸島のトースハウンで2017年に行われたライヴ。全16曲75分越えの収録で、15年作のBRIDGESとその姉妹作のSLORに12年リリースの珠玉の傑作ROOMから数曲加えたセットリストにて、エレクトリック&アコースティック・ギター、キーボード、プログラミング、ベース、ドラムス、コーラスのアンサンブルで聴かせる近年作の集大成とも言える内容となっている。スタジオ盤に引けをとらない幽玄で幻想的なアレンジに究極の美声が響き渡る。ドラマチックなラストも圧巻。コンサート会場のみで販売された自主盤。エンボス仕様3面開き紙ジャケット。
SC-6034 EIVOR PALSDOTTIR / Enn - Limited Digipack CD \3700
 当店でシンフォ・ファンにも圧倒的な人気を誇るフェローの女性ヴォーカリスト2024年作。ストリングス・カルテットを纏い星空に舞い上がるような1曲目に代表される壮大な作風となっており、スローなエレクトリック・ビートに溶け込む2曲目、アンビエント・ポップに高い声域を聴かせる3曲目、耽美なピアノと弦に木霊する4曲目、彼女の真骨頂と言えるダーク・ファンタジーに包まれる5曲目などなど、終盤ではヘヴィな異端曲から戦争で傷ついた母なる地球ガイヤと題されたラストへ展開し、天と地を動かし光へ手招きするかのような平和と抱擁の優しさに満ちた感動の出来となっている。フェローの詩人とのコラボによりフェロー語で歌われる本作もまた必聴傑作となった。デジパック限定盤。
SC-6016 VALRAVN / Koder Pa Snor CD \2600
 傑作。女性ヴォーカル・コンテンポラリー・トラッド・ロック・バンドの09年作2nd。ガルマルナらが確立したラジカル・トラッドの先にあるサウンドで、アコースティック楽器とアンビエントの組み合わせが更に進化。手が切れそうなほどの透き通った叙情が幻想美をたなびかせダイナミックに展開。哀愁のメロディー・ラインも絶品でハイブリッド型ながらもヴォーカルを聴かせる点においてはガルマルナを超えており、前作で「彼女のヴォーカルは純粋さを装った悪の妖精」と評したANNA K.EGILSTROD嬢はどちらかと言うとトラッドではなくビヨークのようなアンビエント・ポップ系のスタイルを取る。ラストの感動的なクライマックスはシンフォ・ファンも直撃。女性ヴォーカル・ファン必聴! 3面開きデジパック。
SC-6008 YGGDRASIL / Kristian Blak & Yggdrasil CD \2850
 デンマーク領・フェロー諸島を代表するコンテンポラリー・トラッド・バンド。02年作。本作からフェローの至宝とも言える女性ヴォーカリスト、EIVOR PALSDOTTIRが参加しており、ピアニスト、KRISTIAN BLAKを中心に、フルート、ソプラノ・サックス、ギター、ベース、ドラムスの編成で、シェイクスピアの詩に曲をつけたロマンチックなものから、マリ・ボイネ・バンドのようなジャズ・ロック・スタイルまで、非常にキレたセンスと演奏で聴かせる。ジャズが混在する北欧トラッドとして、ボイネ・クラスをいく。意味ありげなアートワークの見開き紙ジャケット仕様。

〓[ICELAND]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
SC-4042 ELDBERG / Same CD \3300
 <ラスト・ストック> 氷と炎の国、アイスランドから本格的なプログレ・バンドの2011年デビュー作。全編アイスランド語で歌われ、ハモンドやメロウなギターを配するサウンドはかのTRUBROTを彷彿。ゲストでサックスも含む完全なヴィンテージ系の音で、70年代初期にこの国で生まれた名作群に加えても、なんら見劣りもしない完成度だ。時にメロトロン風のキーボードも遠鳴りし、感情的なヴォーカルも説得力十分で、ワーグナーやバッハを交え後半はハードなクラシカル・ロックへ突入。ハモンド弾き倒しだけでなく、この情感。ヴァーティゴライクと言うなかれ。最高です。EIKのキーボーディストによるプロデュース。デジパック。
SC-4038 TRUBROT / ....Lifun CD \2800
 氷と炎の国、アイスランドの70年代初期を代表する伝説のロック・バンド。1stでグループを離れたキーボーディスト、KARLS J.SIGHVATSSONARが再加入し、71年に英国で録音された3作目。フルートもフィーチャーされ、カッコ良すぎるハモンド、クラシカルなピアノ、強力なリズム・セクションなどヘヴィ・プログレと美しいバラードが交差するバンド最高作となっている。特有の感性が光り、まるでイタリアのJ.E.T.のようなオープニングからグッとくる。変型ジャケットのオリジナルLPは激レアとしても有名だ。2015年盤デジパック。


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