update 2024/11/30


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ME-0245 AIGUES VIVES / Water Of Seasons CD \3200
 81年リリースの男女ヴォーカル・レア・フォーク。ゲルマンの森深くからフルートやヴァイオリンを伴ない津々と彼らのサウンドは流れ出る。パンフルートやエレクトリック・ギターなども交え、美声の女性ヴォーカリストが上澄みを優しく撫でるように歌う。その神秘的な翳りや、奥深さはかのヘルダーリンの1stを思わせるほど。特に1曲目は最高! 身も心もとろけるといったまどろみが心地よい幻想感を生む。アナログが欲しくなる音。名作だ。未発に終わった2ndアルバムから4曲ボーナス入り。英語。
ME-0573 AMENOPHIS / Same CD \2500
 長らく廃盤だった83年リリースの1stが、大好評となった新作TIMEに合わせて再プレス。兄弟を含む変則トリオで、ギタリスト、ベーシスト、ドラマーの3人が全員キーボードも受け持つ。ドイツのこの年代には自主盤にてリリースされたシンフォの良作が目立つが、特に本作は抜け出た1枚だ。ポンプの影響も無く、70年代には無かった音を詰め込むテクニカルな志向があり、かつファンタジックなシンセが雄大に美しく広がっていき、泣きのギターや巧みなアコギと共に霧に包まれた神秘の情景を描き出していく。27分あたりで聴けるドラマチックなフレーズは新作TIMEのオープニング・テーマだ。英語。5曲のボーナス入り。
ME-0318 AMOS KEY / First Key CD \2500
 74年リリース。E.L.&P.スタイルのハモンドをメインにしたクラシカルなキーボード・トリオの唯一作。トレースを思わせるクラシック直結のバロッキーな曲、英語ながらトリアンヴィラートと同じくゲルマン的な味わいのあるヴォーカルをフィーチャーした曲、エマーソン風のソロをアグレッシヴに取る曲など、ヴァリエーションがあり、ただ印象として、トリアンヴィラートに自然と似てしまっているのは大目に見たい。リズムがシャープで、かつ、1曲目のように途中でシンフォな展開を見せる変化付けが上手く、中部ヨーロッパを感じさせる。
ME-0719 ANYONE'S DAUGHTER / Adonis CD \2800
 2010年リマスター&ボーナス3曲入りで出直した必聴名作として名高い79年リリースの1st。キャメルにも匹敵する珠玉のメロディアスなサウンドとハートフルなヴォーカルが感動を呼び、最後には衝撃となって体を駆け巡る。70年代の英国のシンフォニック・バンドから強く影響を受けながらも、メンバーのフレッシュなフィルターを通し、ゲルマンの叙情性に染めてドラマチックに聴かせる。多くのドイツのバンドにありがちな遊びや間延びが無いスタイリッシュさはエモーショナルでもあり、大きく捉えれば本作こそが現在のシンフォニック・ロックの最初の1枚なのかもしれない。ちょうど、本作を初めて聴いたのが80年だったので、なにか年代の節目に伴う、新しさ、新鮮を感じとって、妙に納得したことを思い出す。ボーナスとして77年のライヴから未発表曲2曲(約20分)とエンハンスドにより78年のスタジオでのプロモ・ライヴ映像(約7分)を追加収録。
ME-0536 ANYONE'S DAUGHTER / Same CD \2500
 長らく入手困難だったエニワンズ・ドーターの重要4アイテムがリマスター&ボーナス入りで再発。80年リリースの2作目。シンフォ・ファンに熱狂的に受け入れられたデビュー作の余韻を残しながら、その期待を裏切らないステップを感じさせ、ジェネシスやキャメルを思わせるロマンチックさと、タイトに疾走するアップデイトされたリズム感が織り成すサウンドは当時のポンプとはまったく違うもので、シンフォニック・ロックの新たな幕開けであった。あふれる甘美なメロディの洪水。80年のライヴからアルバム収録曲3曲ボーナス入り。
ME-0406 ANYONE'S DAUGHTER / Piktors Verwandlungen CD \2800
 2000枚限定盤。彼らの81年リリースの3作目。巧みな演奏力、素晴らしい楽曲、作品に宿るゲルマンの深い叙情美、感動の波が次から次へと押し寄せてくる珠玉の1枚。叙情派シンフォの必聴傑作! これが、ライヴ録音であったことはあまりにも有名だ。ヘッセの詩が朗読され、バンドが情景をドラマチックに演出していく。*当時のコンサート・ポスターをミニサイズ(47cm x 33cm)で復刻した特典がスリップケースでセットになった2000枚限定エディション。08年リマスター、70年代後半に録音された同曲のスタジオ・デモのボーナス入り。
ME-0538 ANYONE'S DAUGHTER / Neue Sterne CD \2500
 長らく入手困難だったエニワンズ・ドーターの重要4アイテムがリマスター&ボーナス入りで再発。当時のラスト・スタジオ・アルバムとなった83年リリースの5作目。たしかにコンパクトになったものの、メロディの良さは変らず、ハモンド、ポリシンセ、ピアノらのシンフォニックなアンサンブルと、甘美な泣きをソリッドに聴かせるギターなど、アグレッシヴな演奏も見せる力作だ。前半がヴォーカル、後半がインスト中心のコンセプト。82〜83年のライヴからアルバム収録曲3曲ボーナス入り。
ME-0539 ANYONE'S DAUGHTER / Live 2CD \2500
 長らく入手困難だったエニワンズ・ドーターの重要4アイテムがリマスター&ボーナス入りで再発。以前の1枚ものではカットされていた2曲も収録した初の2枚組CDでの完全版。NEUE STERNEツアーから録音された84年リリースのライヴで、PIKTORS VERWANDLUNGENを除く4枚のアルバムから10曲と当時の未発6曲(ソロ含む)で構成されており、ベスト的な意味合いプラス進行形を感じさせる内容となっている。その後のアーカイヴでも証明されるように、彼らは実はライヴで真価を発揮していた。テクニカルさと叙情性を同居させ、スタジオ盤以上とも言えるダイナミックさ、スリリングさで圧倒。バンドは本作リリース時には解散しているが、ゆえに、ピーク期の演奏が聴ける必聴ライヴとなっている。エンハンスド仕様により83年のライヴ映像4曲入り。
ME-0116 BIRTH CONTROLL / Plastic People CD \2500
 エディ・ジョブソン!がゲスト参加している75年リリースの6作目。コンセプト・アルバムとしてリリースされたもので、最もプログレ色が強い。シアトリカルに展開していく。HOLDERLINからも、フルート、チェロ、ヴィオラの3人をゲストに迎えクラシカルな面を演出。ジャーマン・プログレならではの濃い1枚。英語。デジタル・リマスター盤。
ME-0809 BROSELMASCHINE / Same CD \2800
 71年の1stアルバムにして彼らの最高作。HOLDERLINの1st、EMTIDI-Saat と並ぶ、PILZレーベルに於けるプログレッシヴ・フォーク・ロックの3美神。サイケ&ヒッピー色を適度に纏い、夢想感あふれるドイツならではのサウンドに乗せて浮遊するウイスパーな女性ヴォーカル、アコ&エレクトリック・ギター、フルート、シタール、ターブラも用いたミステリアスなメロディから幻惑のメロトロンが流れ出す5曲目が特筆。スティーライ・スパンも取り上げたスコティッシュ・トラッドも彼ら流のアレンジで聴かせる。歌詞はドイツ語と英語。近年再結成を果たし驚かせたバンドのスタート点。2021年リマスター盤。見開き紙ジャケット仕様。
ME-0769 CAROL OF HARVEST / Same CD \3200
 ボーナス・トラック7曲入り(4曲は初出)。女性ヴォーカル・プログレッシヴ・フォークの78年名盤が2020年リマスター盤にて再発。泣きと芯のあるエレクトリック・ギターやシンセをフィーチャーしたジャーマン・ロックをドラマチックに聴かせる、16分のシンフォニックな様相の長尺曲からスタート。英語で歌う透明感のある美声ヴォーカリストがフォーク・タッチなのだが、インスト・パートはかなりプログレ寄りの音で、ゲルマンの叙情に心打たれる逸品。フォークだと思って敬遠していた方にも是非聴いてみて欲しい。原盤は200枚プレスの激レアで40万円クラス。ボーナス7曲のうち、4曲は初出のスタジオ録音で、後任の女性ヴォーカリストIRIS MEYERも加えた未収曲。3曲は旧盤と同じ78年のライヴ音源。32ページ・ブックレットには当時の未発写真多数掲載。
ME-0856 CHRIS BRAUN BAND / Both Sides CD \3600
 女性ヴォーカリストをフィーチャーしたブルージィなハード・プログレを聴かせる72年デビュー作。名門BASFからリリースされた激レアで、英語で歌われるハスキーな女性ヴォーカルが哀愁を醸し出し、ギターとバタバタとしたドラムスが攻める熱いサウンドだが、巧みなアコギをバックにドリーミィなコーラスを聴かせるナンバーや、同じくアコギとフルートを配したナンバーなどフォーク・ロック・タッチも混在しており、くぐもったギターが郷愁を放つなど全体のクオリティーは高い。1曲目のオルガン、ラストのエレピ、見え隠れするジャズ色など正にこの年代のドイツならでは作風の力作だ。リマスター。
ME-0868 DELVING / All Paths Diverge CD \3800
 北欧のバンドに似たヘヴィ・プログレを聴かせる驚くべき破壊力を持ったプログレッシヴ・ロック・バンドへと変貌したELDERのギタリストであり、マルチ・ミュージシャンの2024年作。本作でも冷たい響きを持ったメロトロンをフィーチャーし、ギター、キーボード、ベース、ドラムスのヴィンテージ・グルーヴで圧倒するサウンドを繰り広げているが、眩しい色彩があり、シンセ・シーケンスを導入したファンタジックなスペーシィさや、ELDERをよりテクニカルにしたような構築を見せ、全体像として幻惑とハードな攻撃性が交差するドラマチックなシンフォを聴かせる力作となっている。曲中での変化や仕掛けが生み出すスリリングなサスペンスに引き込まれてしまう。高いスキルが光る内容だ。デジパック仕様・欧州プレス盤。
ME-0803 DHOPE / Musical Exhibitions CD \3200
 初CD化。78年に200枚のみリリースされた激レア作。大聖堂やバロック様式の街並みが有名なパーダーボルンで結成されたツイン・ギターを配する6人バンドの唯一作で、オルガン、シンセ、ピアノがアートロック的なプログレ風味を醸し出し、ハードさがある一方で思い出に耽るようなノスタルジックさが哀愁となり、ストリングス・キーボードがフィーチャーされる曲では叙情派シンフォとして聴かせる。ラスト以外は英語で歌われているものの、ドイツの単発物ならではの味わいが隠された1枚と言えるのでは。リマスター。
ME-0870 DOM / Edge Of Time CD \3600
 72年リリースのギガレア作。ジャケットからはハード物を想像しがちだが、ピルツ系にも似た雰囲気の瞑想感のあるドリーミィな作風で、フルート、パーカッション、そしてパイプ・オルガン風に荘厳に流れるオルガン・トーンに印象付けられ、うつろなアシッド・テイストがあり、まさにツウ好み、コレクター好みのプログレ・ファンの心を捉えるのに充分な要素を持っている。ギター、ベース、ヴォイスに奇妙な電子音がミックスされ、初期フロイドの実験音楽を彷彿させる部分もあるものの、なんとも寂し気な孤立感が支配している。クラウト・ロックのようでそうじゃない独特の質感はドイツとハンガリーの混合メンバーによるものだろう。彼らの唯一作。23年振りのCD再発。リマスター。
ME-0132 ELECTRA / 3 CD \2500
 思わずのけぞるドラマチックな出だしで始まる79年リリースの3rd。URIAH HEEPあたりの影響下のハード・プログレだが、クラシカルな重厚さがいかにも旧東欧的。泣きのバラードもシンフォニックな趣に包まれ、胸を締め付けられる。その哀愁感は当時の西ドイツ産のバンドには無かったもの。リマスター盤。ボーナス3曲入り。
ME-0309 EMMA MYLDENBERGER / Same CD \3200
 女性ヴォーカル・プログレッシヴ・フォーク・コレクター必携の、ジャーマン・レア・フォークが待望の初CD化。本作は78年にリリースされた1stアルバム。フルート、オーボエ、ホルン、オートハープ、グロッケンスピール等を含むアコースティック・アンサンンブルを重視した、OUGENWEIDEのような中世古楽色と、当時のドイツ特有の夢想感も持つ。男女ヴォーカルで歌うが、美声の女性ヴォーカルがリード・ヴォーカルをとる曲も。ボーナス・トラックとして77年の貴重なライヴ音源を4曲と、78年のオムニバス(FOLK&ROCK) に収録された、アルバム未収曲(絶品の女性ヴォーカル必聴曲!)を1曲追加収録。
ME-0418 EMTIDI / Same CD \3200
 ドイツ人とカナダ人の男女デュオが70年にリリースした1st。オリジナルLPは激レアでトップランクの価格を持つ。英語で歌われ、前半はくせのないフォークを聴かせるが、後半になるとサイケ色とドリーミィーさが加わり、女性ヴォーカルに虚ろさが混じる。6弦や12弦のアコギの響きに金属的なブズーキが入り、アンサンブルの繊細さも見せ、その演奏力などポテンシャルは高く、フルートを攻撃的に用いるラストは闇が広がりプログレッシヴだ。当時この1曲を聴かされたらコレクターは大枚を注ぎ込むしかなかっただろう。オフィシャル初CD化。
ME-0799 EMTIDI / Saat CD \2800
 ドイツの名門PILZレーベルから72年にリリースされたプログレッシヴ・フォークの名盤が、2020年リマスター盤にて再発。儚くも美しい女性ヴォーカルが浮遊し、幻想、幻惑、瞑想が一体となったドリーミィなサウンドで聴かせる。メロトロンが効果的にドイツならではの深淵を醸し出し、オルガン、ピアノ、ハープシコード、フルート、6&12弦ギター等で織り成す、プログレッシヴ&サイケ・テイストを持ったサウンドは、まさにこの時代とこの環境でしか生まれ得なかったであろう屈指の産物と言える。見開き紙ジャケット仕様。
ME-0021 EPIDAURUS / Earthly Paradise CD \3200
 77年、自主制作でリリースされたレア・シンフォニック・ロック・アルバム。とにかくダブル・メロトロンと女性ヴォーカル(英語)が効いている。CAMELファンなら手離しで飛びついてしまうような、終始叙情的なメロディーが流れる。かといって、雰囲気だけで終るのではなく、ドラマーらのテクニックもあって全体にメリハリのある出来となっている。1曲目で決まり。
ME-0771 EPIDERMIS / June 1975 CD \3200
 ドイツのジェントル・ジャイアントと言われた彼らの75年に録音されていた未発表の幻の1stアルバム。77年作「Genius Of Original Force」がシンフォ・ファンに知られるところだが、その以前のスタジオ録音。本作ではジェントル・ジャイアントに加え、イエスやキャメルといった風味もあり、テクニカルな演奏とフルートなど中部ヨーロッパの叙情が交じり合う好作となっている。近年バンドがリマスターし、ダウンロードのみで公開していたが、さらに本作制作時に録音されながらもアルバムに漏れた未発表曲を新たに5曲加え、初フィジカル・リリースとなった。ジャーマン・シンフォの名作リストに新たに加わる1枚だろう。必聴です。
ME-0804 EPIDERMIS / Genius Of The Original Force CD \3200
 初となるオリジナル・ジャケットにて待望の再発。ドイツのジェントル・ジャイアントと言われた彼らの77年名作。本作以前の75年録音が発掘されるまでは本作がデビュー作として知られ、ドイツのイメージを覆すテクニカルに屈折するサウンドがシンフォ・ファンに大評判となった。クロスリズムのコーラスやリコーダーにはたしかにジェントル・ジャイアンの影響が見られるもののヴォーカルなどドイツらしい哀愁と中世色があり、感情に流されないストイックな楽曲はスイスのSISYPHOSに近い。リマスター&アルバムと同スタジオで録音された75年〜77年の未発ボーナス4曲入り。
ME-0119 ERLKOENIG / Same CD \3200
 オークション・クラスのオルガン・激レア・プログレ。73年に自主制作でリリースされたもの。終始、オルガン攻めで、ゲルマン特有の暗さが漂い、マイナー調。わずかながら英語のヴォーカルが入る。あえて例えるならベガーズ・オペラの1stのような、、、クラシカルでもあります。ちなみに原盤は2000ドル以上? ボーナス4曲入り。
ME-0024 EULENSPYGEL / 2 CD \3200
 4枚のアルバムをリリースした彼らの71年の1st(前身バンドROYAL SERVANTSの唯一のアルバム、WEからカウントし、2と付けられている)。当時の典型的なジャーマン・ハード・プログレッシヴ・サウンドに、ハモンドやフルートの持つ叙情性を生かした、メロディアスで聴き応えのある内容。ヴァイオリンも入るラストも印象的。ドイツ語。
ME-0025 EULENSPYGEL / Ausschub CD \3200
 ダンボール貼り付け変型ジャケットでオリジナルLPが有名だった72年リリースの2nd(通算3作目)。プログレッシヴなハモンドを生かしたややヘヴィなサウンドに、フルートやアコ・ギの叙情性を生かし、時にはNICEのようなクラシカルさや、メロトロンをフィーチャーし、マニアックに盛り上げる。ドイツ語。7曲のボーナス入りで同年のTV放送音源3曲と73年/74年のデモ4曲を追加収録。3rd以降は普通のロックになってしまった。
ME-0810 EULENSPYGEL / Trash CD \3200
 初CD化。当時8トラック・カートリッジのみのリリースだった72年作2nd「AUSSCHUSS」の英語ヴァージョン。もともとロンドンのアップル・スタジオで録音されており、英国ミュージシャンも数人ゲスト参加。レーベルが海外向けにヴォーカルを同時に録音させたもので、ミックスの違いがある。とは言え、幽玄なメロトロン・フルートで幕を開けるなどアレンジは忠実で、英語ではあるものの哀愁漂う雰囲気は同時期のジャーマン・シンフォそのもの。プログレッシヴなハモンド、浮遊するフルート、忍び寄るメロトロンなどクラシカルな部分ではナイス、ヘヴィな部分ではクリムゾンも思わせる好作となっている。リマスター。
ME-0631 EXPONENT / Upside Down CD \3200
 未発物の中では最上の部類と言える74年作。ギタリストも加わった4人編成だが、TRITONUSあたりを思わせるシンフォニック性を持ったE.L.&P.志向のサウンドで、グレッグ・レイクとピーター・ハミルの間のようなヴォーカルをフィーチャーし、ハモンド、シンセ、エレピ、メロトロンをプログレッシヴに配し、熱いインストとアレンジされた整合感をミックス。ややソウルフルな方向へも行ってしまうが、フルートも入り、当時にBRAINやBASFからリリースされていてもおかしくなかったプロデュース力のある作品となっている。ジャケはいただけないが、力任せのB級オルガン・ロックが多いドイツの中ではBを超えた、一際光る存在だ。ライヴ・ボーナス入り。
ME-0300 FAITHFUL BREATH / Fading Beauty CD \3200
 ノヴァリス・ファン必聴アイテム。ゲルマンの叙情が脈々と流れる、ジャーマン・シンフォを語る上で外せない73年の名作。当時、自主制作でリリースされ、ハモンドと、メロトロンに似たトーンのファルフォイッサ・ストリングスが生み出すヨーロッパ然とした響きがクラシカルな特色を生み、メロディアスなヴォーカル(英語)、ギター、シンセ、雰囲気をうまく支えるリズム・セクションで、思い入れたっぷりに演奏されていく。泣き一色。
ME-0370 FAITHFUL BREATH / Back On My Hill CD \3200
 雰囲気で聴かせるノヴァリス風であったデビュー作から構築的なシンフォへ変った80年リリースの2nd。実際には77年のシングルに78年録音を足して翌々年にやっと陽の目を見た作品だが、まずは大量にフィーチャーされるメロトロンとその響きの素晴らしさに惚れる。バンクス風のシンセ・ソロを挟む1曲目や、メロトロンのルナティックな泉に浸れる16分を超えるラストなど、もし、このバンドが本作後メタル化しなければANYONE'S DAUGHTERに近いラインを取っていたかもしれない。80年のシングルから1曲ボーナス入り。
ME-0472 FRAME / Frame Of Mind CD \2500
 72年リリースの彼らの唯一作。ハモンド・オルガンをフィーチャーしたメロディックなジャーマン・ハードで出来は良い。ギター、ピアノ、ベース、パーカッション、ドラムスetc.をバランスよくアレンジ。叙情、哀愁感の漂うメロディー・ラインやヴォーカル(英語)は、当時の英国のバンドを思わせる。メンバーはその後、後期のPELL MELLへ参加。デジパック仕様。
ME-0612 GAA / Auf Der Bahn Zum Uranus CD \3200
 初オフィシャルCD化とされる2015年リマスター盤。たしかに音質が良く、ジャケットの印象でクラウト・ロックと思われがちだが、時にWALLENSTEINあたりも想起させる叙情的な色合いも含んだハード・プログレの魅力を伝える好盤となっている。フランスとの国境の街で73年に録音され、翌年にリリースされた激レア盤でオリジナルは300枚も出回らなかったという。暗いオルガン、激しいギター、ドイツ語のメロディアスなヴォーカル、太いリズムらが一体となった当時のジャーマン・プログレを代表する1枚だろう。
ME-0820 GILA / Same CD \3200
 1作目と2作目が別バンドのような例はいくつもあるが、そのどちらも名作として知られる彼らの71年リリースの1作目。ポポル・ヴーに参加し注目を集めたリーダーのギタリストを中心に、オルガンをメインに時にメロトロンもフィーチャーするキーボーディストとリズム・セクションを加えた4人編成で、ピンク・フロイドの影響を強く持ったサイケデリックで混沌としたサウンドを演奏。一聴ジャーマン・トリップ・ロックのようでそうではない、クラシカルさや民俗色も秘めたユーロ・プログレが混ざり合った絶妙の夢想を聴かせる名盤だ。
ME-0031 GILA / Bury My Heart At Wounded Knee CD \3200
 メンバー・チェンジ後にFLORIAN FRICKEらをゲストに迎え、73年にリリースされた名作2nd。ゲルマンの香りと、憂いのあるプログレ・フォーク・タッチへサウンドが変化した。女性ヴォーカル(英語)をフィーチャーし、ジャーマン・フォーク・ロックの必聴名作の名をほしいままにする。メロトロンやフルートもドリーミィーで、HOLDERLINの1stあたりに近いところも。ボーナス1曲入り。
ME-0603 GROBSCHNITT / Same CD \2980
 <2014年リマスター・新規ボーナス2曲入り> ラフカットを意味する軍楽隊から名をとった彼らの72年デビュー作。そんな意味合いからか、本作ではオーケストラを交響楽風に導入しており、バンド名を印象付けている。ハードでダークな質感の本作だが、ジャケットの世界に入り込んだような暗い夢の中を彷徨い佇む幻想が滾々と湧き出し、しかし、難解にならず、哀愁のメロディで叙情味を帯びて聴かせる力作だ。1曲目の大作が良く作品を象徴している。71年と77年のライヴをボーナス収録。
ME-0604 GROBSCHNITT / Ballerman CD \2980
 <2014年リマスター・新規ボーナス1曲入り> シアトリカルさを押し進めたステージ・ミュージック、SOLAR MUSICを収録した74年作2nd。アナログ盤は2枚組で、前半はデビュー作でのハードさと後のファンタジックなシンフォ系に曲が分かれ、後半の30分超えのSOLAR MUSICではその2つの要素が合わさった、強い創作意欲を感じさせる力作となっている。時にヘヴィに、時にクラシカルに織り成すハモンドとギターのアンサンブルに引き込まれる。74年録音のオルタ・ヴァージョンをボーナス収録。
ME-0605 GROBSCHNITT / Jumbo - German Version CD \2980
 <2014年リマスター・新規ボーナス5曲入り> 先にリリースされた英語ヴァージョンを追うように1年遅れて76年にリリースされた本タイトルのドイツ語ヴァージョン。初期のダークなサウンドから一転、イエスやジェネシスを思わせるシンフォニック・プログレへ大変身。メロトロン、ハモンド等に、美しいギターを絡め構築され、次作ROCKPOMMEL'S LANDと同傾向のファンタジックで美しい空想世界を描き出している。演奏テクニックも飛躍的にアップ。75年から77年のライヴをボーナス収録。
ME-0606 GROBSCHNITT / Rockpommel's Land - 2CD Expanded 2CD \3500
 <10曲入りボーナス盤付き2014年リマスター2枚組・新規ボーナス3曲入り> 最もシンフォニックな77年作4th。前作の延長線上のサウンドで、中期ジェネシスやキャメルから影響されたかのようなロマンチックな曲調が香る。美の極限を行くオープニングから、ファンタジック極まりない感動的なラストまで、まさに夢見シンフォの傑作。本編には81年のライヴの他に、リミックス等を収録。ボーナスCDには77年から79年のライヴを収録しており、本作全曲がライヴ・ヴァージョンで聴ける!
ME-0607 GROBSCHNITT / Merry-Go-Round CD \2980
 <2014年リマスター・新規ボーナス6曲入り> キャメルを思わせるオープニングで始まる79年作5th。確実にROCKPOMMEL'SLANDやJUMBOの流れを受け継いだシンフォニック・ロックだが、夢見のファンタジー色の強かった前2作と比べると、より力強いアプローチも見られ、かつサウンドが洗練された。オルガンに加えポリシンセも導入され、アレンジはカラフルに。今、再評価されるべき強度を持った出来となっている。当時のセッション・ミックスと78年から79年のライヴ5曲計6曲ボーナス入り。
ME-0512 GUILDENSTERN / Same CD \3200
 ジェネシス、キャメル、イエスに影響を受けたバンドの78/79年の未発物。12弦やダブルネックなど見た目にもそれっぽさが出ており、シェイクスピアのハムレットを題材にしたスタジオ録音8曲と、オリジナルのロック・オペラ(と言ってもインストが主体)をライヴ演奏した3曲の計11曲を収録。この年代のドイツにはNEUSCHWANSTEINを始め叙情派シンフォの単発作が多いが、彼らも当時にアルバムを出していたなら名作になっていただろう。ラミアを思わせるギターソロの6曲目など、その予感十分。英語で歌われているがゲルマンの哀愁も幻想的に香る。
ME-0401 GURNEMANZ / Fair Margaret And Sweet William CD \3200
 アルバム・デビュー以前の72年のオープン・リール・テープ作品のCD化。女性ヴォーカル入りで、ジョン・レンボーンを思わせるギターをバックに中世フォークを聴かせるグループ。アコギの他にリュートやリコーダー、シタールも曲に合わせてフィーチャーし、英国バラッドや北欧トラッドから影響された楽曲にシェイクスピアの詩まで取り込んだ、夢想的な甘みと例えばヴァシュティ・バニヤンのような虚ろさが魅力。ゲルマン色も漂い当時のPILZレーベルあたり音にも通じるが、ドラッグ色が無くスコアをきちんと演奏している姿が若々しい。73年のライヴから3曲ボーナス入り。
ME-0037 GURNEMANZ / No Rays Of Noise CD \3200
 77年、プライベート・プレスによるリリースのレア・プログレ・フォーク。彼らの2nd。廃盤コレクターの間ではCD化以前から知られて来た。曲によっては、TUDER LODGEを少々感じさせる叙情が漂う。男女ヴォーカルだが基本的に女性がメインで、雰囲気も上々。11曲のボーナス入りで、当時のLIVE音源より。英語。英フォーク・プログレ・ファンも注目!
ME-0832 GURNEMANZ / Walking Under Blue Moon CD \3200
 <結成50周年記念盤> 79年に「BLUE MOON」というタイトルで3rdアルバムのリリースが予定されたが、スタジオで録音される事なく幻となり、今回、結成50周年を迎えるにあたり、メンバーが集まってリリースを発案し、3rdアルバムの為の曲を当時残されていたライヴ音源で構成再現し、43年の時を経て実現させた。70年代に2枚のレア・アルバムを残したドイツの伝説のプログレッシヴ・フォーク・バンドで、アコ&エレクトリック・ギター、ブズーキ、コンバス、リコーダー、ティン・ホイッスル等による叙情的でメロディアスな翳りを伴ったサウンドに乗せて、愁いを帯びた美声女性ヴォーカルでしっとりと聴かせる。技巧的なアコギ・アンサンブルも特筆。78年〜79年のライヴ音源で構成されているが音質は良好。12曲目(&16曲目)のタイトル曲は当時の未発表曲で、今回歌詞が見つかり新たに作曲して2021年にスタジオで新録音したもの。ボーナス・トラック4曲入り。2022年リマスター盤。自主盤。
ME-0833 GURNEMANZ / Live & Rare CD \3200
 <結成50周年記念盤> 70年代に2枚のレア・アルバム「SPIELMANNSKINDER(1975)」と「NO RAYS OF NOISE(1976)」を残したドイツの伝説のプログレッシヴ・フォーク・バンドが結成50周年を迎えるにあたり、メンバーが集まって発案しリリースした、アーカイヴ・レア音源集。メンバー手持ちの当時のライヴ音源やリハーサル音源から厳選した16曲に、さらにボーナス・トラックとして9曲を収録した全25曲。アコ&エレクトリック・ギター、コンバス等による叙情的でメロディアスな翳りを伴ったサウンドに乗せて、愁いを帯びた美声女性ヴォーカルでしっとりと聴かせる4人組。技巧的なアコギや、マンドリン、ブズーキ、リコーダーのアンサンブルも美しい。デビュー・アルバム以前に、オープンリール・テープで3作品「FAR MARGARET AND SWEET WILLIAM(1972)*CD化済」、「LIAZE(1973)」、「SISU(1974)」を各50枚のみライヴ会場で販売した事もあったそうで、その音源も含まれているかも。音質も良好。2022年リマスター盤。自主盤。
ME-0871 HAVEN OF ECHOES / Memento Vivere CD \3800
 ドイツの人気シンフォ・バンドだったFREQUENCY DRIFTの中心人物でマルチプレイヤーのANDREAS HACKと、柔らかく多彩な声を使い分けイマジネーションを掻き立てるイギリス人ヴォーカリスト、パーカッシヴなドラマー、バンドメイトのハープ奏者NERISSA SCHWARらによる2024年新作2nd。時にヘヴィな様相も見せるエレクトリック・ギター、ピアノ、シンセ、そして、NERISSAが弾くエレクトリック・ハープで綴る、シネマティックかつ、メランコリックなサウンドに様々な色彩を重ねていく。人生に於ける無常や運命をテーマにしたコンセプト・アルバム。THE PINEAPPLE THIEFを思わせるところも。デジパック仕様。自主盤。
ME-0687 HAZE / Hazecolor-Dia CD \2800
 マニア好みのBACILLUSレーベルから71年にリリースされたハード・プログレ作がオリジナル・ジャケットを再現した穴あき変型デジパックで2017年新装リリース。英国ナイズされたサウンドだが、ギターなどアンサンブルが妙に凝っており、リズムも一直線ではないビートを刻んでいる。妖し気なコーラスやフルートがアクセントとなり、ハモンドがフィーチャーされると、ぐっとプログレ色を強める。ヒープの影響も否めないが、時折見せる牧歌的な解放感とハード・ロックでは括れないアレンジはジェスロ・タルの影響も隠せない。彼らの唯一作。3面開きデジパック。
ME-0811 HOLDERLIN / Holderlins Traum CD \2800
 72年にPILZレーベルからリリースされた歴史に残る傑作。ANYONE'S DAUGHTER、NOVALISらと並び70年代のジャーマン・シンフォを代表するバンドのデビュー・アルバムで、愁いと翳りを纏ったドイツならではのプログレッシヴ・フォーク・ロックを聴かせる。アコギ、チェロ、ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート、ピアノ、メロトロン、ドラムス、ゲストによるリコーダー、シタール、ターブラと楽器も多彩で、本作のみに参加している美声女性ヴォーカリストNANNYが絶品の歌声を響かせる。夢想的でミステリアスかつ中世音楽的なクラシカルな趣も持ち合わせた、まさに美の結晶。次作の「HOELDERLIN」から本格的なシンフォニック・ロックへと大きく舵を切る。2021年リマスター盤。見開き紙ジャケット仕様。
ME-0795D HOELDERLIN / Live At Rockpalast 2005 CD+DVD(NTSC) \3200
 白熱のドラマチック・シンフォを聴かせる2005年の傑作ライヴ映像+音源の2枚組。ANYONE'S DAUGHTER 、NOVALISらと並び70年代のジャーマン・シンフォを代表するバンドが、ドイツのTV番組「ROCKPALAST」放送用に収録したマテリアル。バンドの顔とも言えるヴィオラ奏者CHRISTOPHは不在ながらも、エレクトリック・ヴァイオリンに置き換え、遜色のないプレイをスリリングかつダイナミックに披露。また、ヴォーカル・パートも新たに迎えた女性ヴォーカリストに変わり、原曲の持つドイツ的な美しい叙情性を保ちながらも違った雰囲気で聴かせる。再結成を果たし、この後07年のアルバムをリリースするきっかけにもなった外せない作品だ。75年〜77年の3作品からの選曲に加え、07年の新曲、そして、なんと1ST「HOLDERLINS TRAUM」の1曲目も!鳥肌もの。バンドのライヴ映像のリリースは本作が初となる。カメラワーク、ライティング、演奏のポテンシャル、全てが素晴らしい。ボーナス・トラックとしてインタビュー等を追加収録。2021年リリース。
ME-0688 ICE / Opus 1 CD \3200
 限定再プレス。80年に自主制作で500枚のみプレスされたという彼らの唯一のアルバム。前半はメロディアスなギターと小気味良いドラムスでヴォーカルを聴かせ、後半はトータルな作風でゲルマンの叙情を纏い展開していく。後半はシンフォでもあり、クラシカルな生のストリングスで幕を開け、フロイド風のシンセで受け継がれ、英語ながらノヴァリスも思わせる歌心で聴かせる。淡々としながらも感傷的な曲調で、ピアノやアコギの小曲も配し組曲のように構成されている。終盤の泣きのギターが印象的だ。
ME-0634 IKARUS / Same CD \3200
 たった数枚ながら、どれもハード・プログレの名作で知られるPLUS 4レーベルから71年にリリースされた彼らの唯一作。ハモンドを多用しホットなヴォーカルを配した当時のドイツ特有のブリティッシュ系のサウンドながら、レーベルオーナーが担当するサックス、フルート、クラリネットなど管楽器がアクセントとなり、コンテンポラリーなジャズロック風味も交え、ヘヴィかつリリカルな質感が交差していく。この手ではあまり無いストリングスをフィーチャーするもクラシカルさを求めない覚めた感覚が効いており完成度を高めている。今で言う、ハイブリッドな作風だ。前身バンドの70年ライヴ・ボーナス入り。リマスター。
ME-0281 JOY UNLIMITED / Schmetterlinge CD \3200
 女性ヴォーカリスト、JOY FLEMINGをフィーチャーした彼らの71年作2nd。PILZという独自のカラーを持ったレーベルからリリースされた。メロトロンは使っていないが、ジュリアンズ・トリートメントやサンドローズ、アース・アンド・ファイアーの1stに通じる音。フルートやオルガンが生み出すPILZらしい暗いファンタジーが十分に添えてあり、エネルギッシュなサウンドと好対比。クラシカルな響きがドイツっぽく感じる。名作です。JOY FLEMINGは本作後脱退し、ソロへ。当時のライヴやシングルからボーナス4曲入り。英語。
ME-0371 JOY UNLIMITED / Reflections CD \3200
 73年リリースの3作目。女性ヴォーカリストは抜けてしまったが、サウンドはよりプログレ的になり、鳴りのいいハモンドが見せ場を作っていく。英語で歌われブリティッシュ志向の為、カリスマ・レーベルにあったような、フォーク、ジャズ、プログレを取り混ぜてクラシカルな美学も入れました、みたいなサウンドで聴き所が多い。途中の暗い流れと、フルートがリリカルに使用される点、ハモンドがシンフォニックに使用される点など、そこはゲルマン的であの泣き色に染められる。71年、72年の未発音源、シングルから10曲ボーナス入り。
ME-0403 JOY UNLIMITED / Minne CD \3200
 75年リリースの4作目。フォーク風味が立ち、メロトロンやフルートが幽幻に響くオープニングから雰囲気たっぷりだ。ドイツ語で歌われるようになり、前作までのクラシカルな感じやクリムゾン系のジャズ・ロック・テイストをよりゲルマン色に染めたと言え、プログレッシヴな聴かせ所を持つ5曲目、リコーダーを叙情的に配し泣き一色で歌われる9曲目、ハイライトのラストの組曲などシンフォニック色もあり、聴き終える頃には充実さが増す。71年から72年の未発テイクとシングルから9曲ボーナス入り。
ME-0120 KALACAKRA / Crawling To Lhasa CD \3200
 72年リリースの激レア・サイケ・プログレ。のっけから、くらくらするような空気が立ち込め、浮遊するフルートやパーカッションに導かれて、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、ギター、ヴォイスetc.が、妖しげな煙のように流れ出す。屈指のジャーマン・サイケ・アイテムの一枚。ボーナス・トラックとして当時の未発表曲「DEJA VU」とシングル曲「VAMOS」を追加収録。
ME-0640 KIN PING MEH / Same CD \2800
 ハード・プログレ必須作として名高い72年リリースの1st。アトミック・ルースターの影響を感じさせるブリティッシュ・ナイズされたサウンドで、完成度が高く、デビュー作とは思えない内容だ。エキサイティングなギターとプログレッシヴ・ロック志向のキーボーディストが対峙する様はジャーマン・ハード特有のもので、加えて前半と後半に幽幻な哀愁を醸し出すメロトロンを導入したバラードを配し、ジャケットに負けないインパクトのある作品を作り上げた。アルバム以前のシングル2枚、ライヴ、アウトテイクから計7曲ボーナス入り。
ME-0530 LANGSYNE / Same CD \3200
 76年にプライヴェート・プレスでリリースされた激レア・アンダーグラウンド・フォーク・バンドの唯一作で、HOELDERLINの1stやCAROL OF HARVEST、EMTIDI、BROSELMACHINEらと並ぶ、ジャーマン・フォーク10指に入るアルバム。メンバー所蔵のテープから、当時の貴重音源15曲をボーナス・トラックとして追加した2012年版。ルネッサンス音楽やグリフォンから影響を受けたというメンバーによるトリオで、アコギ・アンサンブル、フルート、オルガン、シタール、琴、グロッケンスピール、パーカッションなどを導入した、ほの暗さが漂う幻想的なサウンド。英語で歌われているものの非常にドイツ的。
ME-0460 LIFT / Spiegelbild + Nach Hause CD \2800
 言わずと知れた旧東ドイツのバンド。81年作3rdと87年作4thの2010年リマスター2in1。メロトロンを大々的に取り入れた1stが有名だが、シンセをSTERN COMBO MEISSEN張りにフィーチャーした2曲目や、ヘヴィ・シンフォを聴かせる4曲目、NOVALISを思わせる5曲目、8曲目、フルートを織り交ぜシンフォをエキゾチックに聴かせる9曲目など、3rdに関してはテクニック、コンポジション共に初期の上を行っている。数年のブランクの後でリリースされた4thはポップながら、ハードさとメロディアスさが泣きの感情で混ざった良い出来で、ヒットも放ち、当時のラスト作となったものの、東西統一後の再活動の原動力となった。ORIGINAL AMIGA MASTERSシリーズ。
ME-0191 LIGHTSHINE / Feeling CD \3200
 76年リリースの謎レア・ハード。とにかくメロディーが臭く泣いていてB級マニアにはたまらない1枚。たいていのマニア・コレクターは本作を良いと語っております。ギターが泣く1曲目、ヘヴィの王道サバス風の2曲目、プログレ風叙情バラードの3曲目、なんか、わけのわからない4曲目、ドリーミィーな淵に溺れる5曲目、と、恐いもの知らずで、聴き終えればかなりの満足感あり。
ME-0054 MCCHURCH SOUNDROOM / Delusion CD \2800
 71年にPILZレーベルからリリースされた謎めいた1枚。全編に流れるハモンドとフルートはプログレッシヴかつアンダーグラウンド感覚にあふれ、ダークなジャーマン・プログレ・ハードとも言えるが、アコースティック・ギターのうまい絡め方など流石PILZレーベルならではの味わいがある。ドラッグ・カルチャーに根差していたところもあったようだ。英語。DIGIPACK
ME-0644 MESSAGE / Synapse CD \2800
 初CD化。キングのユーロピアン・ロック・コレクションの記念すべき第一回で堂々国内発売された76年リリースの4作目。初期のハード路線からヴォーカルをフィーチャーしたジャズ・ロックへ変化しており、ドイツのバンドながら緩やかなギターに漂うエコー深いソプラノ・サックスなど地中海風味にも似たテイストを持つ不思議な作品だ。元々、英国とドイツの混合メンバーで結成されており、そういった多国籍質が流れているのだろう。ハモったギターにエレピも加わり、アンサンブルに美しさが増し堅実な演奏を見せる中盤から終盤に掛けてはバルセロナあたりのバンドも彷彿。
ME-0196 MINOTAURUS / Fly Away CD \3200
 78年に自主でリリースされたレア・シンフォ。初のマスターからによる出直しCDで、キャメルの1stのようなノリで始まる1曲目を聴くと、こんなに良かったっけ、と思ってしまった。重厚なレスリー・トーンのオルガン、ゲルマンの哀愁を感じさせるストリングス・キーボード、プログレ然と使用されるアープ・シンセ、泣きのギター、ヴォーカル(英語)などFAITHFUL BREATHやEPIDAURUSらに共通する叙情性。ややヘヴィな側面もあり、また、ジャケも手伝ってトップ・オブ・レア・シンフォ的な扱い時期もあったほど。未発曲のボーナス入り。
ME-0226 NECRONOMICON / Tips Zum Selbstmord CD \3200
 4曲のボーナスを加え、リマスターにて出直し。72年リリースの激レア物。耳をつんざくような強烈ファズ・ギター、睨み付けるようなオルガン、ヘヴィなリズムが支配するサイケ・ハード系のサウンドで、かなり気合が入っている。ところが、ヴォーカルが入ると、一転マイナー調へ。メロ、ハモリがおごそかだったりして、この場違いさが通にはたまらない魅力。混声合唱の部分だけを聴かされるとシンフォと誤解してしまう。それほど、奇怪・屈折した内容。ボーナスは71年と74年のテイク(以前4LPで出ていたもの)。ドイツ語。
ME-0841 NEUSCHWANSTEIN / Alice In Wonderland CD \2700
 <2022年リマスター新装盤>79年に叙情派シンフォの愛聴盤、BATTLEMENTをリリースしたバンドの極上のジャーマン・シンフォと言える幻の1st。76年にコンセプト・アルバムとして録音されるも09年にCD化されるまで未発表だった。ジェネシスに没頭したBATTLEMENTと比べると同じ叙情派でも音の傾向はやや違い、こちらはフルートを色彩豊かに配した夢想感のある70年代型のゲルマン・シンフォで、クラシカルな情緒を織り混ぜたリリカルなサウンドで聴かせる。メンバーはBATTLEMENTからヴォーカリストを抜いた5人で、ツイン・キーボード編成。また、今回の再発では、独語のナレーションからソーニャ・クリスティーナによる英語のナレーションに差し替えられている。
ME-0675 NOVALIS / Same CD \2200
 限定再プレス。75年リリースの2nd。本作からギタリストのDETLEF JOBが参加し、歌詞もドイツ語になり、ロマンやメルヘン漂うサウンドとなった。淡々と流れるクラシカルなオルガンとドラマチックな旋律を繰り出すギターのアンサンブルは夢の中へ逃避していくような儚さに満ち、彼らが描く幻想をただただ彷徨う。激しい展開の中で美しいスキャットが印象的な2曲目、切なくも希望が灯ったテーマが繰り返される4曲目など初期の代表曲が収録されており、静かに感動が浸透してくる。ボーナス1曲入り&デジパック。
ME-0676 NOVALIS / Sommerabend CD \2200
 限定再プレス。76年必聴傑作3rd。キャメルのムーン・マッドネスと双璧だろう。ロマンチックなギターと多彩なキーボードが目眩く叙情を展開するインストの1曲目、ノヴァリスの詩を用いたゲルマンの詩情が香り立つ代表曲と言えるシンフォニックなヴォーカル・ナンバーの2曲目、幻想が沸き立つようなストリングス・シンセと美しいアコギ、そして波の音などSEを配しながらアルバム後半をすべて使ったタイトル・ナンバーの組曲。かつての邦題「過ぎ去りし夏の幻影」が本当にぴったりだ。
ME-0519 NOVALIS / Flossenengel CD \2500
 長らく廃盤で入手困難だった後期の名作がリマスター&デジパックで出直した。衝撃的な幕開けからレスリーが効いたハモンドをバックにシンセが感動的なテーマを告げて始まる79年のコンセプト作で、ファンタジックな歌心とシンフォニックなアレンジが組み込まれた2曲目、物語の緊迫感を表すハードな3曲目、幻想的なカラーにゲルマンの叙情が溶け込む4曲目、リリカルな古色に染まる5曲目、突如メロトロンが流れ出すインスト・ワルツの6曲目等を経て、きらびやかなピアノに導かれ再びテーマがドラマチックに奏でられる終盤。彼らの作品の中でも最も力強い1枚だ。
ME-0846 NOVALIS / Augenblicke CD \3800
 81年の必聴傑作。郷愁を誘うアープ・シンセが印象に残るオープニングに涙。インスト・ナンバーとヴォーカル・ナンバーが交互に収録されており、コンパクトな作りになっているものの、不要に曲が長い初期に比べ、この洗練された比類なき美と詩情の凝縮は奇跡的と言えるのでは。また、3曲目や6曲目のようなハードな泣きを見せる曲も凛々しく効果的で、バンド史上最も哀愁に満ちた名曲の7曲目をより感銘深く導いている。リマスター盤。
ME-0534 NOVALIS / Bumerang CD \2500
 長らく廃盤で入手困難だった84年作がリマスターで出直した。イントロと共に夜のひんやりとした静寂が広がっていく1曲目からロマンチックな夢へ引き込まれていく。リリース当時はポップになったと言われたものの、今振り返り接すると決して悪くはない。逆に70年代に生まれたバンドがプログレ不毛の80年代半ばにまだドイツ語で歌い、こんなスタイリッシュなサウンドを作っていたことが驚きだ。叙情的なフルートが心に染みる曲も、シモンズやポリシンセの派手な音色を取り入れたトレンディーな曲も今聴くと両方とも立派にノヴァリスしており、最後はしっとりとした彼ららしいバラードで締めくくっている。
ME-0439 OCTOPUS / The Boat Of Thoughts CD \3200
 キャメルを思わせるギターで幕を開ける77年リリースの1st。典型的な叙情派シンフォだがドラマーがジャズ系のテクニシャンであることと女性ヴォーカルのドイツ語訛りの英語がポイントとなって他のバンドに無いテイストを出している。構築的に整理されたシンセ、オルガン、ピアノ、メロトロンっぽいストリングスの組み合わせも良く、2曲目や3曲目のイントロではラティマー+バーデンスのような甘美さを持ち、しかし、アルバムも終盤になるとドラマーがキリコ並みにヒートアップ。この人の世界だけマハヴィシュヌへ。デジパック&リマスター。
ME-0853 OCTOPUS / An Ocean Of Rocks CD \3200
 ジャズ・ロックの土台にシンフォが乗っていた1stからドラマーがチェンジし、78年にリリースされた2nd。キャメル、イエス、ジェネシスあたりの影響をシンプルにキャッチーにまとめたサウンドはノリがよく、オルガン、シンセ、ソリーナ、ギターらのインストゥルメンタルと、少しソーニャ・クリスティーナを思わせる女性ヴォーカリストがメインとなって聴かせる。ドイツというよりも北欧の、例えば初期ルーファスにも近く、澄んだ叙情をたたえている。後半がこのバンドのハイライトだろう。リマスター。
ME-0493 OCTOPUS / Rubber Angel CD \3200
 ギタリストがチェンジし、ハードポップになった79年作3rd。女性ヴォーカルをフロントにし、キーボードやギターがリフを刻むロックな作品になっており、この時期、数多くのライヴをこなしていたようだ。シンフォ色は薄れてしまったが、シンセのアルペジオが印象的な3曲目や、アコギにポリシンセで聴かせる叙情的なバラードのラストなど、コマーシャルな面と合わせて、シーンと過渡期を共にしているようなアルバム作りとなっている。バンドはもう1枚リリースして解散した。デジパック&リマスター。
ME-0373 P2O5 / Vivat Progressio - Pereat Mundus CD \3200
 オリジナルLPはポコラ皿5つ。78年作。本作以前のマテリアルが93年にCDのみでリリースされていたが、結成は70年に遡ると言う。当時のドイツにはこういった地道なバンドの活動の場となるライヴ・ハウスやラジオ・プログラムがあり、プログレ系も支援していた。そんなローカルなバンドが何かのきっかけでアルバムを単発リリースするわけだが、本作も熱き思いを込めて録音された激レア盤で、荒くハードながら泣きもこぼすギター&ヴォーカル、歪みのあるオルガン、ストリングス・キーボードも少し入りマニアック。未発ボーナス2曲入り。
ME-0382 PANCAKE / Out Of The Ashes CD \3200
 初CD化。デビュー作からメンバーを入れ替え、キーボーディストとヴァイオリンも弾けるベーシストを加え77年にリリースされた2nd。オルガンがたなびきストリングス・シンセが広がりギターが泣く典型的な叙情派ゲルマン・シンフォと、改めて聴き直すとジェントル・ジャイアントの影響が見られるテクニカルな曲調を持ち合わせ、特に2曲で構成された旧B面が良く、バンドのやろうとしていた方向性をプログレッシヴに表している。ヨーロッパ然とした哀愁と幻惑ムードが霧のように覆い、良き日のヴィンテージ感が伝わる。78年の熱いライヴ・ボーナス1曲入り。
ME-0548 PANCAKE / No Illusions CD \3200
 初CD化。少しジャーネイ・カーグマンを彷彿させる女性ヴォーカリストを迎え、79年にリリースされた3作目。彼らのラスト・アルバムとなる。ゲルマン香る幻惑シンフォの前作から、構築的で清涼感のあるサウンドへと変化し、初期ルーファスやアース&ファイアーを思わせる歌心と、泣きのギター&テクニカルなキーボードをバランスよく配し、速い手回しのドラムスと音数の多いベースが、がっちりと締める。中でも終盤2曲はエデンにも通じる美メロを持っており、叙情派ファンは見逃せない。80年の未発デモ3曲と02年の再結成ライヴ3曲がボーナス入り。
ME-0814 PARZIVAL / David - The Hymn 2CD \3200
 結成50周年作となった2021年驚きの新作! 71年作の「LEGEND」、73年作の「BAROCK」と2枚のクラシカル・ロックの名盤を残したバンドの、48年振りとなるドラマチック・シンフォニック・ロック作。オリジナル・メンバーのTHOMAS OLIVERが中心となり構想を練った2枚組の大作で、エレクトリック楽器に加え、スケール感のある壮大なオーケストラ、混声合唱を含む総勢130人で構成されている。ハートフルなヴォーカルと天空から響くような清らかな女性ヴォーカル、そして、叙情的で美しいメロディでダイナミックに綴る。コンテンポラリーな美しさは、後期HARMONIUMや、SEVEN REIZH、マイク・オールドフィールドに通じるところもあり。気候変動や難民問題を取り上げたコンセプト・アルバム。流石の出来。3面開きデジパック仕様。
ME-0552 PELL MELL / The Entire Collection - 7 Original Albums 4CD \5500
 1000セット限定で、ジャーマン・クラシカル・シンフォの雄、PELL MELL全5タイトルと、リーダーのTHOMAS SCHMITTが結成していた別プロジェクト、SKYRIDERの2タイトルを全リマスターでコンプリートした、プログレ・ファン必携ボックスが出た。ダリル・ウェイに匹敵するヴァイオリンをフィーチャーし、キーボード担当者が複数クレジットされ、70年代に4枚の必聴名作をリリースしたPELL MELL。郷愁が満ちながらハードさも見せる72年1stのMARBURG、ドヴォルザークやバッハをアレンジした有名な73年2ndのFROM THE NEW WORLD、リストやラフマニノフを取り上げながら最もシンフォニックに完成された76年傑作3rdのRHAPSODY、オリジナルPELL MELLの最終作となったドラマチックな展開が押し寄せる78年4thのONLY A STAR。どれも聴き応え十分で、FROM THE NEW WORLDはオフィシャル初CD化だ。その後、THOMAS SCHMITTは華麗なコーラスなど売れ線を狙ったキャッチーでかつシンフォニック色を残したSKYRIDERを結成し、80年に知る人ぞ知る同名作を、バンド名を再びPELL MELLに戻しモルダウをアレンジするなどクラシカルさと叙情を湛える美しいMOLDAUを81年にリリース。本ボックス発売にあたり、当時マスター・テープ速度を誤ってプレスされていたMOLDAUを初のオリジナル・キーにて初CD化。また、今までまったくの未発だった、ハード色を強めたSKYRIDERの2ndアルバムを初収録。7枚のアルバムが4枚のCDにて完全収録され、紙ジャケット入り。貴重フォト多数の24ページ・ブックレット入り。
ME-0699 PELL MELL / Marburg CD \2500
 再プレス。地元マールブルクをアルバム・タイトルに72年にリリースされたデビュー作。オルガン、ヴァイオリン、ギターが程よく暴れ、クラシカルさを湛えたアートロック風ながら曲の展開が考え抜かれており、ハードな演奏に交差する世紀末的な儚さと妖しさを湛えたパートが冴えている。ヴァイオリンを駆使した後半はシンフォニック・ロックと言え、また、モルダウの主題をリコーダーと共に奏でるなどメロトロンもドラマチックに用いられる。英語ヴォーカルもコーラスを含めゲルマン叙情は十分。
ME-0121 POSEIDON / Found My Way CD \3200
 76年リリースの唯一のアルバム。バンド名からクリムゾン・タイプを連想させるが、英語で歌われるメロディアスなブリティッシュ・タイプのサウンド。ハモンドやピアノも控え目ながら、いい味を出している。幻想的なジャケでも知られていたが、シンセやギターがまどろみ感を出し、後半あたりはどこかフロイドへ通じる。8曲のボーナスはライヴでクリームのカヴァー他。
ME-0462 ROUSSEAU / Retreat CD \2500
 限定紙ジャケット・ロシア盤。ぼんやり聴いているとまるでキャメルな83年作2nd。キーボーディストのアレンジ力がアップしており、月夜の叙情にクラシカルな気品を配した2曲目や、新任のギタリストのアコギがフィーチャーされる3曲目などオリジナリティーも見せ、それでも4曲目のリリカルなフルートやギターは、もうキャメルのアウトテイクかとさえ思わせる。後半はアコースティックなアンサンブルを織り交ぜ、泣きの感情はもちろん、心がこもったシンフォニック・ロックが演奏されていく。7曲目、9曲目のフルート+ピアノに涙。
ME-0641 SATIN WHALE / Lost Mankind CD \2800
 キングのユーロピアン・ロック・コレクションの記念すべき第一弾で堂々国内発売された75年リリースの2nd。ニュー・トロルスやオザンナの衝撃で印象が木っ端微塵に吹き飛んでしまったが、日本でのイタリア熱以前のヨーロッパはドイツが圧倒的に人気が高く、実際のセールスは好調だったらしい。1曲目の明るいノリで大損してしまっているが、音楽性を多様化させた力作で、前作でのハード色も残しつつ、クラシカルなオルガンやソリーナにフルートが加わるシンフォニックな叙情性を随所に持たせた完成度の高いコンセプト作となっている。
ME-0847 SFF / The Complete Recordings 3CD \4200
 妥協のない美学と独創性を追求したスーパー・シンフォニック・トリオ、SFF(SCHICKE FUHRS FROHLING)。彼らが当時に残した、SYMPHONIC PICTURES (76年)、SUNBURST (77年)、TICKET TO EVERYWHERE (79年)の3枚のアルバムと、02年に発掘リリースされたLIVE 75、以前のCDにもボーナス収録されていた78年ブレイン・フェスから2曲を加え、リマスターしたコンプリート収録の3枚組2023年盤。テクニカルな曲調にダブル・メロトロンがプログレ然と鳴り響く76年1stはムーグも弾くドラマーと、複数の鍵盤を自在に操るキーボーディストと、バンドのキーマンと言えるギター/ベース/キーボードをマルチにこなすプレイヤーの3人がロックという枠にとらわれず繰り広げる頭脳的なモンスター作。その延長線上にある77年2ndは鋭角的に畳み掛ける一方で、リズムを押さえキーボードや甘美なトーンのギターの響きを重視さた幻想的な広がりも見せる。前作も含めてヴォーカルが入らない全編インストであることに気付かないほどイメージが沸く。なお、2ndはベーシストがクレジットされ4人になっている。79年の3rdは確実に次世代のサウンドを取り入れた意欲作となっており、スタイルは違うがラストなどエニワンズ・ドーターも見えるスタイリッシュさがある。LIVE 75は1st以前の音源で、メロトロン入りで屈折するダークな曲調をクリムゾンの影響を覗かせながら展開。ラウドな録音も手伝ってアルバムでのイメージよりヘヴィだ。内4曲はアルバム未収曲。部分的にはISLANDのようなヘヴィネスも。
CD1:SYMPHONIC PICTURES + SUNBURST
CD2:TICKET TO EVERYWHERE + 2 BONUS (BRAIN FESTIVAL 1978)
CD3:LIVE 1975
ME-0861 FUHRS & FROHLING / The Complete Recordings 3CD \4200
 SFFのキーボーディストとギタリストによるデュオの初CD化2作品を含む全リリース音源を収録した3枚組。AMMERLAND(78)、STRINGS(79)、DIARY(81)の3枚のスタジオ作から全曲と、既発の80年のライヴ盤から全曲に加え78年ブレイン・フェスから1曲を収録。AMMERLANDは美しいアコースティック・シンフォ作と言え、中世色もロマンチックに香らせ、どこかゲルマン叙情の影を持ち、ダイナミックなメロトロンや深い幻想性を見せ、14分近い7曲目はSFFを感じさせる作りとなっている。STRINGSは曲によってドラマーを配しシーケンサーも導入した動きの速い華麗な曲想も取り入れた進化した作風で、その2作の良さを合せたのがDIARYで、エレクトリック・ギターも入り、リズムの強化もありつつ、アコギやピアノの美しい叙情が絶品だ。ヴァンゲリスに通じる壮大さもありつつ、スリリングなパッセージはSFF譲りだろう。2人の才能がしたたる。80年のライヴは1stと2ndの曲を中心にアルバム未収曲も演奏。リマスター。3面開き紙ジャケット。
CD1:Ammerland & Strings
CD2:Live 80 + bonus from Brain Festival 1978
CD3:Diary
*ディスク2とディスク3の収録内容が逆になっています。予めご了承ください。
ME-0834 SHAA KHAN / The World Will End On Friday CD \3200
 ジャケからはクラウト・ロックを想像してしまうが、実は叙情派シンフォの隠れた1枚。78年リリースの1st。バンドは70年代初期から活動しており、ライヴ等で影響されたのかGROBSCHNITTに近く、リリカルなギターやキーボード、物語りを説いていくヴォーカル、アルバムに封じ込められたファンタジーなどROCKPOMMEL'S LANDを思わせる魅力を持っている。ジャーマン・ロックのジャケット・センスは周知の通りで、このアルバムもかなり損をしてきたのでは。コンセプトとは裏腹に御伽の国を彷徨っているような光景を持ち引き込まれていく。リマスター。
ME-0086 SIDDHARTHA / Weltschmerz CD \3200
 75年にプライベート・プレスでリリースされたレア・シンフォ。EARTH AND FIREのような出だして始まるが、全体としては、泣きのギター、キーボード、フルート、ヴァイオリン、女性ヴォーカルもフィーチャーし、ゲルマン叙情を含み聴かせる自主制作然としたクラシカル・ロックである。近年に発見された1枚だが、海外では6ケタの原盤価格。英語とドイツ語。
ME-0849 STERN COMBO MEISSEN / Die Original Studio Alben 8CDBOX 8CD BOX \6980
 <AMIGAアルバム7枚+2023年録音盤!> 近年作2作から選曲された現メンバーによる新アレンジの新録15曲入りディスク8を追加収納した計8枚組2023年ボックス! 旧東ドイツのシンフォニック・ロックの頂点を極めた彼らの、77年のデビュー作から当時のラスト・アルバムとなった87年作までの7枚のアルバム、SAME (1977)、WEISSES GOLD(1978)、DER WEITE WEG (1979)、REISE ZUM MITTELPUNKT DES MENSCHEN(1980)、STUNDENSCHLAG (1982)、TAUFRISCH(1985)、NACHTE (1987)に加え、11年作のLEBENSUHRと20年作のFREIHEIT ISTから本ボックスでしか手に入らない現メンバーによる新アレンジにて新たに録音された新録15曲入り特別盤ディスク8「ES GEHT DIE ZEIT (2023)」を追加収納。クラシカル・ロックをドラマチックに展開する初期、テクニカルなシンフォニック・ロックを聴かせる中期、ポップなフォームにエイジアからの影響を感じさせる後期、旧共産時代の必聴バンドの全盛期のアルバムをコンプリート+2023年録音盤! 各紙ジャケット、バイオ・フォト・作品データを掲載したカラーブックレット付き。シンフォ・ファン必携!
ME-0342 STERN COMBO MEISSEN / Weisses Gold CD \2700
 旧東ドイツが生んだ必聴傑作シンフォの感動作が2006 BMG ORIGINAL AMIGA MASTERSシリーズで出直した。錬金術をコンセプトにした78年リリースの2nd。ハモンド、メロトロン、シンセ、クラヴィなどのキーボード群にフル・オーケストラと合唱団も加えた、テクニカルなバンド演奏とオケの雄大さが本格的に融合する、まさにクラシカル・シンフォニック・ロックの頂点。悲愴的な哀愁感は重く、旧東欧然とした独特の幻想性もあり、しかし、軟弱なところがまったく無いという凄みに圧倒される。ドイツ語。
ME-0719 STERN-COMBO MEISSEN / Weisses Gold - 2CD Jubilaums Edition 2CD \3800
 傑作シンフォ「錬金術師の物語」40周年を記念してリリースされた限定2枚組。なんと4つのフル・ヴァージョンが収録されており、内3つは未発表&新録。78年のオリジナル・ヴァージョン(クレジットは1979)に加え、AMIGAアーカイヴに残されていた東ドイツ・ニュンリッツのVEB施設で収録された驚愕の78年国営放送音源を始め、90年代に入り再結成され新録されるも未発表のままだった2001年スタジオ録音、そして、その後も活動を続ける彼らの2018年ニュー・スタジオ・ヴァージョンと歴代のフォーメーションで繰り広げられるクラシカル・シンフォニック・プログレ。近年の録音を含めてどれも素晴らしいが、78年のAMIGAアーカイヴ未発音源はオリジナルを完ペキに再現しつつオーケストラ・パートをアナログ・シンセに置き換え切れ味の鋭いハモンドらと共に武者震いを起す演奏を展開。音質、バランスも最上だ。加えてこの未発音源ではELECTRAやKARATやRENFTなど多くのDDRバンドに詞を寄せたシンガー、KURT DEMMLERのテキストがそのまま採用されている。シンフォ・ファン、キーボード・ファン必聴2枚組。EROCによる全リマスター。
ME-0624D STERN-COMBO MEISSEN / Bilder Einer Ausstellung (Pictures at an Exhibition) CD+DVD(PAL) \3980
 「展覧会の絵」をオーケストラと合唱団入りで、彼ら流にプログレッシヴ・ロックにアレンジしたシンフォ・ファン必見必聴の2015年ライヴ。「禿山の一夜」を挿入するなど、ムソルグスキーへのリスペクトも強く感じられる構成で、プロムナードを挟みながら、小人、古城、ビドロ、卵の殻をつけた雛の踊り、リモージュの市場、カタコンベ、バーバ・ヤガーと原作を忠実に再現しながらも、ドイツ語で歌詞を付け、ハモンド、シンセ、ピアノなどスリリングなツイン・キーボードやタイトなリズム・セクションなど、プログレ・バンドとしての見せ場も随所に織り込まれた緻密なアレンジは圧巻。ジャズ・ピアニストでありオケ・アレンジを担当したコンダクターがピアノソロを取るなど、趣向も凝らされ、ラストのキエフの大門で超感動的なエンディングを迎える。フル収録されたDVD付きは限定盤! お早めに。3面開きデジパック。
ME-0830D STERN-COMBO MEISSEN / 55 Jahre Stern-Combo Meissen - Das Jubilaumskonzert 2DVD(PAL) \4800
 2019年にマイセンで行われた55周年記念ライヴを収録した2022年2枚組DVD。77年のデビュー作から新作のFREIHEIT ISTまで、短縮版の「錬金術師の物語」、「禿山の一夜」、「展覧会の絵」も含む、オール・タイム・ベストな選曲となっており、今はバンドを離れた初期のメンバーや女性ヴォーカリストのVERONIKA FISCHERら数人のゲストも迎え開催された。ヴィンテージ感のある重厚でクラシカルなツイン・キーボード群に彩られる初期のプログレ&シンフォ期のナンバーはもとより、後期のヴォーカルをメインに聴かせる曲も東欧の哀愁が効いており、トレンドに透明感のあるセンチメンタルさが染み入る。また、年代を追うセットリストにより、彼らが80年代に入りメインストリームの野心を持つバンドにどのように変化していったか感じ取れ、現在ドイツのいつくかのシンフォ・バンドをかけ持つMANUEL SCHMIDの存在が効いており、後期の曲の良さがより引き出され、今までのDVDにはない新たな見応えと聴き応えがある。ベルリンのマイナーレーベルからのリリース。3面開きデジパック。
ME-0783 STERN (COMBO) MEISSEN / Freiheit Ist CD \2800
 9年振りとなる2020年新作。ツイン・キーボード編成にて、澄んだ哀愁のヴォーカルで巧みなシンフォ美を織り交ぜながらハートフルに聴かせる作風で、バンド5人にWEISSES GOLDの18年ヴァージョンに参加していたギタリストや本ヴォーカリストのMANUEL SCHMIDとコラボ作をリリースしたMAREK ARNOLD(キーボード)、さらにMELANIE MAUとのユニットでジェネシスやイエス愛を深く見せたFLAMING ROWのギタリストらがゲスト参加。新旧のメンバーが織り成すブラッシュアップされたサウンドは55年の歴史があるバンドとは思えないフレッシュ感があり、ヴォーカルをメインに中部ヨーロッパのロマンが溶け合い、サウンドにもノスタルジックなドイツ色があり、テクニカルなキーボード・パートもあり、この上ない叙情に満ちていく。名作です。
ME-0852 STREETMARK / Nordland CD \3200
 ドイツらしい独特の湿った暗さを保ちつつ、クラシカルな叙情と軽やかなテンポで聴かせる76年デビュー作。せわしなく前のめりになるパートとメロディを重視した落ち着いたパートを交差させ、オルガンやギター、美しいストリングスを配し、情熱的に歌われていく。2つの組曲をメインにELEANOR RIGBYやバッハのイタリア協奏曲を織り交ぜ、女性キーボーディストの趣向がそのままプログレにつながっているのが特徴だろう。後半は部分的にハード・ロックへ突入していくが、まどろむドリーミィさも漂う。冒頭と終盤のクラシカル・ロックが印象的だ。69年にデュッセルドルフで結成されたバンドで、メンバー・チェンジを繰り返し、本作に至っている。30年振りのCD再発。リマスター&デジパック。
ME-0491 SUNDENFALL II / Same CD \3200
 ジャケットが「激レア」オーラを放っているが、LIGHTSHINEと同じレーベルから71年に200枚のマイナー・プレスでリリースされた作品。ゲルマンの哀愁を持ったフォーク・プログレで、英語の男女ヴォーカルをフィーチャーし、フルート、ピアノ、サックス、アコギ、パーカッションらが、いかにもレアといった雰囲気を醸し出しながら演奏される。陽があるようで陽がない、この感じはジャーマン・フォーク独特の翳りで、ドラッグ的な陶酔ではない、アシッドさが魅力。曲によって、ジャージィだったりする。
ME-0866 SYLVAN / Back To Live 2CD \4500
 バンドの長い歴史の中で最高の曲をミックスしたとメンバーが語る2023年10月オランダでのライヴを2枚組で収録した2024年盤。15年作「Home」の曲でエネルギッシュに幕を開け、最新作「One To Zero」の曲へと前半は直近&近年の曲が続く。前ライヴ・アルバムからすでに16年経っており、SYLVANスピリットを再確認するべく、中盤以降は2000年代中期のバンドがピークを迎えた「X-Rayed」「Posthumous Silence」「Presets」らの悲哀のヴォーカルが刺さるドラマチックな展開の曲が新曲も交え並ぶ。高貴な詩情を湛えるピアノ、包み込むストリングス、メロディアスなシンセらにここぞとのタイミングで繰り返しギターが壮大に泣き出す。唯一ギタリストの違いもあり、ややヘヴィな質感が新味となり、ただメロディーの洪水は不変で繊細さとエネルギーによる「表現」の実直さとパワーが感動的にあふれ出るエモーショナル炸裂の演奏に圧倒される。見開き紙ジャケット。
ME-0678 THINK / Variety CD \3200
 限定再プレス。ジャケットのイメージとは真逆の叙情的でクラシカルなサウンドを聴かせる73年レア作。エッセン近くの街でハンガリーやチェコ人も加え結成。ヘヴィなギターをフィーチャーしながらも、リリカルなフルート、影たっぷりのハモンド、哀愁のヴァイオリンを配し、PARZIVALを思わせる中世フォーク・ロック色を醸しながら前半ではPELL MELLやWIND/Morningのようなシンフォニック色を見せる好作だ。満ちる中部ヨーロッパの叙情。中世ドイツの街並みが続く旅路を思い出させる。ボーナス2曲入り。
ME-0815 TIBET / Same CD \2800
 78年にリリースされた唯一作。72年に結成され、当時イギリスでのフェス参加により英国プログレに感化され本作を制作したが、英語で歌われているもののサウンドは非常にドイツ的だ。ハモンド・オルガン、メロトロン、哀愁を帯びたギターをフィーチャーし、クラシカルな趣と、テクニカルなプレイを見せるも、曲によっては、ノヴァリスに通じるようなメロディと郷愁、そして、ドイツ特有の夢想感を伴ったシンフォニック・ロックを聴かせる。本作のみを残し解散した短命バンドだったが出来は良く、再認識すべき作品だ。初出のボーナス・トラック2曲を追加収録しており、これらはアルバムとは若干メンバーが違う、78年と80年にスタジオ録音された未発表曲 (TOO LAZY / NEVER BE THE SAME)。27年振りとなる2021年リマスターで音質向上&ドイツ盤での初CD化。デジパック仕様。
ME-0642 TOMORROW'S GIFT / Same CD \2800
 屈指のハード・プログレ70年作。女性ヴォーカルと全編でフルートをフィーチャーし、早いテンポで変拍子も駆使しながら畳み掛ける技巧派で、ヒープやパープルを連想させるギターと哀愁のハモンドを核とし、凝ったリフやクラシカルな反復などタルの影響も強く加わっているが、英国風味というよりは、それらを独自に消化したフォーカス的サムシングを感じさせるヨーロッパの翳りが漂う。ブルージィなヴォーカルとサウンドがややミスマッチではあるものの、チェレスタやピアノのアクセントも効いた2枚組(2in1)の大作。未収ボーナス1曲入り。
ME-0757 TORTILLA FLAT / SWF Session 1973 CD \3200
 アルバム以前の73年に収録されたラジオ音源。音質&演奏クオリティーに定評があるSWFのアーカイヴだ。本作ではキーボーディストの代わりにヴァイオリニストが在籍しており、フルートやギターと互角にフロントで奏でる。クラシカルなジャズ・ロックといった様はウルフあたりも思わせ、かつゲルマンの浮遊感や幻想性を湛えている。曲の完成度は驚くほど高い。また、ドイツの詩人、クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩を用いた独語のヴォーカル・ナンバーも演奏している。SWF音源に加えリハーサル&ライヴ音源のボーナス入り。リマスター。
ME-0857 TRITONUS / Same CD \3600
 <2023年リマスター&ボーナス2曲入り> 72年に結成され、名門BASFから75年にリリースされた1st。ドイツのELPと言えばTRIUMVIRATを思い浮かべるが、よりマニアックでシンフォニックなのがTRITONUSであった。エマーソンの影響を強く感じさせるハモンド、まるでグレッグ・レイクのようなアコギとヴォーカルなど、まさにELPをモデルとしたサウンドながら、リック・ヴァン・ダー・リンデン風なピアノや、メロトロンとパイプ・オルガンのドラマチックな導入、きらびやかなハープシコードなど、トレースにも似たヨーロピアン・テイストにも包まれる。アルバムに先駆けて自主リリースであったと思われる73年の激レア・シングルからオルガンの熱い弾き倒しが聴ける2曲を収録。
ME-0601 TRITONUS / Between The Universes CD \2600
 ELP色を残しつつ、シンセやストリングス系をより多くフィーチャーし、スペーシィな感覚も持たせ、叙情派シンフォへ変化した76年リリースの2nd。コーラスも導入し、ドラマチックなヨーロッパが一気に沸き立ってくるタイトル曲を始め、後半では雄大でシンフォニックな広がりにハモンドが切り込む新たなオリジナリティを見せている。ラストではアコギを含めグレッグ・レイクのようなバラードも聴かせる力作だ。TWENTY SIXTY SIX AND THENのヴォーカリストがゲスト参加。2014年リマスター&紙ジャケット仕様・限定盤。フォト入りインサート付き韓国盤。
ME-0185 TRIUMVIRAT / Illusions On A Double Dimple CD \2500
 より洗練されたサウンドとなった74年リリースの2ndアルバム。次作の「スパルタカス」と並ぶ代表作。かつてLPでは両面各1曲ずつで組曲2曲という大作志向のアルバムで、オルガン、ピアノに、ムーグ・シンセや、ケルン・オペラ・ハウス・オーケストラ、ブラス・セクション、女性コーラス等を加えた、シンフォニック・プログレとなっている。オルガン・ソロなどのパートを聴くと、EL&P、ナイス影響下と言われるのも頷けるが、やはり英国のバンドとは違うヨーロッパ大陸のバンドならではのサウンドとオリジナリティー。リマスター&ボーナス4曲追加収録。
ME-0188 TRIUMVIRAT / Pompeii CD \2000
 メンバー・チェンジの後、77年にリリースされた5thアルバム。イタリアのベスビオ火山の噴火で瞬時にして灰と化した都市ポンペイの悲劇をテーマにしたもので、オーケストラ、合唱団入りのコンセプト・アルバム。アレンジはC.PLANK。EL&Pサウンドをベースに雄大なシンフォニック・ロックを展開している。リマスター&ボーナス1曲追加収録。
ME-0112 TROYA / Point Of Eruption CD \3200
 76年にプライヴェート・プレスでリリースされたレア・シンフォ。オルガン、エレピ、ストリングス・シンセ(メロトロンじゃないよ)を叙情的にフィーチャーし、いかにもドイツらしいゲルマンの陰影を落す。SIDDHARTHAやFAITHFUL BREATHあたりを思わせるサウンドで、クラシカルなフレーズがマニア心をとらえる。英語。昔はMINOTAURUSと並んで幻の1枚と崇められていたもの。
ME-0858 TVINNA / Two - Wings of Ember CD \3300
 ドイツの人気バンドFAUNの女性ヴォーカリストLAURA FELLAが率いるメディヴァル系バンドの2024年新作。彼らは自らをダーク・プログレと位置づけており、ルーツである民俗的なフォークよりも、ロックへとより舵を切ったコンセプト・アルバムとなっている。ギタリスト、ドラマーとのトリオ編成に、ブッケホルン(羊またはヤギの角から作られた古代スカンジナビアの楽器)や、ハーディ・ガーディもゲストに迎え、ドライヴ感のあるエレクトリックと融合させ、幽玄で神秘的な中にも、コンテンポラリーでポップな感性を持ち込んだサウンドは、やはりFAUNを思わせるところも。LAURAの可憐なヴォーカルも映える。デジパック仕様。
ME-0097 TYBURN TALL / Same CD \3200
 6ケタのプレミアムが付いているジャーマン・オルガン・ハード・プログレ。終始、ケン・ヘンズレーのようなハモンドが荒れ狂う内容はまさに必殺の1枚と言える。オリジナルLPは200枚のみのリリースであった。ハモンド・ファン、ジャーマン・ハード・プログレ・ファン必聴アイテム。英語。2曲のボーナスはコロシアムのカヴァー等。余談ですが、原盤のジャケットは超厚紙ですごいです。
ME-0736 UPPERSEPTION / Neo Gourage CD \3200
 1曲目のオルガン弾き倒しのRONDOに代表されるナイスに影響を受け活動を始めたバンドの72年〜74年の未発音源集。当時は作品を残さず13年に70年録音の未発音源がアナログ盤でリリースされ注目されていた。本CD収録のものは別音源(ライヴ&スタジオ)で全体に録音状態と音質が良く、キーボーディストをメインとし曲によってはギタリストも加わり、オルガンだけでなくシンセやエレピ、加えてフルートやアコギもドリーミィにフィーチャーされ、マニアックに深化したプログレを聴かせている。イタリアだけでなくドイツにも相当まだ眠っている好音源があることを証明している。
ME-0746 VOYAGER IV / Pictures At An Exhibition CD \2800
 キーボードをメインにしたドイツ産のバンドのシンフォニック・ロックとしてSFFやSTERN-COMBO MEISSENにも張り合う驚愕の2019年デビュー作。タイトル通り展覧会の絵をベースにしたものだが、ELPにヒントを得ながらも革新的なアレンジと独自の展開が施されており、クラシカルなドラマチックさとシンセなど21世紀モダンがミックスされた超プログレッシヴな内容となっている。また、オリジナルの歌詞を用いたヴォーカル・パートもELPとは違う構成になっており、哀愁が漂い、叙情的な幻想色も十分。キーボーディストはジャズ界で賞を取り高く評価されている超腕ミュージシャンで、エマーソン・トリビュートを経て初の本格派プログレッシヴ・ロック作となった。ピアノなどエマーソン張り。ラストは風に語りて。綴じ込み付きハードカヴァーデジパック仕様。
ME-0844 WALLENSTEIN / Blitzkrieg CD \2800
 結成時のバンド名だったBLITZKRIEGをタイトルにした72年作1st。アメリカ人やオランダ人も含む多国籍メンバーで録音された。クラヴィが終始テクニカルに弾き倒されるオープニング・ナンバーからパワー全開で、ギターも負けじとフレーズを詰め込み、スペーシィさを醸し出すフェイズ処理が少々時代を感じさせるが、メロトロンやクラシカルなピアノが彩る次曲も途中から相当テンションが上る。無機質なジャケットからは想像出来ない叙情も秘めたハード寄りの力作。見開き紙ジャケット仕様。2022年リマスター盤。
ME-0831 WALLENSTEIN / Cosmic Century CD \2800
 ゲルマンの香りに満ちたシンフォニック・ロックの名作。メンバー・チェンジや新たにヴァイオリニストを加え、音楽性を変化させ73年にリリースした3rdアルバム。ヴァイオリンをスリリングに加えたクラシカルなプログレッシヴ性と、ドイツならではのロマンチックな叙情でドラマチックに聴かせる、THE SYMPHONIC RICK ORCHESTRAなる3曲で構成された組曲を軸にした作品で、ピアノ、そして、メロトロンもフルート、コーラスと効果を最大限に発揮している。また、内省的なヴォーカリストの存在も雰囲気を高めるのに功を奏している。後半は、初期に通じるようなハードな展開を見せる。見開き紙ジャケット仕様。2022年リマスター盤。
ME-0463 WIND / Seasons CD \3200
 オルガン・ハードの良質作として知られる71年リリースの1stがオフィシャル・リマスターで出直した。ユーライア・ヒープかと思う出だしの凶暴なハモンドが本作を象徴しており、メルヘン・ロックとなった次作のモーニングとの違いにまず驚かされるが、2曲目、3曲目の物静かな佇まい、4曲目の中間部のクラシカルなピアノにはやはりモーニングも若干見える。旧B面は2曲で構成され、トップのCD4曲目はまた凶暴なオルガン・ハード。ラストは16分近い大作で、寂しげな郷愁とワイルドな演奏が交差するヘヴィ・プログレッシヴ色を全開。
ME-0104 WIND / Morning CD \2800
 ヘルダーリンと並ぶメルヘン・ロックの必聴名作。英国のスプリングに似た温かみのあるフォーク・ロックをベースとし、メロトロンがシンフォニックに湧き出る様は初期クリムゾンを思わせ、ヨーロッパの極上のファンタジーとロマンにあふれる。ただ、メロトロンが入る曲と入らない曲でグレードが違うのも否めないが、この落差もまたジャーマン・ロック。72年リリースの2nd。ボーナス・トラック1曲(JOSEPHINE)追加収録。

〓[HOLLAND]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ME-1468 ALQUIN / The First Five - Limited Edition 6CD BOX 6CD BOX \4200
 <初CD化含む6枚組/限定ボックス> オランダのレジェンド・アーティストのデビュー作から5枚目までの初期にスポットを当てた「ザ・ファースト・ファイヴ・シリーズ」の一貫として、オランダ・ユニヴァーサル・ミュージックからリリースされたボックス。レスリーが効いたハモンドやフルートを導入し、ジャズ・ロックも交えたメロディアスな叙情性を持つ、フォーカスやキャラヴァンにも通じる名バンド。初CD化となる76年のライヴ盤「ALQUIN ON TOUR」を含む、オリジナル・アルバム5作品と、ボーナスCD (8曲)を加えた6枚を各紙ジャケットに収納。写真や解説が掲載された12ページのブックレット付き。2019年リリース。この機会に是非!<収録アルバム> MARKS (1972) / THE MOUNTAIN QUEEN (1973) / NOBODY CAN WAIT FOREVER (1975) / BESTE KEPT SECRET (1976) / ALQUIN ON TOUR (1976/初CD化) + BONUS CD
ME-1523 CHIMERA / Des Duivels Oorkussen CD \3200
 初CD化。ヨーロピアン・プログレッシヴ・フォーク・バンドの名盤として廃盤時代から知られる80年デビュー・アルバムが待望のCD化。全編に流れるアンダーグラウンドで幻想的な雰囲気たっぷりのサウンドに乗せて、オランダ語で歌う美声女性ヴォーカルが絶品。トリプル・ギターによるアコギ・アンサンブル、エレクトリック・ベース、パーカッション、ヴァイオリン、マンドリン、ダルシマー、サックス、リコーダー、ティン・ホイッスルと、多彩な楽器で、トラッドや中世音楽を奏でる。オルガンを効かせた幻惑的な曲や、ダンサンブルなインスト、男女のアカペラも含むが、リコーダーを効かせた物悲しくも美しいメロディが印象的。見開き紙ジャケット仕様。2024年リマスター&オランダ盤。
ME-1524 CHIMERA / Obstakel CD \3200
 初CD化。81年2ndアルバムは、FOLQUEに並ぶヨーロピアン・エレクトリック・トラッド作で、前作とはアプローチが異なる甲乙付け難い出来となっている。前作同様、オランダ語で歌う絶品の女性ヴォーカルはもちろん、叙情風味を醸し出す男性ヴォーカルも良く心に染みる。アコギ・アンサンブル、オルガン、ベース&フレットレス・ベース、ドラムス、パーカッション、ヴァイオリン、ダルシマー、マンドーラ、ブズーキ、リコーダーなどの楽器のアンサンブルも素晴らしく、FLAIRCKを連想させるようなテクニカルなインスト・パートや、霧の奥から湧き出るような厳かな幻想色も印象的。トラッドや中世音楽を取り上げ、英米のバンドとは違う歴史を感じさせる、こちらも名作。3面開き紙ジャケット仕様。2024年リマスター&オランダ盤。
ME-1197 CODA / Sounds Of Passion The Album - The Demos 2CD \3200
 86年のファースト・アルバムに、ボーナス・ディスクが付いた2枚組、リマスター盤。何といっても旧B面に尽きる。アナログ盤では組曲の最終章がA面に収まりきらず、B面にはみ出るといった収録だったが、そこはちゃんと計算されており、B面の最初から聴くとこれがとんでもなくドラマチックで、手に汗を握る展開がこれでもかと続く。本CDで言うと19分13秒から。圧倒的なパイプ・オルガンから始まり、24分08秒ぐらいから始まるハートフルなポリシンセのソロに息が詰まる。この感動は超名曲のクレイジー・フールで、さらに涙することになる。本編にはリミックス・ヴァージョンや、アルバム未収シングル曲など5曲追加収録。ボーナスCDには83、84年の未発表デモ・ヴァジョンを8曲収録。スリップ・ケース付き。07年オランダ盤。
ME-1462 EARTH & FIRE / The First Five - Limited Edition 6CD BOX 6CD BOX \4980
 <6枚組/限定ボックス> オランダのレジェンド・アーティストのデビュー作から5枚目までの初期にスポットを当てた「ザ・ファースト・ファイヴ・シリーズ」の一貫として、オランダ・ユニヴァーサル・ミュージックからリリースされたボックス。オランダを代表する女性ヴォーカル・シンフォ・バンドの、メロトロン・ファンにも人気が高い初期3作を含むオリジナル・アルバム5作品と、ボーナスCD(14曲)を加えた6枚を各紙ジャケットに収納。写真や解説が掲載された12ページのブックレット付き。2019年リリース。<収録アルバム> EARTH AND FIRE (1970) / SONG OF THE MARCHING CHILDREN (1971) / ATLANTIS (1973) / TO THE WORLD OF THE INFINITY (1975) / REALITY FILLS FANTASY (1977) + BONUS CD
ME-1336 EARTH & FIRE / Same CD \2500
 当時のオランダで最も有名で、成功を収めたバンド。71年にリリースされたデビュー・アルバムにして名作。後の作品に比べるとワイルドなノリだが、それがまた、たまらない。メロディアスでホットなサウンドをバックに、女性ヴォーカリスト、ジャーネイ・カーグマンが熱く歌い込んでいく。ボーナス・トラックとしてレア・シングル2曲入り。ロジャー・ディーンによる英国盤(NEPENTHA LABEL)のジャケット。2009年版。
ME-1252 EARTH & FIRE / Atlantis CD \1500
 単体のオランダ盤としては初CD化となる、73年リリース3rdの2010年リマスター盤。前作から受け継がれたドラマチックな大作志向のプログレッシヴ性の中に、ポップな大衆性も見せる女性ヴォーカル・シンフォの傑作だ。オルガンに加え、テクニカルなギターがアンサンブルの要となり、サウンドが一気にカラフルになった。メロトロンやシンセが幾重にも敷き詰められ、ジャーネイ・カーグマンが全身全霊で歌い上げる後半のハイライトなど何十年経っても色あせない感動の瞬間!
ME-1435 EDDIE MULDER / In A Lifetime CD \2500
 FLAMBOROUGH HEADを経て、LEAP DAY、TRIONを掛け持ちするギタリストの2017年ソロ作。バンド・メイトのキーボーディストや女性フルート奏者の他にドラマーら計8人で録音。アコギを主体とし、ハケットを思わせる幽玄さを湛え、時にエレクトリック・ギターが寄り添うように入り、メロトロンが劇的に流れる。オール・インストだが儚くも優しい詩情が「言葉」を浮かび上がらせており、まるで詩集をながめているようなロマンに浸れる。長尺のタイトル曲は初期ジェネシスの夢想に似たシンフォ・チューン。3面開きデジパック。
ME-1464 EDDIE MULDER / Victory CD \2500
 キャメルかと思うオープニング。FLAMBOROUGH HEADを経て、LEAP DAY、TRIONを掛け持ちするギタリストの2019年作。バンド・メイトのキーボーディストやドラマーらに本作ではKARFAGENのANTONY KALUGINが1曲ながらシンセでゲスト参加しており、話題性を高めている。18年のイタリアでのライヴを中盤に置き7曲のスタジオ録音で挟む変則なアルバム構成で、以前の繊細なアコースティック色からリズム・セクションを配しバンド編成でのシンフォニック・ロックまで優しく聴かせる彼らしい作風だ。メロトロン系を儚く取り入れ、見続けたい夢が淡く広がる終盤も印象的。3面開きデジパック。
ME-1509 EDDIE MULDER / Signature CD \2700
 メロウなギターとキーボードがカラフルに絡み合うシンフォで幕を開ける2022年作。FLAMBOROUGH HEADを経て、LEAP DAY、TRIONを掛け持ちするギタリストの2022年作。現在は再びFLAMBOROUGH HEADにベースで参加。本作はバンドメイトら7人のメンバーが加わっており、LEAP DAYのキーボーディストを始めドラマーらとの数人でのバンド録音のものから、アコギを組み合わせた神秘的な曲や、ギターとプログラミングによるコンテンポラリー・シンフォとでも呼べる曲など構成に富み、曲によってはフルートも交え、すごくプロフェッショナルな演奏なのにシェアできるムードが優先し、似た曲想でも曲ごとの質感が違うなど、どこかフォーカスを思い出させる。TON SCHERPENZEELが2曲、COLIN BASSが1曲でゲスト参加。3面開きデジパック。
ME-1518 EDDIE MULDER / To The Centre CD \2950
 キャメル愛に加えフォーカスも感じさせる人気シンフォ・ギタリストの2023年作。FLAMBOROUGH HEAD、LEAP DAY、TRIONを掛け持ちしながら15年以降毎年アルバムをリリース。本作で9作目となる。アコースティック作も多い彼だが、本作ではゲストでカヤックのTON SCHERPENZEELを迎えるなどバンド色を打ち出しており、シンフォ・ナンバーからアコギの美しい音色まで、穏やかでノスタルジックなメロディーは切なくも甘美に、各曲が独立した短編小説のように構成され、無駄な音符は弾かないと語る彼らしいハートのこもったプレイを聴かせる好作となっている。また1曲ヴォーカル・ナンバーが収録されており、月光に照らされた湖から流れてくるような幻影を漂わせる。まさに叙情のブレンド作。3面開きデジパック。
ME-1469 EKSEPTION / The First Five - Limited Edition 6CD BOX 6CD BOX \4200
 <初CD化含む6枚組/限定ボックス> オランダのレジェンド・アーティストのデビュー作から5枚目までの初期にスポットを当てた「ザ・ファースト・ファイヴ・シリーズ」の一貫として、オランダ・ユニヴァーサル・ミュージックからリリースされたボックス。後にトレースを結成するRICK VAN DER LINDENのオルガン&怒涛のパイプオルガンと、リズム陣、ブラスセクションもフィーチャーした本格派クラシカル・ロック・バンド。初CD化となるロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとの共演盤「EKSEPTION 00.04」を含む、オリジナル・アルバム5作品と、ボーナスCD (9曲) を加えた6枚を各紙ジャケットに収納。写真や解説が掲載された12ページのブックレット付き。2019年リリース。この機会に是非!<収録アルバム> EKSEPTION (1969) / BEGGAR'S JULIA TIME TRIP (1970) / EKSEPTION 3 (1970) / EKSEPTION 00.04 (1971/初CD化) / EKSEPTION 5 (1972) + BONUS CD
ME-1394 FLAMBOROUGH HEAD / Unspoken Whisper CD \2500
 長らく入手困難だった98年リリースのデビュー・アルバムが2016年新装リリースとなった。今聴いても、曲の出来の良さに驚いてしまう。後にメロトロン・バンド、TRIONを結成するキーボーディストの深遠なストリングスが幽玄さを醸し出す1曲目で早くも圧倒されるが、ピアノと甘美なギターが印象的な3曲目や4曲目も、まったく色褪せることなく感動的だ。ゆったりとした泣きと組み合わさる緩急展開、繰り返されるフレーズから解き放たれた如く歌い上げるソロ、また、キャメルやジェネシスを感じさせながらも中部ヨーロッパの黄昏に染まる曲調など、すでに独自性を持ったシンフォ・ファン必聴作となっている。かなりいい。3面開きデジパック。
ME-1448 FLAMBOROUGH HEAD / Defining The Legacy CD \2500
 長らく入手困難だった01年リリースの2作目(デモ作をカウントすると3作目)が2018年リマスターにて新装リリース! 改めて聴いてもコンポーズがズバ抜けている。シンフォニック・ロックとしての曲の描き方が最良で、一貫する鮮やかな展開と先を急がないメロディー優先の空気に染まりながら聴き入ってしまう。メロトロン系のメルヘンさ、オルガンのジェネシスさ、いとしい愛を紡ぎ合うシンセとギターの撫でるような寄り添い。見せ惜しみするクラシカルさや背を伸ばしたカッコよさはFINCHを生んだ国ならではで、気高いのに涙が出るほど優しさに包まれる。これぞユーロ・シンフォ。オリジナル・メンバーでの最後のアルバムとなった。一期FLAMBOROUGH HEADの最高作。3面開きデジパック。
ME-1446 FLAMBOROUGH HEAD / One For The Crow CD \2500
 長らく入手困難だった02年リリースの3作目(デモ作をカウントすると4作目)が2018年リマスターにて新装リリース! その後の看板となる女性ヴォーカリストとLEAP DAYに参加したキャメル愛のギタリストのEDDIE MULDERが本作から加入。緩急を付けながらも景色を愉しむかのような急ぐことのない展開が素晴らしく、明るめの色彩に孤独な影を落とすリコーダーやフルートが冴え渡り、シンフォニックなキーボード群を泳ぐようにギターがハートフルに紡がれていく。アコギの小曲が重要な橋渡しをしているのもEDDIE MULDERの才能で、彼のソロ作にもつながっていく。これほど豊かな叙情パートを配した作品そうはない。3面開きデジパック。
ME-1401 FLAMBOROUGH HEAD / Tales Of Imperfection CD \2500
 シンフォ・ファン必聴傑作であり、彼らの代表作とも言える05年リリースの5作目が2016年リマスターにて新装リリース! 女性ヴォーカルをフィーチャーし、キャメルをジェネシスとルネッサンスで色付けしたかのようなサウンドは聴けば聴くほど非常に良く出来ており、ヴォーカル、ギター、キーボード、フルート、リコーダー等それぞれが整理され、これでもかと美旋律で埋め尽くされている。だが、決して密度で圧迫されることもなく、どこか涼しげな佇まいを見せる。エレガント。これが、オランダ流。極上のハートフル・シンフォである。3面開きデジパック。
ME-1514 FLAMBOROUGH HEAD / Looking For John Maddock CD \2700
 長らく入手困難だった09年リリースの6作目が2023年新装リリース! 甘美なフルートやリリカルなリコーダーも名手の女性ヴォーカリストと、LEAP DAY、TRIONを掛け持ちするキャメル愛のギタリスト、EDDIE MULDERをフィーチャーする2期の中間期にリリースされた1枚で、EDDIE MULDERが作曲&アレンジに大きく関わっており、6曲の内3曲はインストで、まるでヴォーカル・パートの如く彼の優美なギターとフルートを聴かせる、キャメル・ファン必聴だ。そして、20分近いラストは傑出の出来と言え、オーケストレーションとリコーダーが物悲しく響き、翳りと光がダイナミックに織り成す雄大な世界が広がり、中部ヨーロッパならではのクラシカルさも。デジパック。
ME-1315 FLAMBOROUGH HEAD / Lost In Time CD \2500
 キャメルとルネッサンスが合体したなら、そんな夢のようなイメージのシンフォニック・ロックを聴かせる2013年作。アニー・ハスラムを彷彿させる女性ヴォーカルをフィーチャーし、今やオランダを代表するバンド、TRIONでも知られるキーボードディストがメロトロンを含むヴィンテージ感あふれるファンタジックなサウンドで包み込み、新加入のギタリストの甘美な泣き具合も申し分なく、女性ヴォーカリストが一人2役以上の存在感を見せるフルートが瑞々しく美旋律を描く。少々大げさだが、これ以上何を望もうか。聴き惚れているとアルバムはあっと言う間に中盤に差し掛かり、強固な展開へ。プロジェクト的なTRIONに比べ、よりバンドっぽく生き生きしているのがFLAMBOROUGH HEAD。彼らの最高作でもあり、シンフォ・ファン必聴傑作となった。
ME-1425 FLAMBOROUGH HEAD / Shreds Of Evidence - Obscure Live Tracks And Other Rarities CD \2500
 未発ライヴ2曲含むオリジナル・アルバムには未収の98年〜15年のライヴ&レア音源を集めた2017年盤。メロトロンの洪水で聴かせるMOODY BLUESトリビュートや、アコースティックな叙情を染み渡らせるFLOWER KINGSトリビュートを始め、02年のCYCLOPS SAMPLERのみに収録されていたリリカルなフルート&リコーダーが叙情の頂点を描くリアレンジのロング・ヴァージョン、メンバーがオーガナイズしていた地元オランダでのプログフェス、ProgFarm出演時のライヴ、さらには企画オムニバス盤のDIVINE COMEDYに収録された3曲、そして、目玉は11年にオランダのプログレッシヴ・ロック・サイト開設10周年を記念してリリースされたサイトのみの販売の限定盤Prog NLに収録されていた、普段は英語で歌う彼らがオランダ語で歌った壮大な独占曲も収録している。3面開きデジパック。
ME-1510 FLAMBOROUGH HEAD / Jumping The Milestone CD \2700
 実に9年振りのオリジナル・アルバムとなる2022年作。女性ヴォーカルをフロントにハートフルなギターと鮮やかなキーボードとリリカルなリコーダー&フルートが哀愁を紡いでいく作風は彼らならではと言え、15年にソロをリリースしている新加入のギタリストがこれまたラティマー・タイプで琴線に触れるフレーズを織り成し、テーマとなる甘い美メロを繰り出す。緩やかな曲想でファンタジックなシンフォを聴かせるのが真骨頂だが、まさにその芸は円熟の域に達しており、ピアノ、オルガン、ストリングスの的確性、ギターソロの必然性、繊細に配されるリズム変化など一朝一夕では生み出せないアレンジにて展開。全体に彩る儚さがなんともロマンチック。キャメル・ファンはぜひ! 3面開きデジパック。
ME-1031 FOCUS / Moving Waves CD \2200
 72年リリースの2nd。絶妙なアンサンブルと、見事なバンド演奏は早くも頂点に達した。クラシックとジャズを掛け合せたサウンドは、あらためて本作がプログレッシヴロックの傑作だと感じさせられるもの。文句なしの必聴盤。レロレロホヘヘとヨーデル調で知られる超有名曲、悪魔の呪文が入っているのがこれ。リマスター盤。
ME-1034 FOCUS / Hamburger Concerto CD \2200
 Live At The Rainbowをはさみ、74年にリリースされた5作目。宮廷音楽調のナンバーや、厳格なハープシコードをメインにフィーチャーする曲など、全体にクラシカルな気品が漂う。ジャージィーな演奏が苦手な人には本作をおすすめ。後半のクラシカルな組曲も聴き物。個人的にもこれが好き。リマスター盤。
ME-1521 FOR ALL WE KNOW / By Design Or By Disaster CD \3300
 ウイズイン・テンプテーションのギタリストRUUD JOILEが率いるプロジェクトの7年振りとなる2024年新作3rd。構築的なキャッチーさを持った透明感のあるシンフォニック・ロックを聴かせる。ハードなギターがフィーチャーされる場面もあるがヘヴィな印象は無く、エモーショナルでさえある。哀愁を帯びた甘めのヴォーカルも良く、メランコリックなドラマ性を秘めた叙情的な世界が広がっている。ストリングス、ピアノ、アコギを加えたメロディアスで美しいバラードもドラマチックで感動的。人生のさまざまな段階における同一人物を象徴する3人の人物が描かれている。両親、恋人、そして子供たちとの関係を築いたり失ったりしながら、人生を歩んでいく若者の物語りで、それを描いたジャケットも印象的だ。デジパック仕様。
ME-1429 GAMMA / Darts CD \2600
 初CD化。74年に超マイナーレーベルからリリースされた彼らの2作目。同国のALQUINあたりを思わせるサウンドで、メロトロン入りの2曲目の雰囲気は、まるでFOCUS。全体にギターやエレピなどムーディな印象も残すが、1曲目はオルガンも滑走するジャズ・ロック。中盤あたりはクロスオーヴァーしていた頃のキャメルとも言えなくもない。ラストはアコギやブラスもフィーチャーされる、たおやかで叙情的なシンフォ・ナンバー。ヨーロッパの中でも、まだまだ良質のレア盤が数多く眠っているオランダならではの内容だろう。リマスター。
ME-1038 GOLDEN EARRING / Switch CD \2500
 74年リリース作。本作からSUPERSISTERのリーダーでありキーボード奏者のROBERT JAN STIPSが加入。以前からのメロディアスなサウンドに加えてアレンジの厚みが増し、さらに本作ではオーケストラを加えるなど、作品の完成度を高めている。基本的にはポップ・ロックだがKAYAKあたりに通じ、また、各メンバーのテクニックも申し分ない。デジタル・リマスター盤。
ME-1039 GOLDEN EARRING / To The Hilt CD \2500
 SUPERSISTERのキーボード奏者のROBERT JAN STIPSの加入により、そのキーボードを多くフィーチャーし、プログレ的な隠し味が増した名作。もともとテクニックがあり、ポップ・ロック・バンドとしてメロディーには定評がある彼らだけに、R.J.STIPSの加入により、インスト部分や弦アレンジなどがさらに充実。オランダらしい質の高い完成度を見せる。75年作。デジタル・リマスター盤。
ME-1274 KAYAK / See See The Sun CD \2500
 英国リマスター2012年盤。華麗なオープニング・ナンバーに早くも印象付けられる73年リリースの1st。幻想感に包まれる雄大な4曲目や、哀愁が佇む9曲目でのメロトロンの導入は、あまりにもドラマチック。彼らの優雅でクラシカルなシンフォニック・スタイルは、すでにこのデビュー作で確立されている。美しく磨き上げられたメロディー・ラインと、MAX WERNERの優しい歌声が心に残る。同年の1stシングルからアルバム未収のポップでサイケな展開が目まぐるしい「TRY TO WRITE A BOOK」をボーナス収録。
ME-1290 KAYAK / Royal Bed Bouncer CD \2500
 英国リマスター2012年盤。「冒険的な初期のフェイヴァリット・アルバム」とリーダーのTON SCHERPENZEELが話す75年リリースの3rd。幻想的なシンフォニック志向から、よりメロディーの美しさに重点を置き、さらにバンドの演奏力を高めることで、ヨーロッパの叙情とロマンが疾走していくような快感に満ちる。もちろん、しっとりとしたドラマチックなナンバーもフィーチャーし、作品のまとまりという点で抜き出ている。旧A面ラストのスリリングな曲を聴き終えて、B面の痛快なイントロを聴く瞬間の感激は今でも忘れない。
ME-1481 KAYAK / Live 2019 2CD \3200
 ファン必聴! 集大成的なセットリストの2019年最新ライヴ盤。リーダーでキーボーディストのトン・スケルペンツェル以外のメンバーを一新してリリースされた2018年作「SEVENTEEN」ツアーからのライヴを収録した2枚組。収録は「SEVENTEEN」から7曲と、デビュー作の「SEE SEE THE SUN」「KAYAK」「ROYAL BED BOUNCER」「THE LAST ENCORE」「STARLIGHT DANCER」「PHANTOM OF THE NIGHT」「MERLIN」といった73年〜81年までの名作群から幅広く選曲され、 また、再活動後の2000年代の2作品「NIGHT VISION」「LETTERS FROM UTOPIA」からも選曲された全22曲。代表曲が並ぶが、新メンバーでのプレイによりハードなギター・ソロ等も取り入れた、原曲とは違ったアレンジを施した新鮮な印象でドラマチックに聴かせる。3面開き紙ジャケット仕様。サイトのみで販売された限定盤。
ME-1493 KAYAK / Out Of This World - Limited Digipack Edition CD \2600
 <3面開きデジパック仕様/限定盤> 3年振りとなる2021年新作。カヤックならはのエレガントなメロディを散りばめ、エモーショナルなギターや、リリカルなピアノ、オルガン、幻想的なシンセ、そして、ヴァイオリン&チェロによるストリングス・クァルテットをドラマチックに導入したクラシカルな美旋律にも耳を奪われる。キャッチーな曲からヨーロピアン叙情あふれる美曲までポテンシャルの高い曲が並ぶが、特に、カヤックの特徴を詰め込んだような9分を越える長尺曲「A WRITER'S TALE」は特筆。後期のメンバーだったドラマーと、前作ではゲストだったベーシストが加入しリズム陣も充実。5人編成となってよりパワー・アップしたシンフォニック・ロック作。
ME-1325 LEAP DAY / From The Days Of Deucalion - Chapter 1 CD \2500
 ジェネシスやマリリオンに接近したシンフォニック・ロックを聴かせる2013年作。元フランボロー・ヘッド、現トリオンのギタリスト、キャメル愛好の良作を05年にリリースしたキング・アイダーのキーボーディスト、さらに同じくキャメル愛好バンドでメロディアスな作品を残したナイス・ビーヴァーのベーシストら6人によるスピンオフ・スーパー・バンドだ。発起人は本作にも参加しているフランボロー・ヘッドのドラマー。似た境遇のトリオン同様に音楽性は叙情を軸に確立されているが、こちらはガブリエル調のヴォーカルが特徴で、甘美で繊細なギター、ファンタジックなツイン・キーボードをフィーチャーし、イマヌエル・ヴェリコフスキーの天体奇説著書をテーマに、壮大な幻想性を交え、クラシカルなオーケストレーションも堂々と配し見事なスケールで展開していく。3面開きデジパック。
ME-1383 LEAP DAY / From The Days Of Deucalion - Chapter 2 CD \2700
 傑作を予感させるオープニングで壮大に幕を開けるオランダきってのスーパー・グループの2015年作。続く2曲目は甘美に泣く、という手本中の手本。フランボロー・ヘッド、トリオン、キング・アイダー、ナイス・ビーヴァーらのメンバーが集結したバンドで、キャメル、ジェネシス、マリリオン愛にカヤックのエレガントなクラシカルさまで混ざった期待通りの作品だ。曲想が豊かになり、アレンジの幅も広がり、かつファンタジックな統一性を欠かさないというシンフォニック・ロック・アドヴェンチャーが展開される。終盤8曲目からラスト9曲目はキャメル・ファン悶絶! 叙情の嵐。3面開きデジパック。
ME-1447 LEAP DAY / Timelapse CD \2500
 FLAMBOROUGH HEAD、TRION、NICE BEAVERらのメンバーが集結したバンドの2018年作。10周年記念盤として新曲&未発表3曲、オルタ&NEWヴァージョン3曲、16年ライヴ1曲から成る初出&初CD化音源で構成。ファン垂涎の内容と言え、新境地を見せる新曲に加え、例えば4曲目は11年のProgNLに収録されていたナンバーのダウンロードのみだった英語ヴァージョン、6曲目はタイトルのみデビュー・アルバムに使用されたデビュー以前の幻の名曲で10年の時を経て遂に公式に日の目を見た。一音一音が大切に奏でられるキャメル風味にオランダならではユーロ憧憬が織り成す。泣きのお手本のようなラストのスライドギター。最後の最後まで音楽家の思いが優しく宿っている。3面開きデジパック。
ME-1502 LEAP DAY / Treehouse CD \2500
 ジェネシスとカヤックをミックスしたようなオープニング・ナンバーで一気に魅せられる2022年作。6年振りのスタジオ作でヴォーカリストが代っているもののガブリエル・スタイルは受け継がれており、ツイン・キーボードを配した優麗さとEDDIE MULDERのギターを存分にフィーチャーし、痛快かつドラマチックに展開。遠く想いをはせるような哀愁があり、かつ暗すぎない色合いがロマンチックで、シンセなどメロディを美しく紡ぐ作曲重視の作風に甘美さが売りのギターも時に技巧的に切り込み、オルガンやクラヴィのテクニカルさが映え、見事なバランスの曲想を見せる。リリカルなピアノにメロトロンが重なり切々と歌われるラストは改めて本バンドの曲の良さを感じさせる名曲となっている。スライド&ギターソロがたまりません。最高! 3面開きデジパック。
ME-1398 LETHE / Same CD \2600
 傑作必聴シンフォが奇跡の初CD化。珠玉の叙情と繊細な構築美がミックスされた驚きの81年作。オーボエ、フルート、ピアノ、アコギらによる室内楽で幕を開けるも、2曲目の途中でジャージィなドラムスと共に一変。ガラス細工の如くアンサンブルが紡ぎ出され、哀愁に染まった高揚感でテクニカルに畳み掛けられていく。後半も軽めの導入部から目眩く胸を打つ美メロが織り成し感動のため息。キャメルやフィンチの例に並べて、ぜひFLAIRCKを加えたい。ずばり、国内盤紙ジャケ・クラス。あのMIRRORのメンバーが結成したバンドだ。リマスター。
ME-1407 MARAKESH / Same CD \2600
 初CD化。<幻の名盤叢書 プログレッシヴ・ロック本掲載> 76年にマイナー・レーベルからリリースされたシンフォニック・ジャズ・ロックで彼らの唯一の作品。キャメル・タイプかと思わせるイントロに期待が高まり、ヴォーカルやコーラスなど正にオランダならでは哀愁で迫ってくるが、主体はインスト・パートで、メロディアスなオルガンやソリーナ系にギターがフレーズを織り込み、SUPERSISTERにも一時在籍した管楽器奏者によるソプラノ・サックスがヨーロッパの郷愁を紡ぐ。テクニックで押すタイプではないがメロディ重視に好感。リマスター。
ME-1384 MIRROR / Daybreak CD \2600
 初CD化。コレクターの間では激レアで有名な正統派シンフォの76年唯一作。女性キーボーディストを含む5人編成で、サックスやフルートもフィーチャーし繰り広げられるサウンドは自主制作然としながらもドラムスなど締りがあり、緩急を付けた展開やメロディアスさなど、愛聴に値する。時にフォーカスを思わせる甘美な泣きは正にオランダだ。インスト中心だが女性キーボーディストが少し歌っており可憐な華を添えている。メンバーの内数人は後にLETHEを結成し、81年にこちらも激レアなシンフォ作をリリースしている。リマスター。
ME-1522 PETER SWART / Migration CD \3300
 70年代のシンフォニック・ロックから多大な影響を受けていると語るマルチ・ミュージシャンの2024年作。ハケットを思わせるアコギにストリングスなど幽玄なキーボードを配し、曲によってドラムスやパーカッションを加えたインスト作で、その幻想的な叙情が最大の魅力となっている。フルートやクラリネットなどの管楽器音源やチェロ系にリリカルなピアノも交え、美しく透き通りながらも微睡む夢見が交差する世界観に浸れる心洗われるとてもファンタジックな作品だ。リズムにシンセが入ると泣きがキャメルのスノー・グースを思わせるところも。自由であり、時に自然の過酷さにさらされる渡り鳥の旅をテーマにしたコンセプト・アルバム。見開き紙ジャケット。
ME-1525 PHILHELMON / Into The Mist Of Time - Limited Edition CD \3300
 ドラマチックでプログレ然としたオープニングからスタートするコンセプト・アルバム。マルチ・プレイヤーのHENK BOLが中心となり、 国内外から多数のミュージシャンを集め、女性ヴォーカルも含む総勢20人にて繰り広げる、シンフォニック・ロック・プロジェクトの2024年新作3rd。キャッチーでモダンな作風となっているが、随所にエモーショナルなギターをフィーチャーしており、メロトロンも導入した3曲目、カヤック風メロディがオランダならではと言える8曲目、イタリア人キーボーディストALESSANDRO BERTONIのプレイも光る、禿山の一夜をイメージさせるような曲調と泣きを効かせた9曲目、そして10曲目ではオーケストレーションとフルートが美しい叙情を奏でる。2曲目でシンセ・ソロを披露するカヤックのTON SCHERPENZEEL、10曲目&11曲目でのピアノ、オーケストレーションを手掛けたFINCHのキーボーディストCLEEM DETERMEIJER、KNIGHT AREAのギタリストMARK BOGERTらが参加。3部作の最終章。3面開き紙ジャケット仕様。
ME-1180D RICK VAN DER LINDEN / An Ekseptional Trace DVD(NTSC) \3200
 ユーロ・プログレ・ファン必見! TRACEの77年のお宝ライヴ映像と、03年のEKSEPTIONのライヴを収録したDVD。どちらも未発ライヴで、TRACEは、メロトロン、ハモンド、山のように積まれたシンセ群に取り囲まれたRICK VANDER LINDENと、HANS JACOBSEのなんとツイン・キーボード! ギター&ベースはJAAP VAN EIK、そしてドラムスはIAN MOSLEYという4人での好演。TRACEの演奏曲は、KING'S BIRD、SCULPTURE BIRD、PATHETIQUE、SURRENDER、メドレー(CONFRONTATION〜PREACHER BIRD〜A MEMORY)。EKSEPTIONでは、RICK VAN DER LINDENの弾くパイプ・オルガン、ピアノ、ハモンドを中心に、女性ソプラノ・ヴォーカルも加えた、クラシックをモチーフにしたロック・アレンジをテクニカルに聴かせる。ボーナスとして73年のTOCCATA等も追加収録。全約60分。
ME-1408 SAGA / To Whom It Concerns CD \2600
 遂に初CD化! メロトロンをフィーチャーし、ジェネシスの影響も感じさせる叙情派シンフォを聴かせる79年作。十分にメジャー・クラスの出来だが、リリースが超ローカルだった為、このSAGA名義の唯一の作品はレアとなり埋もれてしまった。だが、02年に我が国にも多くのファンを持つシンフォ・バンドのUSとして復活。アコギの繊細さやヴォーカルのメロディアスさは確実にUSに引き継がれているが、本作ではUSに見られるポンプ色は無く、70年代のピュアなシンフォニック・ロックを水彩画のように描き出している。キャメル風味も。リマスター。
ME-1483 SCOPE / II CD \2500
 初CD化。メンバー・チェンジを経て75年にリリースされた2nd。ベーシストが抜け、マルチ奏者であるキーボーディストがベースをカヴァーする為、新たにジャズ・シーンから鍵盤奏者がもう一人加わった。結果、テクニカルなエレピとシンセがよりフィーチャーされ、ギターなどハードなエネルギッシュさを残しつつクリアーなサウンドへ少し変化した。叩きまくりのドラムスに乗り弾き倒されるキメやソロなど前作に通じるもより構築的になり、スタイリッシュなスパークを生み出している。中盤でのコンテンポラリーな叙情など新味を見せるも本作で惜しくも解散した。リマスター&デジパック。
ME-1189 SUPERSISTER / Present From Nancy CD \2500
 08年リマスター盤。70年リリースの1st。カンタベリーから触発された同世代のバンドで、マシーンのような変拍子のテクニカルなリズム・セクションに、フルート、エフェクティヴなオルガンをフィーチャーし、叙情性と攻撃的な曲調を交えプログレッシヴに展開。構築性が貫かれるも、サイケ色とハードなとんがりがあり、若さで突破してしまうエネルギーが火花を散らす。クラシカルというより、今聴くとポップに感じるコード進行やヴォーカルはオランダならでは。アルバム未収シングル4曲ボーナス入り。
ME-1190 SUPERSISTER / To The Highest Bidder CD \2500
 08年リマスター盤。小曲で構成されていたデビュー作から、全4曲と長尺な作曲を見せた71年リリースの2nd。10分超えの1曲目からそのレベルアップは明らかで、鮮やかなパート分けやコンテンポラリーなクラシカルさが見事。一転、甘くメロウに歌われる2曲目、ストイックさとサイケデリックさがテクニカルに同居し、さわやかでかつ翳りのある独特のカラーリングの3曲目など、バンドのスキルとポテンシャルは今も光る。本作収録曲のシングル・ヴァージョン2曲とアルバム未収シングル2曲のボーナス入り。
ME-1512 SUPERSISTER / Pudding En Gisteren CD \2500
 さらに曲作りが飛躍した72年リリースの3rd。20分超えのタイトル曲が素晴らしく、緻密なスコアにストイックに臨むテクニカルなキーボードと、柔らかなフルートの組み合わせがバンドの個性となり、非常に聴き応えのある演奏とシンフォニックに映るユートピアを展開。全体にイメージがシャープながらも、キャラヴァン風のハートフルなヴォーカル・ナンバーがあったり、アフター・クライングが持って行った4曲目のコンテンポラリーさなど、孤高の音楽性を再確認したい。
ME-1470 SUSTAIN / Same CD \2600
 初CD化。バンド名の通り、ギターの甘美でクリアーなトーンをキャメル風になびかせる78年作1st。あのSAGAや謎めいたジャケットのKRACQをリリースした超マイナー・レーベルからリリースされたレア・アイテムで、ストリングスやアープが奏でる叙情派シンフォにサックスやドラマーが持ち込むジャズ・ロック色をミックスさせ、時折、朗々としたヴォーカルも入る。ちょっと気取ったテクニカルさに軽やかで親しみやすいメロディアスさを交える中盤など如何にもオランダのバンドだ。結成は76年。2枚のアルバムを残すが本作に限る。リマスター。
ME-1499 TON SCHERPENZEEL (KAYAK) / Velvet Armour CD \2800
 カヤックのキーボーディストで中心人物トン・スケルペンツェルの2021年新作。彼のクラシック・ルーツを荘厳に描き出した作品となっており、カヤックに通じるメロディを取り入れた、中世ルネッサンス、バロック音楽を気品高く聴かせる。優雅なバロック調の生のストリングス・アンサンブルと、フレアークのANNET VISSERによるフルート&リコーダーを加え、重厚でドラマチックなオーケストレーションを取り入れた曲や、シンフォニック・ロック然とした曲、そして、カヤックの「MY HEART NEVER CHANGED」もクラシカルに新録。シンセ、ピアノ、そして本作では珍しく自身でヴォーカルも取っている。どの曲も細やかなアレンジが施され、名盤「マーリン」でも多用された中世音楽色を打ち出した美しいメロディが香り立つ。カヤック・ファン必聴作。見開き紙ジャケット仕様。
ME-1475 TRACE / Same CD \2500
 オランダ・シンフォの代表格といえるキーボード・トリオの、74年にリリースされた1stアルバム。バロックの名曲をベースにした純なクラシカル・ロックで、本作の良さは、メロトロンやシンセが、中部ヨーロッパならではのシンフォニックなロマンティシズムを醸し出す点にもある。ボーナス・トラック2曲(PROGRESS/TABU)は74年のアルバム未収シングル曲。
ME-1365 TRACE / The White Ladies CD \2800
 オランダ盤では初CD化。13曲の未発表曲(デモ)をボーナス・トラックとして追加収録。伝説にまつわるコンセプト・アルバムの大作となった、76年リリースの3rdアルバムにしてラスト作品。生のストリングス等を加え、より壮大でドラマチックな仕上がりとなっている。各曲のパートのテーマ・メロディーや、曲調変化がはっきりとしていて、物語りの流れと場面が目に浮かんでくるようだ。2014年リマスター盤。3面開きデジパック仕様。
ME-1311 TRION / Tortoise CD \2500
 名盤にもかかわらず、長らく廃盤で入手困難だった03年デビュー作が、デジパック&2曲ボーナス入りで待望の再リリースとなった。メロトロンにトリオをかけてバンド名とし、キャメル愛を詰め込み、フランボロー・ヘッドのキーボーディストとギタリストにオディッシスのドラマーが加わり結成。04年に発刊されたユーロ・プログレッシヴ・ロックで満点近くを獲得し、21世紀のプログレッシヴ・ロック100本でも大枠掲載されるなど、ライター陣からの評判も高い。ストリングス、フルート、コーラスはもちろん、オーボエ、オルガン、チェロ、ヴィブラフォンなど多彩なメロトロン・サウンドが全体を彩り、ジェネシス的でもありながら、スノー・グースを思わせる曲もあり、キャメル・ファンを泣かせる必聴作。COLOSSUS企画盤から2曲ボーナス入り。
ME-1515 TRION / Pilgrim CD \2700
 長らく廃盤で入手困難だった07年作2ndが、デジパック&2曲ボーナス入りで2023年新装リリース! フランボロー・ヘッドのキーボーディストとギタリストのEDDIE MULDERにドラマーが加わったトリオで、彼らもまたオランダのキャメル愛好バンドだ。深遠なメロトロンだけでなく、本作では英国調のハモンドも特徴で、淡いシンセやピアノもフィーチャーし、ナイロンや12弦などのアコギの儚い叙情性、そして、ラティマーに少々ハケットが混ざったような甘美なギターが歌う。繊細かつ優美な壮大さから落差のある、一音、二音程度しか鳴らない静寂なパートの極限美をぜひ味わいたい。ボーナス2曲入り。メロトロンにトリオをかけてバンド名にしている。デジパック。
ME-1312 TRION / Funfair Fantasy CD \2500
 これはもうシンフォニック・ロック・パラダイスと言える、メロトロン&キャメル・ファン待望の6年振りとなる2013年作3rd。最初はシンプルに感じるも、次から次へと甘美なメロディが綴られ、しかも、ストリングスやフルートなどメロトロンの最も美味しい音域やフレーズを知り尽くした手法で奏でられ、12弦で一息かと思えば、なつかしいコードでギターがロマンチックに泣き上げる。さらに、アルバムが進むにつれ桃源郷となり、ハモンド、ムーグ、チャーチ・オルガンも投入され、リッチな風格も見せる。アナログ・シンフォニックの極地、ファンタジー・ロックの鏡、3曲目を聴けば、誰しもそう思うはず。キャメル・ファン必聴!
ME-1516 US / One Thing Is The Thought CD \2950
 甘美な叙情派シンフォをハートフルに聴かせる2020年作。18年作以来の11作目で、ダウンロードのみだった。マルチプレイにドラマーと女性ヴォーカルを加えての録音で、31分越えと20分越えの長尺2曲による力作となっている。いつものシャッフル・リズムを軸に前面に出るベースとプログレッシヴで繊細なギターをフィーチャーし、シンセ、ピアノ、オルガン、ストリングスなどキーボードが美しく彩る。速いストロークのアコギも彼ららしい。曲中での変化が鮮やかで、ジェネシスの手法を思わせるつなぎ合せなど整合感もいいが、本作では後半ダークで深みのある展開を見せ、全体の透明感と上手くメリハリを付けている。ナチュラルに浮かび上がる童話的な優しい視覚も健在だ。自主盤CDR。

〓[BELGIUM]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ME-2076 ABRAXIS / Same CD \2600
 初CD化。COSのキーボーディストとベーシストと管楽器奏者、そしてWATERLOOとESPERANTOを経たドラマーらが結成したカンタベリー系ジャズ・ロック・バンドの77年唯一作。華麗なフルートに加え、ピアノを核としシンセも織り交ぜたキーボード、さらに、フィル・ミラーを思わせるギターを絡めながら、GILGAMESHにも通じる軽やかながらも密度が高い演奏を繰り広げている。たしかに、澄んだ美しい透明感はCOSに通じ、パートによってはピアノとフルートのみで聴かせてしまう。ラストはクラシカルなアンサンブルも見せる。リマスター。
ME-2093 ALAIN BURO / Fume C'est Du Belge CD \2600
 初CD化。シンガーでマルチ・ミュージシャンが75年にリリースした唯一作で、フランス語のムーディ・ブルースのような作風で聴かせるメロディアスな作品。ギター、ピアノ、オルガン、フルートなど夢想を伴ったプログレ色があり、曲は意外に構築的で、アンジュとまでは行かないがフレンチ・シアトリカル・シンフォの類で括っても問題ない隠れた名作と言えるだろう。当時、どのくらい売れたのか分からないがポップな要素もあり全体に曲が良く出来ており、後半も続くリリカルなロマンチックさはベルギーならでは。リマスター。
ME-2071 COS / Swiss Chalet CD \2500
 初CD化。MAGMA、ZAO等のフレンチ・ジャズ・ロック・シーンから影響を受けたベルギーの知性派バンドが、名盤「BABEL」の翌年79年にリリースした4thアルバム。本作は、リーダーの奇才DANIEL SCHELLによって書かれた小説を基に、緻密な台本を用い制作されたコンセプト・アルバムで、彼による最初のロック・オペラ作品となった重要作。アフリカ音楽からの影響を加え、他のアルバムとは異なった趣を持ち、ポップ、レゲエ、ポストパンク、ニューウェイヴも混在したカラフルな印象。また、女性ヴォーカリストPASCALE SONもぶっ飛んだ存在感を示している。ボーナスとして、ライヴ音源3曲を追加収録。
ME-2001 ISOPODA / Acrostichon CD \2500
 明らかにYES影響下の曲構成とアレンジで聴かせる叙情派シンフォ。78年リリースの1st。この年代にリリースされた叙情派シンフォの中ではかなり良質な作品であり、LP廃盤時代から人気のあった1枚。哀愁を帯びたフルートも好ポイント。ボーナス1曲入り。こちらは、76年録音でコンピ・アルバムに収録されていた彼らの初レコーディングのもの。
ME-2072 ISOPODA / Taking Root CD \2500
 長らく廃盤で入手困難だった81年リリースの2ndが再プレス! 現在ベーシストは息子らと共に6人編成のバンド、FOSSIL EVOLUTIONを結成。2014年にデビュー作「WORLD IN MOTION」をリリースし、ヨーロピアン・シンフォ・ファンに好評を得ている。さて本作。イエスの影響が窺える構築的なサウンドと中盤などキャメル的な叙情も交えた作風で、押さえの効いたギターにハモンドやシンセがシンフォニックに絡む、70年代の質感を色濃く残したものだ。ボーナスで1stとの間にリリースされたシングルから両面2曲が収録されており、特にA面のナンバーはアルバム曲に負けないメロディアスな佳曲。
ME-2062 LAURELIE / Same CD \2500
 初CD化。70年にマイナー・レーベルからリリースされたレア・プログレッシヴ・ロック・アルバムで、フルートやアコギをリリカルに織り込んだメロディアスなサウンドが特徴。ギターのハード味や凝ったテクニカルな曲調など、この年代にしては感覚優先のアートロックから抜け出ており、ストリングス・オケの導入やクラシカルなハモンドなどクレシダやジャクソン・ハイツにも近く、かなり付き合える内容だ。旧B面は組曲になっており、コーラスやチェレスタなど細やかな仕掛けを伴って最後まで飽きさせない。リマスター。
ME-2059 MACHIAVEL / Jester CD \2500
 2010年英国リマスター盤。ベルギー最大のロック・バンドの77年リリースの2nd。日本人が聴いて分かりやすく、ヨーロッパのクラシカルな哀愁を強く感じるバンドのひとつだ。そういった意味ではフランスのタイ・フォンとも似ている。ハードロックがベースにあるものの、ムーグ、ソリーナ、ピアノ、メロトロンなどキーボードが終始ミスティックに使われ、ミドルテンポの多い本作はどこか女性的な魅力を持つ。シンフォニックさで取るなら次作よりこちら。2曲のボーナスは以前のCDと同じで74年録音のアーカイヴ。
ME-2060 MACHIAVEL / Mechanical Moonbeams CD \2500
 2010年英国リマスター盤。ベルギー最大のロック・バンドの、ゴールド・ディスクに輝いた78年リリースの3rd。彼らの代表作であり必聴作である。メロディーを磨き、リズムを鍛え、シンフォニック・ロックの叙情性とパワフルでキャッチーなノリを合体させ、メロトロンを含む多彩なキーボード、重要なパートを占める巧みなギター、メロディアスなヴォーカル、畳み掛けるリズム、暮れなずむヨーロッパが目に浮かぶ哀愁感、など、どれを取っても文句なし。メロトロンでのリフという荒業も痛快。2曲のボーナスは以前のCDと同じ。
ME-2087 MACHIAVEL / Early Years 3CD \3200
 1st、JESTER、MECHANICAL MOONBEAMSの初期3枚全曲に、アルバム収録曲の96年と2016年の未発表ライヴからボーナスとして計7曲加えた、本国ベルギー・ワーナーからのリマスター盤3枚組。シンフォニック・ロックの名作として知られる初期3枚、中でもMECHANICAL MOONBEAMSは完ペキな傑作だ。また、注目はボーナスの内、40周年記念として行われていたオーケストラをフィーチャーした16年のツアーから4曲収録されており、1stのクラシカルな曲や3rdのシンフォニックなハイライト・ナンバーがオケ入りで演奏されている。4面開きデジパック。
ME-2094 MAGENTA / Same CD \2600
 初CD化。中部ヨーロッパならではのメルヘンチックな叙情を聴かせる74年作。プロコル・ハルムを思わせるハモンドをフィーチャーし、オランダ語で歌われるので、雰囲気的にフランスのIRISあたりも思わせる儚くもロマンチックな哀愁が漂い、古き良き欧州の憧憬へ誘われていく。曲によってはハードなギターも配され、レスリーも歪を増し、ヘヴィな質感も見せるが、アコギやピアノを配したメロディアスな曲想が中心となっている。ラストはクラシカルなオルガン・プログレッシヴ・ロックでベガーズ・オペラのよう。リマスター。
ME-2096 MINDGAMES / Spirals In The Wider Space CD \3800
 ジェネシスの影響を中部ヨーロッパの叙情と翳りへ落とし込んでいったシンフォ・バンドの9年振りとなる2024年作。フロイドや自国のマキャヴェルの影響も感じさせ、キャッチーさと幽幻さが交じり、エモーショナルだがベタつかず、でも、センチメンタルさが郷愁となって広がっていく。本作ではギタリストがスリリングなプレイをアクセントにし、かつアコギをメルヘンチックに配し、メロトロン系やフルートも織り交ぜた独特の構築の進化を見せる。ピアノで切々とバラードを歌い上げるなど中盤の懐の深さにもマキャヴェルを思わせるものがあり、アルバムをひとつの物語として練り上げ、雄大なドラマが解放されるようなラストまでじっくりと聴かせる力作となっている。3面開きデジパック自主盤。
ME-2088J RAYMOND VINCENT / Metronomics CD \3450
 「レイモンド・ヴィンセント / メトロノミクス」 ESPERANTOのヴァイオリニストである彼がWALLACE COLLECTIONとESPERANTOの間にフランスに渡り72年に録音した作品。フランスではバスク・リキュールの特典用プロモのみ、イタリアではMAXOPHONEをリリースしたPRODUTTORIASSOCIATIからリリースされていた。オルガンなどキーボーディストも加わったバンドで録音されヴォーカルも入り曲のタイプは様々だが、彼のヴァイオリンをメインに、ESPERANTOを思わせる攻撃的でエキセントリックなナンバーや、NEW TROLLSのアダージョ風クラシカルな泣きのナンバーまで力の入った出来。67年のSTRADIVARIUS名義のシングルからクラシカル・ロックの2曲ボーナス入り。解説付。リキュール宣伝内袋再現。SHM-CDリマスター&紙ジャケット。国内盤
ME-2095 RECREATION / Music Or Not Music CD \2500
 クラシカルなピアノやレスリーが効いたハモンドをプログレ然とフィーチャーする、キーボード、ギター(&ベース)、ドラムスのトリオによる72年作2nd。ファズ系のディストーションを効果的に配しており、中部ヨーロッパらしいクラシカル・ロック的なサウンドに、サイケデリックな闇の幻想が繰り返される夢のように交差。小曲をつなぎ合わせたシアトリカルなインスト・アルバム構成にて、効果音も交えながら全体に1曲のようなトータルな作風で進行していく。ベルギー産らしい象徴派でもあり、壊れたトレースのようでもあり、途中ジャズ・ロックも織り交ぜた独自のサウンドを生み出している。終盤のコラージュは反戦のメッセージだったと思われる。オフィシャル初CD化。デジパック。
ME-2080 WOMEGA / A Quick Step CD \2600
 初CD化。ドラマチックにメロトロンも導入し、中部ヨーロッパらしいメロディアスでハイブリッドなプログレッシヴ・ロックを聴かせる75年作。彼らの唯一のアルバムだ。フルートを始め管楽器をフィーチャーし、キャラヴァン、フロイド、カンタベリー・ジャズ・ロック、さらには中世音楽まで範疇としており、英語で歌われるそのサウンドは英国プログレの影響を感じ取れるもので、実に良く出来ている。JACKSON HEIGHTS、JONESY、CAPABILITY BROWNといったバンドが思い浮かぶのでは。リマスター。

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ME-3529 ACINTYA / La Cite Des Dieux Oublies CD \2500
 78年にリリースされたフレンチ・シンフォ唯一作が遂に初CD化。キーボーディストが率いる、ヴァイオリニスト(&ギター)、ドラムス、ベースの4人編成のバンドで、シンセを駆使し、ピアノ、オルガン、そして、エキセントリックなプレイを見せるエレクトリック&アコースティック・ヴァイオリンを大幅にフィーチャーしたインスト・サウンドを聴かせる。クラシカルなタッチで泣かせるヴァイオリンと、ピアノ・ソロも含み、荘厳なチャーチ・オルガンを導入し怒涛の展開を見せる、レコードB面全てを費やした20分近いクラシカル・ロックなど、3曲で構成された大作志向のアルバム。フレンチ・ロックらしい夢想感もあり、WAPASSOU辺りを思い出させるところも。ボーナス・トラックとして、アルバム・リリース以前の76年レア音源2曲を追加。
ME-3734 ALAIN MARKUSFELD / Le Son Tombe Du Ciel CD \2600
 初CD化。あのLAURENT THIBAULTがピアノで参加し、プロデュースも担当している71年作2nd。その後のEGGレーベルの作品で知られるギタリストだが、多重メインだったEGGレーベルの作品とは違い、まずバンドで録音されており、本人のヴォーカルも入る。曲によってはヘヴィな質感もあり、そして、なんと言ってもフランス然とした夢想が漂う作風はLAURENT THIBAULTにも通じ、甘いサイケデリックなギターが弾き込まれる。ヒッピー主義も感じさせるも、他のアーティストには無い独自のカラーがあり、ある意味、気高い芸術性が宿っている。リマスター。
ME-3710 ALPHA DU CENTAURE / Contact CD \2600
 初CD化。激レアで知られ挑戦的なジャズ・ロック・プログレを聴かせるトリオの79年唯一作。クリムゾンの影響も感じさせる邪悪なギター、太く攻撃的でボウイング・プレイも交える技巧派のウッドベース、的確にバンドをまとめていくストイックなドラムスが緩急を付けながらピリピリとしたインプロを展開。フュージョン色は皆無で、鋭いディストーションで搾り出すように暴れるギターと低域から高域まで激しく動き回るベースがコンタクトを取りながら唸る進行をしていく。孤高の質感はフレンチ・プログレならではだろう。リマスター。
ME-3654 ALPHA RALPHA / Same CD \2600
 遂に初CD化! タイ・フォンのオリジナル・キーボーディストが在籍し、ジャン・ジャック・ゴールドマンを始めタイ・フォンのメンバーがほぼ丸ごとゲスト参加している77年作。ギターで畳み掛けるオープニングなどタイ・フォンのウィンドウズを思わせるが、コーラスはカーンとタイらによるもので、もう、タイ・フォンのあの甘美で荘厳な世界。5人編成のバンドによる哀愁に彩られたインスト志向のシンフォで、フランソワ・ブレアンも数曲でアープを弾いており、また、ヴァイオリンもアクセントとなっている。再発が待ちに待ち望まれた叙情派ファン必聴名作。リマスター。
ME-3517 ANDRE BALZER / Entre L'Alpha Et L'Omega - Opus Un CD \2500
 ATOLLの伝説のヴォーカリスト、ANDRE BALZERである。彼の歌唱力なしにロック・パズルは完成しなかったと断言出来る。そんな彼が復活し、サード期のメンバーでATOLLが再編ライヴを行うという話を聴いた時には本当に驚いた。今や日本のユーロ・ロック・ファンに最も神格化されたバンドだ。本CDはそんな大事件を裏付けるかのように彼がリリースした2011年ソロ作で、なんとATOLLのサード収録B1のセルフ・カヴァーもラストに収められている。シンプルなアレンジだが曲調は変わらず、さらに驚嘆があのハイトーンにも衰えが無い、ということだ。アルバムには20人近いミュージシャンが参加しており、彼のヴォーカルをフランスのエスプリが効いたバツグンの演奏で盛り立てている。EMMANUEL BOOZにも通じる圧巻の存在感。ATOLLが頭の中で甦り、泣きます。
ME-3808 ANGE / Le Cimetiere Des Arlequins CD \3800
 <2024リマスター&見開き紙ジャケット・フランス盤+4つ折りポスター&復刻ワッペン封入> 今聴くと、とてもサイケデリックな世界へ誘われる73年リリースの2nd。彼らのスタイルが見えてきたアルバムで、荒削りだが力強く、異様な響きで圧倒するオルガンやヘヴィなギターをバックにハードに歌い上げるナンバーと、アコギやフルートを交えた風変わりなフォーク・タッチのナンバーが混在しており、また、沈み込むようなリヴァーブ処理により、まるで異次元から聞えてくる幻想的なロック交響曲のような印象を受ける。妖しさと激しさが織り成す超力作だ。内ジャケ等のアートワークはオリジナル・フィルムから再構成されており、ファン必携のコレクターズ品となっている。
ME-3809 ANGE / Au-Dela Du Delire CD \3800
 <2024リマスター&見開き紙ジャケット・フランス盤+4つ折りポスター封入> 74年リリースの3rd。ユーロ・ロック史上で語り継がれる傑作であり、次作のEMILE JACOTEYと、その次のPAR LES FILS DE MANDRINの3枚はどれも屈指の必聴作と言えるが、そのスタイルを本作で決定付けている。アルバムを劇場化させ、アイロニーと空想的なコンセプトを意味深なヴォーカルや独特のメロトロンを配し、複雑な場面展開でリリカルかつヘヴィに聴かせる。そのシアトリカルなシンフォニック・ロックは後のフランスのシーンに多大な影響を与えた。内ジャケのアートワークは原盤のインサート素材らのオリジナル・フィルムからデザインされており、ファン必携のコレクターズ品となっている。
ME-3814 ANGE / Emile Jacotey CD \3980
 <2024リマスター&見開き紙ジャケット・フランス盤+4つ折りポスター封入> 75年リリースの4th。前作AU-DELA DU DELIREでのトータル性をさらに押し進めた内容で、絵本をめくっていくかのような仕掛けになっており、もはやジェネシスを越え、違う次元のシアトリカル・シンフォニック・ロックを確立。フランス的にデフォルメされた非現実的なファンタジーが現実味を帯びて迫り、呑み込まれていく。前作と並ぶ必聴作。手に入れたレコードを夜な夜な聴き込んだことを懐かしく思い出す。幻想的なメロトロンの深みも底知れない。内ジャケ等のアートワークはオリジナル・フィルムから再構成されており、ファン必携のコレクターズ品となっている。
ME-3649 ANGE / Vu D'Un Chien CD \2500
 リマスター&紙ジャケット・フランス盤。80年リリース。クリスチャン・デカンが新ノア記と並び出来を評価していると当時コメント。新任のギタリストがもたらしたハードでソリッドなサウンドが新たなパースペクティヴを生み出しており、ドラマチックな重厚感にメロディックなノリが加わった。かつ、バラードも幻想的で美しい。フランシス・デカンもオルガンの他にポリシンセやピアノをスタイリッシュに用い、時代が変わった様相を反映させている。70年代に無かった魅力を引き出したインパクトの強い必聴作。
ME-3766 ANGIPATCH / Vie CD \2500
 待望の初CD化。フランスならではの翳りと叙情を湛えたフレンチ・シンフォの名作のひとつで、80年に自主リリースされた激レア盤。切々とフランス語で歌われ、柔らかで儚いシンセがメロディアスに奏でられ、少しハードなギターも加わり、タイトなリズム・セクションが効いた哀愁のファンタジーを聴かせる垂涎の内容だ。ジェネシスの影響を感じさせるも鳴り続けるオルガンやストリングスの湿った幻想感はヨーロピアン・シンフォ独特の香りに満ちており、トータルに優れている。76年のシングル、収録曲のインスト・ヴァージョン、クラシカルな未発表曲(デモながら良い!)のボーナス4曲入り。
ME-3780 ANGIPATCH / Delirium CD \2500
 初CD化。ヨーロピアン・シンフォ独特の香りに満ちた名作「Vie」に続き81年に自主リリースされた2作目。儚さを秘めたフランス語で歌われるこの年代ならではのシアトリカルな展開を見せるフレンチ・シンフォとなっており、ファンタジックなシンセと線の細いのギターが幻想色を交えた夢想を描いていく。柔らかな淡さが散らばり、もやもやとしたストリングスはアンジュに似ているが、5曲目あたりはモナリザを思わせるシュールな光景が連なる。一方でプログラミングを使ったポップなキャッチーさも持っており、英国ポンプとは違った方向を模索している。今改めて聴くと前作よりも良いと感じる方も多いだろう。82年のシングルを始め、ミックス違い、ロング・ヴァージョン、83年のデモ、さらにチェロをフィーチャーした2000年録音など6曲ボーナス入り。
ME-3759 ARC / Maquette CD \2600
 待望の初CD化。フランス語で歌われるフレンチ・シンフォの正統派の名作。当時500枚限定で80年にリリースされた激レア作。いわるゆアンジュ、モナ・リザ路線を少しスマートにし、エレピなどジャズ・ロック色も交えたサウンドで、シアトリカルなヴォーカルにギターとキーボードがバランス良く配され、スタイリッシュさと伝統が両立している。4曲目あたりのファンタジックさはヨーロピアン・シンフォならでは。彼らの唯一のアルバムだが、75年に作品をリリースしたTROUBLESの4人に新たにヴォーカリストが加わった形で編成。リマスター。
ME-3715 ARTCANE / Odyssee CD \2500
 <ボーナス入りデジパック2018年盤> アトールがサードを発表したフレンチ・プログレ黄金期77年にメジャーのPHILIPSからリリースされた彼らの唯一のアルバム。ギターなど戦慄期クリムゾンの影響を強く受けながらも、物悲しいフランス語のヴォーカルやピュルサーにも似た幻想的で浮遊感のあるシンセを配し、アコギやピアノも絡め、テーマ的なフレーズを全体に散りばめるなどトータル性を持たせた作品だ。シャイロックと並ぶクリムゾン・フランセーズといったところだが、シリアスで硬派な部分に神秘的なシンフォニック性が融合したサウンドは創造的で力強く美しい。76年のライヴ・ボーナス入り。
ME-3634 ASGARD / Tradition & Renouveau CD \2700
 78年にワーナーからリリースされたフレンチ・プログレッシヴ・フォークの名盤2nd。先ずはこのキーフのようなジャケットに惹かれるが、まさに幻想と哀愁に彩られた世界が広がる内容もそれに負けてはいない。メロトロンとアープでドラマチックに幕を閉じる6曲目、そして、中世フランスの詩人フランソワ・ヴィヨンをテーマにした7曲目でもメロトロン、フルートが導入されたミステリアスな趣で、これぞフレンチ・シンフォという圧巻のサウンドを聴かせる。アコギとフルートで繊細に綴られる8曲目を経て、そして、9曲目での胸に迫る悲哀感に涙する。隠れたメロトロン・アイテム! 2015年版。デジパック仕様。
ME-3795 ASIA MINOR / Crossing The Line CD \2800
 79年リリースの1st。パリに住む2人のトルコ人学生によって結成されたバンドで、同年にアルバムをリリースしたシンフォ・バンドのGRIMEのキーボーディストらフランス人メンバーが加わっている。フルートをフィーチャーし、フランスらしい詩情あふれる曲調からサウンドは変拍子と共にエネルギッシュに七変化していく。エフェクターの効いた湿ったギターはフランスらしさを感じさせるが、英語の他にトルコ語で2曲歌われており、本作に神秘的なエキゾチシズムを感じる所以だろう。2022年リマスター&見開き紙ジャケット。
ME-3796 ASIA MINOR / Between Flesh And Divine CD \2800
 80年代を代表するフレンチ・シンフォの傑作80年リリースの2nd。特に1曲目は屈指の出来で、この1曲がこのバンドのイメージを決定付けてしまうほど。パリに住む 2 人のトルコ人学生によって結成されたバンドで、ロマンチックなキーボードやフルートはキャメルを思わせつつPULSARにも通じる湿地帯のような茂みがあって、英詞ながらフランス特有の幽玄さを見せる。儚く歌い綴るメロウなパートとタイトさを増したテクニカルなパートを曲中に展開させ、演奏や曲想が見事に飛躍。2022年リマスター&見開き紙ジャケット。
ME-3765 ASIA MINOR / Points Of Libration CD \2800
 傑作! クリムゾンの嘆きとキャメルの甘美さをミックスさせたような叙情派シンフォ・ファン必聴の出来となった2020年作。70年代にトルコで結成され、その後フランスに移住し、フレンチ・ミュージシャンが加わり他のヨーロピアン・シンフォにはない翳りと儚さを纏う2作をリリースした彼らの40年振りの3作目だ。オリジナル・メンバーのフルートとギター、そして、幽玄なヴォーカルを軸にオルガンやシンセなどキーボードと曲想に的確に対応しメリハリを付けるリズム・セクションのバランスが見事に整っており、ひたすら曲の良さ、メロディの良さを聴かせる作風となっている。見開き紙ジャケット欧州盤。
ME-3017 ATOLL / Musiciens Magiciens CD \2500
 74年リリースの1st。日本でのユーロピアン・プログレの火付け役となった次作L'ARAIGNEE-MALの印象からすると、落ちてしまうが、次作や3rdのTERTIOは別格で、もし、本作が単発だったらその評価は違ってくると思う。ANGEとはまた別次元の空想的なイマジネーションがエキゾチック。未発表曲2曲を含むライヴ4曲のボーナス・トラック入り。
ME-3019 ATOLL / Tertio CD \2500
 個人的にユーロピアン・ロックにハマリだした頃にリリースされた3rd。初めて聴いた時の衝撃を思い出す。フランス的リリシズムと、完ペキなテクニックから生み出されるクリスタルのような至高のシンフォニック・サウンド。ドラマチック以外に何物でもない。当時はまだ、シンフォニック・ロックっていう言葉は使われていなかったが、とにかくその音の洪水を全身で浴びていた。77年リリース。
ME-3020 ATOLL / Rock Puzzle CD \2500
 聴き狂った前作だっただけに、最初はちょっとポップかなぁ、と思った80年リリースの4th。でも、即、そのカッコよさにぞっこん。生の管弦楽が入っており、派手な曲では粋に、静かな曲では泣きに使用。現在のCDはボーナス・トラック6曲入りで、うち3曲は当時噂されていたジョン・ウェットン加入のスタジオ・デモ2曲。これは、当時のATOLLの新曲で詞は英語。もう1曲は後にASIAの1stに収録される曲!
ME-3789 AUDIO'M / Same CD \2850
 2016年デビュー作。女性ヴォーカル、ツイン・キーボード、ツイン・ギターに、リズム陣、フルート、ヴィオラ・ダ・ガンバも加えた9人組。クラシカルなパートを織り込んだ凝ったアレンジが特徴的で、オルガンや、メロトロン系の音色も取り入れたヴィンテージ感のあるキーボード・プレイと、優美なギターをフィーチャーし、重厚なサウンドでドラマチックに聴かせ、シンフォニック・ロックの王道を行く。また、翳りを帯びたファンタジックな叙情美も持ち合わせており、メロディ・ラインにジェネシスの影響が見え隠れする場面も。デビュー作とは思えない堂々の傑作。英語。自主盤。
ME-3790 AUDIO'M / Godzilla CD \2850
 フランスの正統派シンフォ・バンドの6年振りとなる2022年新作2nd。メロトロンをフィーチャーした、ダークでテクニカルなシンフォニック・ロック作で、エモーショナルなギターや、ヘヴィな弾き込みのベース、ヴィンテージ感のあるキーボードをフィーチャーし、クラシカルなパートも織り込んだ、ドラマチックで凝ったアレンジで聴かせる。ジェネシスや、イエスの影響を感じさせながらも、フランスならではの美しい翳りに満たされており、彼らのオリジナリティを増幅させている。また、情感豊かな女性ヴォーカリストの存在も大。本作は3部構成の大作「GAIA」の第1部「GODZILLA」で、43分1曲で構成されたコンセプト・アルバムとなっている。必聴の傑作。3面開きデジパック仕様。自主盤。
ME-3800 BAHAMAS / Le Voyageur Immobile CD \2950
 初CD化。フランスらしいロマンと儚さが香る76年作。ギター、キーボード、リズム・セクションのスタジオ・ミュージシャン4人による唯一作で、フランス語によるメロウなヴォーカルをフィーチャーし、ポップな面を見せながらも、クラシカルな1曲目を始め、ラストのようなドラマチックなシンフォを聴かせる好作だ。レスリーを通したギターの弾き込みやスティール・ギターも特徴で、ピアノ、シンセ、オルガンと粋なアンサンブルを編み出している。キーボーディストはフランスの俳優本業のシンガー、GILLES JANEYRANDが75年にリリースした知る人ぞ知る名作の全作曲とキーボードを担当している。レーベルメイトのジャン・ミッシェル・ジャールとの共作のボーナス2曲入り。リマスター。
ME-3022 CARPE DIEM / En Regardant Passer Le Lemps CD \2500
 75年リリースの1st。サックスをメインにしたフランス特有の浮遊感のあるメロディアスなジャズ・ロック。ナイーヴな感性を滲ませる繊細さと、つかみどころのない曲想が彼らの魅力といえる。見開きオリジナルLPのアートワークは本作の音を語る上で重要な逸品であった。懐古趣味と切って離せない魅力を持った名作。
ME-3023 CARPE DIEM / Cueille Le Jour CD \2500
 76年リリースの2nd。線の細いギターと、浮遊感のあるサックス、フルート、キーボードは前作をコンパクトにした感じ。全体を暗めのメロディーとトーンで統一された、いかにもフランス的な陰の音楽。ジャズ・ロック的だが、ヴォーカルは詩情を絶やさない。CDはオリジナルLPとA/Bが逆。ボーナス・トラック入り。
ME-3760 CATASTROPHE / High Dynamic CD \2600
 初CD化。82年リリースのジャズ・ロック作で彼らの唯一作。ギター、サックス、ベース、ドラムスの4人編成にてエネルギッシュなサウンドを展開。変拍子を導入し、ハードに時に太く目まぐるしく動くベースと手数が猛烈に増していくドラムスのグルーヴにはフレンチ然とした熱いうねりがある反面、クールダウンも上手く、効果的に用いられるアルペジオにはマハヴィシュヌの影響を感じさせるも、地中海の様相も漂わせる場面もあり、どこかスペインのCOMPANYIA ELECTRICA DHARMAを彷彿させるノリも。ラストの追い込みは圧巻だ。リマスター。
ME-3725 CHUTE LIBRE / Same CD \2500
 初CD化。EMIから77年にリリースされたジャズ・ロック・バンドの1st。ギター、キーボード、リズム・セクションにフルートとサックスの管楽器奏者を3人加えた7人編成にて、がっちりと引き締まったサウンドを聴かせる好作だ。リリカルなフルートがポイントとなっており、テクニカルなエレピ、オルガン、ムーグにロック寄りのギターが絡み、華やかなブラス・アンサンブルが添えられる。ビシバシと決まるドラムスとうねるベースの重さがフランス的でプログレッシヴな印象を残す。リマスター。
ME-3739 CHUTE LIBRE / Ali Baba CD \2500
 初CD化。テクニカルな演奏にヨーロッパならではの地中海風味が溶け込むジャズ・ロックを聴かせる78年作2nd。フルート、サックス、トロンボーンらの管楽器にチェロも配された芳醇なアレンジを見せており、フレンチ然とした太いベースや攻めのドラムス、白熱するギター、ピアノやシンセにハモンドやクラヴィも絡めるキーボードなどサウンドは厚く華やか。アヴァンな質感を持たずにスピーディに流れる様はスペインのバンドにも近く、フルートがリリカルに配されストリングスが美しい3曲目などファンタジックな広がりも感じさせる好作となっている。リマスター。
ME-3616 LA CONFRERIE DES FOUS / Same CD \2600
 初CD化。マリコルヌのヴァイオリンでマルチ・プレイヤーのLAURENT VERCAMBREが、ギター&管奏者のバンドメイトや、MALTIN CIRCUSのドラマー、リード・ヴォーカルも取る可憐な女性ヴォーカリストEMMANUELLE PARRENINらを迎え、RIPAILLEやLAURENT THIBAULTでも知られる、BALLON NOIR LABELから78年にリリースした、プログレッシヴ・フォーク・ロックの唯一作。人々が仮装して集う中世の狂気じみた宴をテーマにした劇的なコンセプト・アルバムで、スリリングなストリングス・セクションはフレアークを連想させるところもあり、また、フランス語のヴォーカルと妖しげな女性スキャットが舞うと、まさにフレンチ・ロック然とした様相となる。コーラスを加えたマリコルヌ的な中世トラッドも織り込み、また、変拍子を使ったプログレッシヴなロック・リズム陣も強力。
ME-3787 CRUCIFERIUS / A Nice Way Of Life CD \2800
 <変形・見開き紙ジャケット限定盤> パガノッティ、フランソワ・ブレアンら4人組が70年にリリースしたブリティッシュ・ロック影響下の作品。妖しい女性コーラスで幕を開け、英語で歌われるホットなヴォーカル、後にERGO SUMを結成するギタリストのハードなプレイ、ソロ作がシンフォ・ファンに知られるブレアンのカッコいいハモンドとジャージィなピアノが核となり、アップテンポで畳み掛けていく。年代的なサイケ色少々に、ハード・ロックやプログレが交じり合った、ガチな演奏で聴かせるテンションの高い1枚。前年にシングルをリリースし、アルバムは本作のみ。フランス盤としてはこれが初CD化。2022年リマスター盤。
ME-3711 EDEN / Aura CD \2600
 初CD化。フランスのシンフォ・デュオ、エデンの79年唯一作。バンド名やジャケットから連想される通りのイメージを映し出すシンフォニック・ロックで、キーボーディストとドラマーで録音されており、ハモンドとエルカやソリーナなどストリングス・シンセをメインにベース・パートも鍵盤で補っている。弾き倒しソロを展開するタイプではなく、トレースあたりも浮かぶヨーロッパ然としたクラシカルな響きを重視した作風で統一。美しいコード進行とメロディにドラマーがスリリングなリズム感を与え、荘厳さに緊迫感を生んでいる。リマスター。
ME-3200 EDEN ROSE / On The Way To Eden CD \2500
 サンドローズの前身バンド。70年作。女性ヴォーカリストは在籍しておらず、全編インスト。キーボードもハモンドをメインにし、JEAN-PIERRE ALARCENのギターとソロを取り合うジャズ・ロック的なサウンド。スピーディーなリズムの上を両者のホットなプレイがメロディアスに滑走していく。曲の導入部分やテーマに、サンドローズの面影がちらほらと。ヴォーカルが入っていれば、かなり締まった作品になっていたと思う。ハモンド・ファンには手放しで推薦したいセンスに長けた内容。
ME-3041 ELOHIM / Mana Perdu... CD \2500
 83年リリース。ジャケットから想像出来るような、典型的なフレンチ・シアトリカル・シンフォ。ANGEよりはMONA LISAに近い。MONA LISAファンならきっと気に入るでしょう。4曲のボーナスの内、1曲はムゼアのコンピに収録されていたもの。他2曲はライヴで1曲はレアコンピに収録されていたらしい。もちろん仏語。
ME-3534 EMMANUEL BOOZ / Le Jour Ou Les Vaches... CD \2500
 JEAN-PASCAL BOFFOによるリマスタリング・フランス盤・見開き紙ジャケット仕様。74年リリースの2nd。ウィリアム・シェラー率いるオーケストラとバンドが一体となり、暗雲を雷光が切り裂く圧巻のスケールで聴かせるフレンチ・プログレの必聴傑作。ヴォーカル物としては極めて異端・異質であり、地の底から湧き上がるようなコーラスが妖しく、マグマ級のヘヴィさと天上の叙情美が交差していく。ハモンドが唸りフルートがリリカルに演奏される終盤はまるでオペラの如く意味深い印象を残し、何か謎めいたまま熱く幕を閉じる。この凄みがまた強烈。81年のシングル(F.F.I.名義)等ボーナス3曲入り。*極力ノイズが消去されたアナログ・レコード盤起し。
ME-3518 EMMANUEL BOOZ / Clochard CD \2500
 JEAN-PASCAL BOFFOによるリマスタリング・フランス盤・紙ジャケット仕様。74年リリースの3rd。インパクトの強い2枚に挟まれた作品ながら、クリアライトのメンバーが参加するなど、本作のみクローズアップするなら、これも強力だ。フォーク的な部分もあるものの、うねるシンセやベースの厚みなどフランス特有の重厚さがあり、アシッドな叙情性を発散させるラストはサックスやエレクトリック・ヴァイオリンもフィーチャーされ、プログレ・ファンが惹かれるサウンドでカリスマテックなヴォーカルを聴かせる。83年のシングル(MANU名義)等ボーナス3曲入り。フォト数点掲載の36ページ・ブックレット付き。*極力ノイズが消去されたアナログ・レコード盤起し。
ME-3519 EMMANUEL BOOZ / Dans Quel Etat J'erre CD \2500
 JEAN-PASCAL BOFFOによるリマスタリング・フランス盤・紙ジャケット仕様。79年リリースの4th。ディディエ・ロックウッドら強力なメンバーを従え怒涛の展開を見せるフレンチ・プログレの必聴傑作。アナログではA面すべてを使った1曲目からそのインパクトは絶大で、ジャズ・ロック系のミュージシャンがバックを占めているもののテクニカルな演奏とヴォーカルは気迫に満ち、圧倒的なヘヴィ感で襲い掛かって来る。そしてイメージ作りの巧みさ、地が裂け空が落ちてくるような緊迫感、メロトロンのアグレッシヴな切り込み、壮絶ヴァイオリン・ソロなど、頂点に達するラストまで終始絶句! 80年録音のニューウェイヴ風ボーナス1曲入り。*極力ノイズが消去されたアナログ・レコード盤起し。
ME-3791 EMMANUELLE PARRENIN / Maison Rose CD \2800
 フランスの名門レーベルBALLON NOIRから、77年にリリースされたレア・プログレッシヴ・フォークの名盤。アシッド感覚を伴った神秘的でスピリチュアルなオーラを持った幽玄なサウンドに乗せて、美声女性ヴォーカルが夢想的に響く。彼女の弾くハーディ・ガーディー、スピネッタ、ダルシマーと、ゲストによるフルート、アコギ等によるアコースティック・アンサンブルは中世的な香りをほのかに漂わせ、彼女のヴォーカルをサポートする。自身が地方で集めた伝統的な音楽に由来しており、独特の繊細な世界観に満ちている。そして、タイトル・トラックはあまりにも厳か。近年ではフランスのヴァシュティ・バニアンと言われる彼女の当時の唯一のアルバム。ボーナス2曲(当時の未発表曲 17 DECEMBRE / LA FORET BLEUE)を追加収録。リマスター盤&2022年リリース。デジパック仕様。
ME-3761 ERIC DELAUNAY / Antagonisme ! CD \2600
 初CD化。デビュー以前のASIA MINORに参加し、その後TIEMKOを結成したフレンチ・ドラマーがギタリスト、ベーシスト、キーボーディストとの4人で80年にリリースしたバンドによるソロ作。哀愁の翳りを持ったシンフォニック・ジャズ・ロックを聴かせており、中にはキーボード・ストリングスのみのシリアスな曲もあり、バルカン風リズムにエキゾチックなフレーズを絡めるなどオール・インストながら変化を付けた作風となっている。猛烈に押しまくるタイプではなく、イメージを構築しながら展開するあたりTIEMKOの原型がここに。リマスター。
ME-3705 EX VITAE / Mandarine CD \2500
 初CD化。ツイン・ギター&キーボードにヴァイオリンや管楽器も加えた7人編成のジャズ・ロック・バンド78年唯一作。当時、自主リリースだった激レア盤だ。細かく刻まれるリズムやソプラノ・サックスの郷愁などアルティ・エ・メスティエリに似たところもあり、すなわちマハヴィシュヌ影響なのだろう。かつ、ピアノ、ギター、ヴィブラフォンらのがちゃがちゃとしたクリムゾン風の即興や、フルート、アコギ、ヴァイオリンによる美しいコンテンポラリーなセンス、また、コーラスと変拍子などフランスらしさも十分。緊張感と淡い光が交差する名作。リマスター&デジパック。
ME-3757 EYE 2 EYE / Nowhere Highway CD \2800
 ゴーストをテーマにドラマチックかつミステリアスに繰り広げられる2020年作。フレンチ・シンフォ然とした雰囲気を湛えながら文学的な展開を見せる力作となっており、深遠なヴァイオリンを配し、悲しみを後に荘厳に纏わり着くようなシンセはPULSARあたりも思わせ、ハードなエモーショナルさと静寂な幽玄さを交差させながら湖と古城を舞台に現実と夢の狭間を映し出していく。突如唸るパイプ・オルガンや冷たい風のようなメロトロンなど演出の上手さは半端なく、ここぞでギターが泣きだす。細かいパートで紡がれていくラストは現代版コラージュのようでもあり、新鮮味を感じる。3面開きデジパック。
ME-3803 LE FRANCIS DECAMPS DELIRIUM / ...A Couches CD \3600
 <初回入荷特典:直筆サイン入りポストカード付き・500枚プレス限定盤> 2022年11月12日にフランスで行われたライヴを収録。ユーロ・ロック史上で語り継がれる傑作、アンジュの74年作「AU-DELA DU DELIRE (新ノア記)」を、オリジナル・キーボーディストのフランシス・デカンによりリメイクした、22年作のシン・新ノア記と言える「BIEN AU-DELA DU DELIRE」を再現したライヴ盤。22年に5か所で、23年に2か所でのツアーが行われた。シンフォ・バンドMOTISのメンバーがエレクトリック・ブズーキとキーボードで参加し、フランス屈指のスティックチャップマン奏者PASCAL GUTMANの手腕も光る4人編成にて。ドラマチックなメロトロン、シアトリカルなヴォーカル等踏襲しながらも、フランシスの感性でファンタジック&コンテンポラリーに描き上げ、オリジナルをリスペクトしつつ、全くの新作として接する事が出来たスタジオ・テイクをベースに、ダイナミックな臨場感と70年代アンジュのライブを彷彿させるシアトリカルな世界観を味わえる傑作ライヴとなっている。3面開きデジパック仕様。自主盤。
ME-3144 FRANCOIS BREANT / Sons Optiques CD \2500
 ロックウッドも参加した彼の1stソロ。当時、新興レーベルだったEGGから78年にリリースされたアルバムの待望のCD化。非常に研ぎ澄まされた視覚的なサウンドで、そのアンサンブルや音色が発する鋭角さはエディ・ジョブソンを思わせる。スリリングな1曲目にすべてがあるような気がするが、中盤のリリシズムもロマンチックで良い。フランスならではのエスプリが効いた作品。シンフォ・ファンにもジャズ・ロック・ファンにもおすすめ。2001年に録音された2曲をボーナス・トラックとして追加収録。
ME-3728 FRANCOIS BREANT / Voyeur Extra-Lucide CD \2500
 <限定100枚再プレス> 79年作2nd。鋭角的な独創性という点では、1stソロのSONS OPTIQUESにインパクトを見い出せるが、DIDIER LOCKWOODやSTELLA VANDERらのゲストの特性を生かし、アンサンブル的に肉付けされた本作も興味深い出来。ジャズ・ロック志向の曲はよりジャズ・ロックへ、クラシカルな曲は多重にてよりシンフォ調へ完成されている。ミステリアスなイメージ漂う音の映像。彼の感性がきらめくように流れていく。LOCKWOODが好演する6曲目あたりも見逃せない。02年に録音された3曲のボーナス入り。
ME-3694 GIANT / Same CD \2600
 初CD化。ジャン・ピエール・アラルサンが参加し、SANDROSEのナンバーをやっていることで知られる72年作。管楽器奏者率いるジャズ・オーケストラの作品で、ホーン&ストリングスの他に、オルガン、ベース、パーカッションも加わった約30人の編成で、ドラムスはかのANDRE CECCARELLI。ブラス・ロック的でもありつつ、クリムゾン的なプログレの質感や、妖しいコーラスも入るなどフレンチ・プログレの様相も強い。だが、1曲のみながらアラルサンがギターを弾き提供したUNDERGROUND SESSIONに興味が行くのは間違いない。リマスター。
ME-3617 IRIS / Litanies CD \2600
 初CD化。ヨーロッパ然としたバロック調のオルガンが夢想を満たすフレンチ・シンフォの72年必聴名作。ドイツのウインドのモーニングにも似た優雅さが立ち込め、美しい夢の断片を綴っていくようなファンタジックさに染まる。曲中で何度も展開し、優しいフランス語のヴォーカルにファルセットを多用するコーラスもサウンドにあっており、時折入るリコーダーが郷愁を誘う。アンジュのデビュー作と同年という事を考えれば、プログレッシヴ・ロックの軸からブレない驚くべき幻想が広がっている。
ME-3619 KOMINTERN / Le Bal Du Rat Mort CD \2700
 初CD化。アトールの夢魔でスリリングなプレイを聴かせたヴァイオリニストや全盛期のマリコルヌを支えた名ベーシストが在籍しているコミンテルンの71年唯一作。フランス特有のノスタルジックさを湛えたユーモアなセンスが光るジャズ・ロックで、その後のレコメン系を先取りしたような屈折とテンションを持続させる。暴れるサックスやヘヴィなギターなどクリムゾンやザッパも彷彿させるも、ハモンドが入る後半のフランス語によるヴォーカル・ナンバーを聴くと、シーン黎明期の中では群を抜いてオリジナリティを持った1枚だった。
ME-3762 MA BANLIEUE FLASQUE / Same CD \2600
 初CD化。79年リリースの狂おしいジャズ・ロック作。彼らの唯一作でサックスとフルートをフィーチャーしたツイン・ギター編成で、カリスマティックなヴォーカルが特徴。知られざるメンバーで構成されているがテクニックは全員プロ級で、フランス・ローカルではあるものの大手からリリースされており、そのレーベルお抱えのスタジオ・ミュージシャンのプログ・プロジェクトだったのかもしれない。2曲目での妖しいコーラスはマグマを連想させるも、カンタベリー色もあり、またハードに突っ走るなど実に演奏そのものに主体が見える。リマスター。
ME-3793 MEMORIANCE / L'Ecume Des Jours - D'Apres Boris Vian CD \2800
 <2022年リマスター&ボーナス入りデジパック盤> 79年必聴名作2nd。青春の甘い空想と儚く悲しい恋愛小説「うたかたの日々」をベースにしたトータル・アルバムで、その見事な展開に引き込まれる屈指のフレンチ・シンフォだ。最初、そんなに引っかかりはないと感じるも、すでに彼らの術中で、先を探りたくなり、中盤から終でのイメージが沸き立つ流れにハマっていく。完成度は同年代のアンジュに匹敵。また、ツイン・キーボードになり音色は多彩に、新ドラマーによりリズムは繊細かつ技巧的になり、1stのET APRES...と甲乙付け難いが、スケールで取るなら本作だろう。同年のシングルから2曲ボーナス入り。フランス盤としてはこれが初CD。デジパック。
ME-3282 METABOLISME / Tempus Fugit CD \2500
 CARPE DIEM、WAPASSOUと並んでクリプト・レーベルの神秘さを際立たせていた77年リリース作。悪魔の棲むジャケットとその発色も音の妖しさを掻き立てる。オルガン、ピアノ、シンセ、陰湿なギターをプログレ然と配し、エネルギッシュに動き回るパートと中世ゴシックを垣間見る叙情パートが絶え間なく交差する。そして伝統的なシアトリカルなヴォーカル。モナリザより深い闇と複雑な展開。ジェネシスが生んだ形態が強く流れる。フランスならではの個性派シンフォ。
ME-3763 MICHEL MOULINIE / Chrysalide CD \2600
 初CD化。アンジュのキーボーディスト、フランシス・デカンのプロデュースによりクリプト・レーベルから78年にリリースされたギタリストのマルチ録音作。彼はフランシス・デカンの1stソロにも参加しており、その才能が買われている。エレクトリック&アコースティック・ギター(&12弦)をメインにクレジットには無いがフランシス・デカンの関与(もしくはノークレジットで弾いている?)だと思われる不安定なヴィブラートが掛った正体不明の渦巻くストリングス系が夢想感を醸し出し、美しく幻想的で儚いサウンドを作り上げている。リマスター。
ME-3752 MINIMUM VITAL / Les Saisons Marines - Remaster Serie 2020 CD \2500
 <2020年リマスター・シリーズ新装版> より洗練されたサウンドとなった88年2ndアルバムが単体初CD化。ギタリスト&キーボーディストのPAYSSAN兄弟が率いる個性派バンドで、本作からMUSEAレーベルと契約し本格始動を開始した。テクニカルなキーボード&ギターに、フレットレス・ベース、コーラスやゲスト・ヴォーカルも加えたシンフォニック・ロックへと変化。ジャズ・ロック・テイストも残しつつ、マイク・オールドフィールドの影響や、中世音楽色もこの時期から聴かれ、現在へと続く。デジパック仕様。
ME-3753 MINIMUM VITAL / Sarabandes - Remaster Serie 2020 CD \2500
 <2020年リマスター・シリーズ新装版> 当時、ARRAKEENやVERSAILLESと並び、この年代を代表するフレンチ・シンフォ・バンドと評され、彼らのサウンドが確立されたと言える90年3rdアルバム。マイク・オールドフィールドやジェネシスの影響を感じさせながらも、CANTIGA DE SANTA MARIAを取り上げるなど、宗教的なテーマとクラシカルな美旋律、変拍子を多用したプログレッシヴ性が見事に融合されたシンフォニック・ロックの完成形。今聴いても新鮮で30年も前の作品とはとても思えない超力作。デジパック仕様。
ME-3811 MONA LISA / L'Escapade CD \2500
 74年リリースのデビュー作。クラシカルなナイロン・ギターにオルガンやフルートが加わり、風の音に鐘、遠くにバグパイプが流れる。寂びた山村をイメージさせるオープニングから早くも彼らの夢想に引き込まれる。郷愁、哀愁という味わいでは本作も捨て難い。緩急があり、ハードで熱い迫りも見せる力作となっている。73年のデモからボーナス2曲入り。
ME-3812 MONA LISA / Grimaces CD \2500
 75年リリースの2nd。アンサンブルの引き出しが細かく増え、緻密になり、プログレ然としたギターと多彩なキーボードにフルートやコーラスも織り交ぜ、パワーアップしたヴォーカルと目まぐるしく展開しながらも一体化。またフランスならではの道化師的な要素が出始め、音楽がまるで小道具の如く愉快に配される情景が突出。ライヴからボーナス1曲入り。
ME-3046 MONA LISA / Le Petit Violon De Mr.Gregoire CD \2500
 ANGEと並び、フレンチ・シアトリカル・シンフォニックの2大バンドと言える彼らの77年リリース3rd。誇張されたイメージ付けと、パワフルでダイナミックな演奏はANGE以上。逆さまな別世界へ吸い込まれていく。周りに、はばかることなく制作されたようなタイトル・チューンの組曲をはじめ、突出した独創性に圧倒される。ボーナス・トラック1曲入り。
ME-3047 MONA LISA / Avant Qu'il Ne Soit Torp Tard CD \2500
 ジャケット違いでCD化された77年リリースの4th。個人的にはこれが最高作。ANGE、GENESISから強い影響を受けながらも、独自の仮想世界を作り出している。デフォルメされた幻想性を思う存分加味し、ヘヴィかつリリカルに展開されていく。同じ仮想世界でも、ファンタジーを感じるANGEに対して、幽閉されてしまうような圧迫感がある。もう、振り向けない。3曲のボーナス入り。
ME-3817 MONA LISA / Vers Demain CD \2800
 <ラスト・ストック> 超入手困難盤になっている彼らの79年リリースの5th。ジャケットのイメージとヴォーカリストの脱退などメンバー・チェンジにより別バンドのように扱われたリリース当時だったが、テクニカルに畳み掛ける1曲目からインパクト十分で、長尺曲は聴けないものの、ジェネシスのようにニュー・ヴォーカリストに見事に転身した初期のドラマーとサウンドの色彩を決定付けていたオリジナル・キーボーディストの存在(本作ではギターも担当)により、タイトル曲を始め2つのインスト・ナンバーを含むシアトリカルなモナリザ・カラーを湛えつつ、タイトかつ技巧的に洗練された、今となっては外せない必聴作となっている。アルバム未収のボーナス3曲入り。
ME-3631 MONUMENT / Vol.1 CD \2700
 初CD化。70年にリリースされた激レア盤。英語で歌われているものの、ハモンドやギターがハードに効いたアートロックをサイケ&ポップな感覚を交え展開しており、フレンチ・プログレ前夜の貴重な足取りが見える。イタリアで言えば初期のフォルムラ・トレやフィリップス以前のオルメのようなサウンドだが、ヴィブラートが掛かった厚みのあるオルガンはマニア心をくすぐるには十分だろう。ソウルフルさもある反面、物悲しく淡々と歌われるバラードもあり、オルガン・ロックなラストまで意外と統一された内容だ。
ME-3749 MORAVAGINE / Same CD \2500
 初CD化。テクニカルで現代クラシックの手法も見せるピアノとシリアスな美しさを保つフルートをフィーチャーしたフランスらしい完成度を誇るジャズ・ロック・バンドの76年唯一作。最近CD化されたCHUTE LIBREの前身バンドと言えるが、コンテンポラリーなアカデミックさが売りだろう。ギターは入らず、2人の管楽器奏者を配している。せかせかとしたスピーディなナンバーと反復するグルーヴにソロを乗せるナンバーに分かれるが、どちらも狂おしく聴き応え十分。透明感はケベックのバンドにも通じるのでは。サックス奏者は76年にシンフォニック・ジャズ・ロックの名作をリリースしたSUBVERSIONのメンバー。リマスター。
ME-3367 MOTIS / Prince Des Hauteurs CD \2500
 メロトロン・ヴォイス(荘厳!)&メロトロン・ストリングスを劇的かつ幽幻に導入した04年作3rd。エレクトリック&アコースティック・ギター、マンドリン、ブズーキ、フルート、ドラムス、タウラス、そしてキーボードはメロトロンだけを使用。メロトロンと同等に使用されるタウラス・ベースも作品に重厚な重みと深みを与えている。メロトロンと重なるその時のドラマチック度はジェネシス級。
ME-3723 NEMO / Same CD \2500
 初CD化。カンタベリー影響下のジャズ・ロックを聴かせる73年作1st。後に仏EGGレーベルからソロをリリースしたキーボーディストのFRANCOIS BREANTが在籍しており、ALPHA RALPHAやCRUCIFERUSのメンバーも参加。ドラマーはMAGMAでも知られるCLEMENT BAILLYという強力な布陣だ。オープニング・ナンバーでは軽さを感じるものの、ミステリアスさが全体に漂っており、熱いオルガンと対比するクールなエレピ、切り込んでくるギターなどプログレッシヴ。曲によってツイン・ドラムス風の激しさも見せる。管楽器は入らず、年代を考えるとソリッドな演奏と言えるだろう。リマスター。
ME-3724 NEMO / Doin' Nuthin' CD \2500
 初CD化。ジャズ・ロック・ファン必聴の74年作2nd。仏EGGレーベルからソロをリリースしたキーボーディストのFRANCOIS BREANTが在籍。ALPHA RALPHAやCRUCIFERIUSのメンバーも参加しており、ドラマーはMAGMAでも知られるCLEMENT BAILLYという強力な布陣だ。さらに本作では管楽器奏者のALBERT MARCOEURも曲によって加わっている。マハヴィシュヌやザッパの影響も見せ、かつシンフォニックな広がりを交えながら凝ったアンサンブルを攻撃的に繰り広げていく。唸るベースや噛み付くようなギターにオルガンやエレピが応戦。ヴォーカル・ナンバーとインスト・ナンバーに分かれるが後者は屈指の部類だろう。そして、ほぼこのメンバーにて発表されたのがFRANCOIS BREANTの78年作SONS OPTIQUESであった。リマスター。
ME-3743 POPERA COSMIC / Les Esclaves CD \2500
 初CD化。フレンチ・プログレの黎明期69年にリリースされた傑作。作曲家でありブーズやマンセに匹敵するソロ作でも知られるFRANCOIS WERTHEIMERを配し、プログレ・バンドのALICEがバックを固め、WILLIAM SHELLERによるオーケストラが渾然一体となったモンスター作だ。フランス語で歌われ、シンフォニックなハモンド、ジャージィなピアノ、闇を切り裂くギター、妖しいシタール、畳み掛けるリズム・セクションと共に不気味に高鳴っていくオーケストラ、映画のラストシーンのような切ない哀愁のヴォーカルらの狂おしくもドラマチックな世界観が圧巻。リマスター。
ME-3782 POTEMKINE / Foetus CD \2500
 初CD化。フランスのジャズ・ロックと言えばマグマ系列のサウンドを聴かせるバンドが多い中、違った立ち位置で、どちらかと言えばカンタベリーの香りがする76年デビュー作。3枚のアルバムをリリースしているが本作の風味は他にはなく、インテリジェンスなギターとテクニカルなエレピに夢想的なヴァイオリンが加わり、リズム・セクションが支える。コーラスも交えた幽幻な雰囲気が独特で、アコースティックな曲などコンテンポラリーであり、なにか映画を見ているような美しさがあり、秘められた神秘性はフランスならでは。ゆっくりと聴きたい良作となっている。 E
ME-3057 PULSAR / Pollen CD \2500
 個人的にも非常に思入れのあった(過去形ですが、今も)グループ。興味ない人が聴くと、吹けば飛ぶようなサウンドだが、フレンチ叙情派シンフォの最も核となる良さが滲み出た音。極めて陰湿で暗い。75年リリースの1st。ラストの曲は中でも泣きの名曲。英デッカからもリリースされた。
ME-3058 PULSAR / The Strands Of The Future CD \2500
 76年リリースの2nd。今でもピュルサーという呼び方には馴染めない。やっぱり、パルサーのほうが好き。暗い凍えた幻想世界へ溺れてしまいそうな音像が押し寄せてくる。シンフォニックで、叙情的だが、絶望感が渦巻く。それを、ドラマチックと捉えれば、もう、この世界から抜け出せない。回りくどい旧A面の組曲よりも、メロトロンやフルートが優美に使用される旧B面を愛聴していた。キャメル・ファンなら一発で虜になる佳曲あり。
ME-3059 PULSAR / Halloween CD \2500
 彼らが77年にリリースした大傑作3rd。これは絶対に聴かないとダメ。バンドの創造性と、ANGE、ATOLLといったフレンチ・プログレ・シーンが頂点を迎えていた時代背景によって、半ば必然的に生み出された作品だったと思う。迷い込んでしまう底のない幻想感、メロトロンが醸し出す演出、現実なのか、夢なのか、もう感覚がすべて、彼らの深淵な音に呑み込まれていく。最も幻想的なフレンチ叙情派シンフォ。
ME-3107 PULSAR / Bienvenue Au Conseil D'administration! CD \2500
 演劇のOSTとして制作された81年リリースの4作目。シンセやヴォイスがリードするダークで陰湿な空間は、紛れもなく彼らのサウンド。LPリリース当時の散漫な印象も、こうしてCDでA/B面の区別なく聴いていると、なくなってしまう。ボーナスは86年にカセットのみで出たJ.ROMAN名義の映像的なコンテンポラリー作品。
ME-3484 PULSAR / Gorlitz CD \2500
 89年に突如再結成を果たしリリースされ、当時ファンを驚かせた5thアルバム。ベーシスト以外は全員オリジナル・メンバーによるもので、第2次世界大戦後、ポーランドと旧東ドイツに分断されたゲルリッツ市。その国境に掛かる橋を走り抜け悲しい歴史と忘却への旅が始まる。約20分の壮大なタイトル曲で幕を開け、ハケットを連想させるギターをフィーチャーしたシンフォニックかつダイナミックな曲想から、クラシカルなフレーズが高鳴り、シアトリカルなドラマ性を生む展開部に感動。淡く儚い情景美、退廃と悲哀が入り混じったコンセプチュアルなサウンドは非常に彼ららしく、フレンチ・シンフォの真髄を感じさせる。作風は違うが初期の名作群にも引けを取らない出来。
ME-3672 QANTUM / Le Passage CD \2500
 パルサー、モナ・リザ、そして、ジェネシス影響下の、フレンチ・シンフォ・バンドの2016年新作2nd。正統派のヨーロピアン・ロックを聴かせる5人組で、シンフォニック全開のキーボードと、泣きを含んだ伸びやかで優美なギターで織り成す、ファンタジックな趣きを持ち合わせたドラマチック・サウンドを繰り広げる。また、オーケストレーションを取り入れたクラシカルなパートや、フルートの音色と繊細なアコースティック・パートも織り込んだ、アレンジの細やかさも特筆で、その構成力も高い。フランス語による柔らかいヴォーカルもサウンドに映える。デビュー作も高評価だった彼らの7年振りとなる、70年代のフレンチ・ロックの魂を今に継承した超力作。
ME-3232 LA ROSSA / A Fury Of Glass CD \2500
 85年に自主制作でリリースされた、テクニカルでかつリリカルなサウンドを持つフレンチ・シンフォ。ヴォーカルは英語だが少々ピーター・ハミルのようなクセを持っている。全体にハイ・レベルな演奏で、シンフォとチェンバー系の中間をいくような個性派。ボーナス・トラックとして、当時の未発表スタジオ・テイクを4曲追加収録。
ME-3737 SAINO / Same CD \2600
 初CD化。2枚のシンフォニック・ロック作をリリースした彼らの82年作1st。ツイン・ギターを含む5人編成で、自主制作された本作は全編インストではあるものの曲構成が良く出来ており、フランス然とした湿ったストリングスを配し、ギターはひたすら作曲されたメロディを紡いでいく。加えて、ジャズ・ロック系の唸るベースと手数が多いドラムスが緊張感をもたらし、まったく飽きさせないアルバムとなっている。テクニカルで凝ったアンサンブルを展開させ、曲によってはスペインに似た哀愁があり、畳み掛けるスリリングさも。リマスター。
ME-3602 SANDROSE / Same CD \2500
 フランス盤では初となる、見開き紙ジャケット仕様にてリリース! 73年にポリドールからリリースされた唯一作にして、メロトロン・ファン・マストの傑作。前身バンドのEDEN ROSEの流れを汲んだジャズ・テイストも散りばめた長尺のインスト曲を挟み、JEAN PIERRE ALARCENの優美なギター・ワークと、プログレッシヴなハモンド、情感豊かに歌い上げる女性ヴォーカリスト(英語)らが、翳りと深淵な叙情性をまとい、ロックのダイナミズムとの融合から生まれたフレンチ・シンフォ名盤。当時、英国盤も出たように、ブリティッシュ系ファンにも是非聴いて欲しい。2014年デジタル・リマスター盤。
ME-3810 SAQQARAH / The Runaway CD \3200
 フロイド、ジェネシス、キャメル、マリリオンの影響を語るブルターニュのシンフォ・バンドの2024年作。19年振りのアルバムで、デビュー当時からのメンバーのギターとキーボードをキメ細かく叙情的に配し、英語ながらもどこかフランス的な湿りを感じさせるメロディアスなヴォーカルを聴かせるネオ・プログレをフレンチ・シンフォで染めたようなサウンドと言えるだろう。波のようなストリングスをバックにギターが切々とソロを取る終盤など淡さが美しい。92年に結成され94年にデビュー。当時、フランスでは新たなプログレ・ブームが起っており、ニュー・ジェネレーション・バンドが多く現れたが、その雰囲気をいい意味で今でも湛えている。EPを含むと本作で4作目となる。デジパック自主盤。
ME-3064 SHYLOCK / Gialorgues CD \2500
 2ndがジュネーヴ録音だったため、当時はスイスのバンドとも言われていた彼らの77年リリース1st。フリップ・ナイズされた攻撃的なギターと、プログレ然としたキーボード類をフィーチャーし、旧A面はヨーロッパ然としたシンフォ調で哀愁を帯び、旧B面は後期クリムゾンを想わせる硬派なサウンドで迫る。どちらもテクニカル。ボーナス5曲入り。81年のテイクはアコースティックだが良い。
ME-3065 SHYLOCK / Ile De Fievre CD \2500
 78年リリースの2nd。前作はトリオだったが、新たにメンバーが加わってサウンドに幅が出た。腕数の多いドラマーにまくし立てられるように、テクニカルなサウンドで進行していく。シンフォ調の曲もあるが、即興的な曲や、クリムゾンがフレンチ・ジャズ・ロックになったような曲も。6曲目は美狂乱のようでもある。ボーナス1曲入り。
ME-3794 SIIILK / Eemynor CD \2500
 PULSARのオリジナル・ギタリストとキーボーディストが結成したSIIILKの待望の2022年作3rd。物悲しくダークな幻想が渦巻くサウンドは正にPULSARで、温かくも物憂げなヴォーカル、燃ゆる愁いに満ちる甘美なギター、イリュージョンの余韻たっぷりのキーボード、不意を突く出会いの可憐な女性ヴォーカルなど前作の流れを汲み、かつ作品そのものが蜃気楼を追想するかのようなコンセプトで作られており、アコギも交えながらゆったりと展開していく。なんという奥行きの深さ。そして、徐々に熱くなり、ギターは泣き上げ、メロトロンも劇的に加わる。キャメル・ファンは必聴だ。2回、3回と聴き返すほど良さが伝わる。PULSARのアンサンブルに欠かせなかったオリジナル・メンバーの管楽器奏者もゲスト扱いながら参加。デジパック。
ME-3676 SPEED LIMIT / Same CD \2500
 フランス盤初CD化。74年作1st。メンバーがやってきたジャズ・ロックをコンテンポラリー化し作曲された次作に比べると本作は演奏の個人技をぶつけ合い聴かせるスタイルなので、今となってはこちらのほうが色褪せず感じる。ZAOと掛け持ちのヨシコ・セファーの鉄っぽいサックスを始め、各楽器の輪郭が太く、唯一ギターがファズ系で歪み独特のうねりを出し、プログレ的なロック色をキープ。自在に弾き込まれる透明感のあるピアノもポイントだ。リマスター。
ME-3677 SPEED LIMIT / II CD \2500
 フランス盤初CD化。ヤニック・トップが参加した75年作2nd。ジャズ・ロックが苦手な人も必聴のインテリジェンスなフレンチ・プログレの名盤だ。目を引くシュールなジャケットそのままの導入部分や、妖しいコーラス、ストリングス・セクションが配された後半など演奏技術に加えスピリチュアルな要素を持っており、弦楽四重奏入りだったZAOのSHEKINAも思わせるが、本作はよりクラシカルだったり、サイケデリックだったりして幽玄さを纏っている。リマスター。
ME-3712 SUBVERSION / Same CD \2600
 初CD化。激レアながらもフランス然と聴かせる76年唯一作。叙情的に爪弾かれるアコギとストリングス・シンセをバックに切々と仏語で歌われる1曲目やその流れを受け継ぐ儚いチェロを交えた2曲目などシンフォニック・ジャズ・ロックと言え、夢想感を発散させつつエレピや技巧派のドラムがサウンドを締める。サックスがフィーチャーされるとライトになってしまうが、時にギターは邪悪ファズにもなり、後半ではクリムゾンの影響も見せる。ラストのみエレクトリック・アヴァンギャルドでこのあたりもフランスらしい。リマスター。
ME-3297 TAI PHONG / Windows CD \2600
 76年リリースの2nd。彼らの傑作その2。スリリングな前半と月光のように優美な後半の2部構成が印象的な1曲目、SISTER JANEの流れを汲む2曲目でこのアルバムの価値が決まるほどズバ抜けた名曲を聴かせる。JEAN JACQUES GOLDMANは後に国民的スターになり、ヴォーカリスト、ソングライターとして活躍。1st、2nd合わせて聴くべし。
ME-3806 TEDDY LASRY / E MC2 CD \3200
 初CD化。ジャケットと共にプログレ・ファンに有名な76年作。キーボードを主体とするマルチ・ミュージシャンの天体をテーマにしたコンセプト作で、シンセ&ミニマム・ミュージックがシンフォ寄りになっている好例だ。冒頭のエレピのロマンチックな響きからパルスのようなクラヴィの弾き込みにアープが神秘的な哀愁を奏で、本作の目玉のひとつJANNICK TOPとANDRE CECCARELLIというフランス屈指の強靭なリズム・セクションがフィーチャーされる。中盤ではスペーシィな部分もあるものの、フルート、クラリネット、サックスらの管楽器、マリンバらの打楽器も使用され、いわゆるベルリン・スクール系とは様相が違った内容となっている。かつて国内盤LPのリリース広告が大々的に掲載されるも直前に回収騒ぎになった。リマスター見開き紙ジャケット。
ME-3685 TRANSIT EXPRESS / Priglacit CD \2800
 ユーロ・ジャズ・ロックの最高峰を競う3作がフランス盤にて再プレス! テクニカルにハードに煌く鮮烈な75年作1st。マハヴィシュヌ・オーケストラに影響されているのは確かだが、エフェクターでエッジを落としたギターや重厚でエキゾチックなシンセなど音色はフレンチ然とし、手数でパルスのように攻め立てるドラムスと組み合わさるリリカルで神秘的なアルペジオを多用。ソロの応酬だけでなく作品全体に聴き所をスリリングかつ立体的に張り巡らし、しかも、欧州のメロウさも湛えたデビュー作にして傑作となっている。
ME-3687 TRANSIT EXPRESS / Couleurs Naturelles CD \2800
 ユーロ・ジャズ・ロックの最高峰を競う3作がフランス盤にて再プレス! 最高作と名高い77年作3rd。ヴァイオリニストのデヴィッド・ローズを正式メンバーとしたアンサンブルは完成度を高め、ある意味、聴きやすくスタイリッシュに感じるほど。その分、フュージョン気味にも捉えられるが、美しい整合感のあるポリリズムやデビュー時からの特徴であるギター・アルペジオなど総括されており、シンセの音色はイマジネイティヴな効果音も多彩に編み出し、ヴァイオリンの儚さも存分に引き出した必聴作。クラシカルさやシンフォ風味も。
ME-3738 TREFLE / Reflet CD \2600
 初CD化。パンタクルやメモリアンスを思わせる彼らの78年唯一作。90年代にオリジナル盤LPのラスト・ストックが出回り、知られるようになった。フランス語で歌われシアトリカルさを覗かせているもののヴォーカルは切々としながらもアクがなく、妄想を彷徨う本作のファンタジーに合っており、クラシカルなキーボードと相俟ってフレンチ・シンフォ・プログレの最良の叙情と夢想を漂わせる名盤となっている。そっと入るアコーディオンの郷愁がなんとも中部ヨーロッパらしい。ギターのヘヴィなリフなどアンジュっぽいところも。リマスター。
ME-3641 WAPASSOU / Same CD \2500
 昔は「幻の」という形容詞も付いた74年デビュー作のデジパック2015年新装盤。キーボード、ヴァイオリン、女性ギタリストの謂わばチェンバー・トリオに、フルート、クラリネットらをゲストで加え録音された自主制作アルバム的な作品で、耽美的なストリングス・シンセとヴァイオリンの絡みやフランス語の女性ヴォーカルのまどろみは彼らのその後のクリプト・レーベルの作品で芸術的な域へ高められていくが、唯一リズム・セクションやシタールが入るサイケデリックなラストは本盤にボーナス収録された1年後のレア・シングルで見せたオルガン・ロックのへ流れもあったことを示している。
ME-3465 WAPASSOU / Ludwig CD \2500
 限定紙ジャケット・ロシア盤。79年リリースの4作目。フランスらしい夢想を織り成すマジカルなグループ、ワパスー。個性的なフレンチ・プログレの中でもひときわ異彩を放っており、ドラムレスだがチェンバーにはならず、ヴァイオリン、キーボード、ギターらがエフェクターを多用し独自の音色でスコア化された楽曲を演奏していく。可憐なゲスト女性ヴォーカルも効果的にフィーチャーし、初期のアシッド・浮遊感からより展開を明確にさせ、クラシカルなハモンドも導入した充実作。クリプト・レーベルと共に一旦消滅してしまうが、本CDのボーナスには同年代のドラム入りの未発曲が収録されており、非常に興味深い。
ME-3729 WEIDORJE / Same CD \2500
 <限定100枚再プレス> マグマ周辺バンドの最重要作である78年唯一作。パガノッティ、パトリック・ゴーティエがマグマ脱退後にリリースしたセッション・アルバムで、フリーリーな管楽器を加え、MAGMAとHELDONからの流れを感じさせながらも、ジャズ・ロックの鋭角さとヘヴィなロック魂を持ち合わせたスリリングなサウンドを展開する。単なるハイブリッドで終わらない新種の攻撃型パワーに圧倒される。ボーナス・トラックとして78年10月のアルバム未収録曲のライヴ音源 (RONDEAU / KOLINDA) を2曲追加収録。
ME-3816 YANG / Rejoice! CD \3800
 クリムゾンに影響されたバンドのひとつ、SHYLOCKのギタリスト率いるバンドの2024年作。まさにギターはロバート・フリップを随所で思わせるも、本作では英語にフランス語を交え歌うドリーミィな女性ヴォーカルをフィーチャーし、ポリリズムを駆使した攻撃的でテクニカルなナンバーから、ロングトーンを配したヘヴィな変拍子ナンバー、フランス然とした哀愁を纏うナンバー等、ラストのようなメロウに昇華するシンフォ色や、繊細なモダン工芸ような美しいアコギも交え、ストリングスなどキーボードも加え聴かせるスタイリッシュな内容となっている。見方を変えれば、EMMANUELLE PARRENINをエレクトリックにクリムゾン風にしたようなとでも言えるのでは。良い出来。
ME-3347 ZAO / Kawana CD \2500
 一般に最高作と言われる76年リリースの4th。ヴァイオリニストのロックウッドを迎えた、超メンバーによるスリリングかつダイナミックな演奏は、まさに超絶の一言。そして美しい。プレイヤー&バンドの技量を見せつけられる。スライダーとカットボールを組み合わせたようなキレと難しさ。ハイ・テンションの連続で、聴き手も、よし聴いてやるぞ!と言う意気込みと集中力が欠かせない。73年のスタジオ・テイクからボーナス・トラック1曲入り。
ME-3799 ZOO / I Shall Be Free CD \2800
 フレンチ・プログレの黎明期にスタジオ・ミュージシャンで結成された彼らの70年リリースの2nd。ヴァイオリンとサックスなど管弦楽器両方を演奏出来る2人のマルチ・ミュージシャン(1人はEMMANUEL BOOZのアルバムにも参加)をフィーチャーし、ツイン・ヴァイオリンやブラス・セクションを配したブリティッシュ・ナイズされたサウンドを熱演。ギターやオルガンなどメンバーの技量は流石に高く、同年代の英国のバンドに匹敵する演奏を繰り広げている。ハード〜プログレ〜ジャズ〜ファンク〜バラードなど、ごった煮とは言え、アレンジは緻密に計算されており、ドラッグ色のない力作となっている。ヴォーカリストは後にCLEARLIGHTに参加。フランス盤としてはこれが初CD。リマスター&デジパック。

〓[AUSTRIA]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ME-4054 AMANDA / Weltenraum CD \2850
 中期フロイドとノヴァリスをミックスしたようなオーストリアのプログレ・バンド2022年作。初期は音楽性がはっきりしなかったが20分前後の長尺曲2曲からなる本作でプログレ化した。ドイツ語寄りの方言で歌われ、オルガン&ピアノ、ギター、リズム・セクションの4人編成によるシンプルなサウンドだが熱量による厚みがあり、厳かな哀愁が幻想感と共に全編漂う。70年代のヴィンテージ色で統一され、一部シンセも加わるもののレスリー系ハモンドとスローなギターがアンサンブルのメインとなり、切々としたヴォーカルで物悲しく歌われていく。長尺な中にプログレッシヴな展開が仕掛けられており、オルガンもハードにソロを取っていく。ウィーンのマイナーレーベルからのリリース。デジパック。
ME-4044 EELA CRAIG / Same CD \3200
 限定再プレス。今や原盤はオークションで20万近い価格も見られる71年リリースの1st。激レアだ。後のスタイルとは趣を異にしているが全体に立ち込める幽玄さが底知れぬ魔力を持っている。2人のキーボーディストを配し、マイナー調のオルガンに儚いフルートが舞い、泣きのヴォーカルとギターでメロディーをつないでいく。ジャーマン叙情派に似た音だが、ヘヴィなカオスに加え、アコギやリズム変化など凝っており、時にジャージィな演奏など高いスキルを感じさせる。72年の未発音源と74年のメロトロン入りシングルから4曲ボーナス収録。
ME-4003 EELA CRAIG / Missa Universalis CD \3200
 78年リリースの4作目。スケールと完成度という点では、ミサ組曲に取り組んだ本作をおすすめ。あまり、そのスタイルにこだわらず、大胆な解釈で演奏している。1曲目の泣きまくるギター・ソロが早くも山場だったりする。マニアックなプログレ・サウンドという点ではONE NITER(2nd)とHATS OF GLASS(3rd)も見逃せない。叙情派中の叙情派。リマスター盤。
ME-4045 EELA CRAIG / Virgin Oiland CD \3200
 遂に待望の初CD化! 80年リリースの5作目。シンフォニック度を増してきた4作目までの流れから年代的な明確性を打ち出しつつ、彼ららしい哀愁のクラシカルさを散りばめ入り組んだ構成のコンセプト作となっている。トリプルからツイン・キーボードになったものの、シンセ、オルガン、ピアノ、ストリングスなど多彩な鍵盤楽器で織り成すアンサンブルの正統性は見事で、泣きのギター、メロウなヴォーカルと華麗なコーラスを配し、リリカルなフルートも導入するなど叙情性は高い。80年と81年のシングルから2曲ボーナス入り。
ME-4058 EELA CRAIG / A Spaceman Came Travelling 3CD \4200
 ONE NITER(76年2nd)、HATS OF GLASS(78年3rd)、MISSA UNIVERSALIS(78年4th)、VIRGIN OILAND(80年/5th)の4枚をCD3枚に全曲収録した2024年リマスター盤。荘厳なブラス・メロトロンから幽玄な合唱メロトロンとハープシコードへ導かれ美しいストリングスとフルートが奏でられるギターも甘美なオーケストラ張りのアンサンブルが印象的な名作2nd、ジェネシスの月影を彷彿させるリリカルなヴォーカルから多彩な展開を繰り広げていく3rd、ラテン語、独語、英語、仏語で歌われミサ曲をスペーシィでドラマチックなシンフォニック・ロック化し1曲目のギターソロが忘れられない4th、トリプルからツイン・キーボードになったものの彼ららしい哀愁のクラシカルさを散りばめ入り組んだ構成の5thの4作。最初聴いた時の感動が閉じ込められた一気聴きしたい3枚組。リマスター。
CD1:ONE NITER
CD2:HATS OF GLASS + VIRGIN OILAND
CD3:MISSA UNIVERSALIS
ME-4026D GANDALF & FRIENDS / Live In Vienna CD+DVD(PAL) \3200
 ガンダルフ初のDVDが遂にリリース! スティーヴ・ハケット他、多数のゲスト・ミュージシャンを迎えて01年に行われた20周年記念ライヴ。アコギ&エレクトリック・ギター、シタール、キーボードとマルチに弾くガンダルフを中心にしたバンド編成でのライヴで、メンバーには、フルート、ヴァイオリン、ベース、ドラムスや、かつてアルバムでも共演したランヴァルも参加。ファンタジックでシンフォニックなガンダルフ・ワードに包まれる。ちなみに、ハケットはアコギではなくエレクトリック・ギターで参加し、彼ならではのロング・トーンが効いた優美な音色を溶け込ませ、FACE IN THE MIRRORでプレイしている。また、ボーナス映像も多彩で、2000年のライヴ映像2曲や、インタビュー、ディスコグラフィー、そして美形&美声女性ヴォーカリストのJULIA MARTINS(彼女はライヴ本編でも華を添えている)を、ヒロインに仕立てたプロモ・クリップJUST GO ON BELIEVINGを収録。
ME-4059 GINGA RALE BAND / Wir Bedauern... CD \2980
 初CD化。オーストリアはザルツブルクで結成されたジャズ・ロック・バンドの80年デビュー激レア作。テクニカルなリズム・セクションに煽られてギターとキーボードとサックスらが弾き込まれていくスタイルだが、屈折した変拍子でプログレッシヴに迫るダークなナンバーもあり、隣国スイスのバンドによく見られるクリムゾンの影響を垣間見せる。リリカルなアコギにサックスやピアノがシリアスに配される2曲目はスイスのCIRCUSが思い出されるのでは。ラストではシンセをアヴァンギャルドに配した実験性も見せている。
ME-4053 ORANGE POWER / Same CD \2600
 初CD化。77年にメジャーのフィリップスからリリースされた激レア盤、そして、メロディアスな内容の好盤として知られるコレクターズ・アイテムに君臨する1枚。リリカルでナイーヴなアコギの1曲目、素早くハモンドが弾き込まれブリティッシュ・プログレの影響を感じさせる2曲目、その後もエレピやギターがメロウな広がりを見せ、テクニカルに弾き込まれ、シンセもきらめき舞うようなプレイで配される。星空へ吸い込まれていくような始まりのラストは次世代シンフォへ突入。ギタリストは80年代にINDIGOへ加入。リマスター。
ME-4014 VITA NOVA / Same CD \3200
 71年にオーストリアでリリースされた激レア物。原盤はオークションで1000$以上。ドイツ、ハンガリー、セルビア、スイス人の多国籍バンド。プログレッシヴなハモンドに、ピアノ、ヘヴィなギター、太いリズム、それらを取り巻くダークな雰囲気は、もうレア・プログレとしての貫禄十分! おまけにパイプ・オルガンまで入る。ごった煮のわりには、けっこう聴けます。詞はラテン語。ボーナス2曲入り。

〓[SWITZERLAND]〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ME-5111J BLUE MOTION / Same CD \3450
 「ブルーモーション / 碧き衝撃」 80年リリースの必聴作。スイスのサーカスのドラマーが2人のキーボーディストと結成した変則編成トリオで、サウンドも超変則。まるで、ナイス系を否定するかのような音の組み立て方で、クラシカルかと問われればクラシカルな響きもあるものの、ピアノとオルガンがスピーディで幾何学的なアンサンブルを生み、テクニカルなドラミングでロックの沸点へ上昇させる、といったチャレンジャー精神に満ちた内容だ。作品全体にインプットされた美学が素晴らしい。2013年リマスター。SHM-CD見開き紙ジャケット・解説付き。国内盤
ME-5071 BRAINTICKET / Celestial Ocean CD \1980
 英国リマスター2010年盤。前作からギタリストやベーシストが抜け、変則トリオ編成にてローマで73年に録音された3rd。RCAイタリアーナからリリースされた(独盤と英盤もあり)為、イタリアン・プログレのカテゴリーにも加わっている作品で、「エジプトの死者の書」にインスピレーションを受けて制作された。オルガンに、シンセなどエレクトロニクスと、パーカッション、ヴォイス、フルート、アコギ、シタール等サイケデリックな音像がエコーを交え乱れ飛ぶが、よくあるジャーマン式ではなく、計算されたコラージュや美意識などバッティアートの最初の2枚を思い出させ、数年イタリアで活動していたその匂いが染み込んでいる。
ME-5121 CIRCUS / The Remasters 2021 - Toronto NYC Istanbul CD \3600
 スイスが誇る屈指のプログレッシヴ・ロック・バンドが企画制作していたライヴやスタジオ盤のエディットを13曲収録したコンピレーション2024年盤。4枚のアルバムから最も重要な断片を収集したと語っており、加えてCDボーナスでほぼ既発ではあるものの、76年から81年までのライヴを5曲収録。クリムゾンのヘヴィさ、バカテク・ドラムスのジャージィさ、多用されるリリカルなフルート、破壊力のあるサックス、けだるいヴォーカル、特徴的なアコギ、鋭いヴィブラフォンといった独自の編成の初期から大掛かりなジョイント・ライヴを経て、次世代へアップデイトされたモダンな3rdにて解散。いわゆるベスト盤とは違った彼ららしい編集の持っておきたい1枚となっている。ちなみにタイトルの地名は音源がリマスターされた場所を表している。
ME-5116 DEMON THOR / Anno 1972 + Written In The Sky CD \2800
 クラシカルなピアノとプログレッシヴなオルガン、そして、メロトロンをフィーチャーし、中部ヨーロッパならではのメロディアスなサウンドを聴かせる彼らの73年作2nd「Written In The Sky」に72年作1st「Anno 1972」から4曲加えた2022年リマスター盤。ジャーマン・ハードに近い曲もあるものの、WALLENSTEINあたりに通じる薄昏い哀愁があり、特に2ndの18分越えのタイトル曲はメロトロンをふんだんに(ストリングス&フルート&クワイア)使った長尺なシンフォとして評価出来る。後半もオーボエを印象的に配するなど、クラシックの土壌があり、ロックと融合した70年代初期ならではの作風が見られる力作だ。また、2ndには同国のプログレ・バンドKROKODILがバックに加わっているが、契約上の問題でレコードにはクレジットされなかった。リマスター&見開き紙ジャケット。
ME-5122 FLAME DREAM / Silent Transition CD \4800
 <バンドからの直筆メッセージ入りポスト・カード付き> スイスのシンフォ・バンド、FLAME DREAMがオリジナル・メンバー4人で再結成し新作を38年振りにリリース。全盛期も基本ギターレスだった為、今回イギリス人ギタリストを加え録音。サウンドは美しくシェイプアップされ、変拍子も含めモダンなリズムに切れの鋭いプログレッシヴなオルガンやシンセが時計のパーツの如く緻密に配され、時にホールズワースも思わせるギターが加わり、曲によってはUKを思わせ、華麗なピアノや郷愁を誘うフルート、メロウなヴォーカルで聴かせるスイスらしい透明感のあるシンフォとなっている。クラシカルなストリングス・オーケストレーションや幽幻なインスト・ナンバーもあり、熟成されたキャリアとテクニックを感じさせる力作だ。なお、メンバーによると初期の曲とのつながりもあり、過去と現在の間の想いが込められているという。ナンバーリング入り・デジパック自主盤。
ME-5112J ISLAND / Pictures CD \3450
 「アイランド / ピクチャーズ」 今となっては恐らく最も有名なスイス産プログレだろう。PFMで知られるクラウディオ・ファビのプロデュースでイタリアのリコルディ・スタジオで録音され77年に自主リリースされた。他に類を見ない複雑な構成とアレンジはバレット・ディ・ブロンゾのYSに並ぶ信じ難いもの。ダークなキーボードが支配し、フルート、サックスが絡む。まるで、機械仕掛けのように繰り出される演奏に目がくらむ。20分を越えるボーナス・トラックも凄い。2013年リマスター。SHM-CD見開き紙ジャケット・解説・対訳付き。国内盤
ME-5119 KEDAMA / Live At Sunrise + Unreleased 2nd CD \3500
 <ラスト・ストック> 100枚のみ76年に自主リリースされた1st、AT SUNRISE STUDIOSに、リリース予定だった77年録音の未発2ndアルバムを加え、さらに75年のオムニバスから73年のテイクを2曲加えたコンプリート盤。メロトロン入りの攻撃的なサウンドで知られる1stはスタジオ・ライヴで収録されたもので、作曲された部分と即興パートから成り立ち、クリムゾンあたりも彷彿させるがピアノなどスイス特有のテクニカルなストイックさを感じさせる興味深い内容だ。未発2ndはメロトロンやオルガンに加えシンセもフィーチャーされ、より複雑で前衛的な構築で制作されている。73年のテイクでもメロトロンが使用され、ダークな叙情を湛えたシンフォとなっている。
ME-5115 LISE SCHLATT / Same CD \2600
 初CD化。流石スイスと思ってしまう激レア・プログレ74年作。ドイツ語で歌われ、ハードなギターとレスリー・ハモンドを配し、メロディアスさを失うことなく知的にサウンドをまとめており、かつ神秘的な翳りがあり、時にクラシカルで、また展開にスイス独特のふたひねりがあり、他にないオリジナリティーが埋め込まれている知られざる名作の部類だ。アコギやリコーダーの叙情的なパートや哀愁、畳み掛けるリズムなど隣国のイタリアを思わせるノリもあり、マニアックなコア・ファン注目の内容となっている。リマスター。
ME-5081 MENTAL HEALTH / Same CD \2800
 SISYPHOSのキーボーディストが以前にやっていたバンドの88年作。LPリリースの契約を取り付けるも解散になり発売されなかった未発アルバムだ。その後のSISYPHOSの音楽性を予感させる内容で、コーラスなどジェントル・ジャイアントの影響を感じさせながらも、スイスらしいストイックな変拍子を配し、プログレッシヴなハモンドやメロトロン系ストリングスをマニアックにフィーチャー。ハードながらもメロディアスなギターを絡め、ホットなグルーヴ感で聴かせる。ややハミルを思わせるカリスマティックなヴォーカルもサウンドに合っており、ヨーロッパのプログレ不毛時代にあって注目のレコーディングと言える。
ME-5107 NAUTILUS / 20000 Miles Under The Sea CD \2600
 初CD化。2枚のアルバムをリリースした彼らの78年リリースの1st。レスリーの効いたオルガンにギターとヴォーカルとフィーチャーするブリティッシュ・ナイズされたサウンドを基調に、ストリングスやアコギの美しさなどジャーマン・シンフォにも通じる叙情を湛え、シンプルに聴かせる曲がある一方で、意表を突く展開や変拍子にスリリングな連鎖仕掛けなど硬派に屈折したアレンジを散りばめており、初期イエスにも似た構築もあり、ストイックさが実にスイスらしい。時にキーボード・トリオのようにもなる。聴き応えのある力作だ。リマスター。
ME-5108 NAUTILUS / Space-Storm CD \2600
 初CD化。2枚のアルバムをリリースした彼らの80年リリースの2nd。キャッチーなオープニングだが、ポセイドンと題された2曲目のメロディアスさで一気に引き込まれてしまう。シンフォ風味を持ちつつ、バークレイ・ジェームス・ハーヴェストのような叙情とエロイのようなハードな大衆性をミックスさせた音楽性は独特でシンプルのようでリズムやソロなど相変わらず変化に富む。アコギをバックにギターがしみじみと泣く6曲目がハイライトだが、続く7曲目ではジェントル・ジャイアントのようなオルガンやクラヴィが聴け、凝っている。リマスター。
ME-5100 PLAMP / ...Und Uberhaupt... CD \2600
 初CD化。アルプスに囲まれた美しい街、クールで結成されたバンドの74年唯一作。シンフォニック・ジャズ・ロックと言え、管楽器奏者を含む5人(頭文字がバンド名)と数人の準メンバーで演奏されている。切れ味のいいオルガンや硬質のギターが自在にフレーズを繰り出し、朗々とした独語&英語で歌われていく中、纏わり付くように入るチェロ、クラシカルな哀愁を絡めるフルートが全編で味を深めている。パートによってはホーン・セクションも加わり、超マイナー・レーベル物とは思えない凝った聴き応えのある力作だ。リマスター。
ME-5079 7 PINES / Exit CD \2800
 あの伝説のバンド、ISLANDを思わせるキーボード・トリオの2011年作。ハモンド、ローズ、クラヴィ、メロトロンらがリズム・セクションと一体となって繰り広げるサウンドは、まさにスイスならではのもので、ダークでアグレッシヴなシンフォニック・ロックとテクニカルなカンタベリー色がミックスされ、ヴォーカルやコーラスにジェントル・ジャイアントの影響を、エレピにソフトマシーンの影響を感じさせるも、イタリアのヴィンテージ系のようなヘヴィさが凄みを見せ、終始オーラを放つ。実は、SISYPHOSのキーボーディストとベーシストが、別のドラマーと制作した作品で、全編で吹き荒れるメロトロンなど圧巻の内容となっている。
ME-5098 SICHER / Same CD \2600
 初CD化。クラシカルな風味を湛えたシンフォを聴かせる彼らの唯一の作品で、プライヴェート・プレスで81年にリリース。ツイン・キーボードにフルートやチェロも加えた7人編成で、中部ヨーロッパならではのメルヘンチックな夢見とバッハなどクラシックの影響を持つ。ブラス無しのEKSEPTIONや、隣国のEELA CRAIGを思わせるノスタルジーがありながら、当時の英国シンフォもミックスされ、年代が混じったプログレ要素を持つ80年代初期ならではのサウンドだ。それでもストイックな気質はスイスそのもの。叙情派ファンはぜひ。リマスター。*本編終了後に10秒ほど余白があり少し余分な音が入っていますが、全数ですのでご了承ください。
ME-5016 SISYPHOS / Moments CD \2980
 97年に突如、自主リリースされた驚愕作品。CIRCUSやISLANDも脅かす超強力な4人組。変拍子ビシバシ系のドラムス、そして、ハモンド、メロトロン、ピアノ、シンセで核を作るキーボード、唸るフレットレス・ベースと少々ウェットン似のヴォーカル、バランスの取れたアグレッシヴなギター、スイスならではの知的なインパクトと楽曲の独想性で全プログレ・ファンをまちがいなく圧倒!
ME-5080 SISYPHOS / Moments Live CD \2800
 98年のライヴ盤が再プレス。デビューは81年で、もう30年以上活動を続ける彼ら。アナログ作品時代の初期はニュー・ウェイヴの影響が強いアンダーグラウンド・ロックだったが、初のCD作となった97年の傑作、MOMENTSで驚愕のプログレッシヴなサウンドを打ち出した。本ライヴはそんな彼らの歴史を物語る内容で、全10曲のうち4曲はMOMENTSから、残りの6曲は80年代の曲(内1曲はLES SISYPHOSと名乗っていたトリオ時代のシングル)をリアレンジしたものだ。ハモンド、メロトロン、ギター、ヴォーカル、リズム・セクションが緻密かつラウドに繰り広げる圧巻の演奏が聴ける。キーボーディストは7 PINESを結成し、傑作デビュー作、EXITを2012年にリリースした。
ME-5048 SISYPHOS / Paraphernalia CD \2800
 4年掛けて録音され、7年振りにリリースされた04年作。メロトロンやハモンドはもちろん、本作ではヴィオラやチェロも加えられその完成度は恐ろしいまでに高められている。今やスポックスでもお馴染みとなったマルチ・コーラスも中世風に決め、リコーダーやクラヴィでの軽やかな切り返し、ジョブソン風のヴィオラ・ソロなどその筋のファンにはたまらないはず。もちろん、オリジナル性も高く、ヴォーカル・メロや展開が重厚でヨーロッパの影に満ち、静の曲ではハミルのような悲愴感にあふれる。古城のようなドラマチックさ。荘厳さ。厳格さ。ロマネスク・ヘヴィ・シンフォと呼びたい。
ME-5068 SISYPHOS / Retromania CD \2800
 5年振りとなる09年作。タイトルが予感させるヴィンテージ・スタイルの強力な最高レヴェルのプログレが展開されており、ハモンドの哀愁とメロトロンの緊迫感がギターの斬り込みと共に常にテンションをもたらし、ジェントルなヴォーカル、ダークなコーラス、妥協を許さないリズム・セクションらがクラシカルでかつオリジナリティーのあるサウンドを作り上げている。変拍子のスリリングさと溶け合うメロディックさ、そして追い討ちを掛けるドラマチックな重厚さは圧巻。絶えないヨーロッパのロマンと光景。すべてのプログレ・ファンへ。衝撃的だった97年作、ロマネスク・ヘヴィ・シンフォと化した前作の04年作、そして今回の凄さ。恐るべしグループ!
ME-5094 SISYPHOS / Against The Grain CD \2800
 7年振りとなる2016年作。ジェントル・ジャイアントをベースにアグレッシヴに円熟した作風となっており、ダークな空間をヘヴィでメロウな演奏が痛快に埋めていく。時にハミルやウェットンを思わせるジェントルなヴォーカルと巧みなコーラスをフィーチャーし、エキセントリックに唸るギターを始め、ジョブソン風のオルガン、ジャージィなエレピ、妖しいメロトロンをプログレッシヴに絡め、ラウドなリズム・セクションで一気に畳み掛ける強靭な内容だ。ドイツ語によるアコースティック寄りの幻想的なナンバーなど過去にない新味も加わっている。メンバーの怪我で録音が遅れていたが、ようやく待ちに待ったリリース! 自主盤。
ME-5106 SISYPHOS / Ocean Of Time CD \2850
 4年振りとなる2020年作。プログレへと転身し96年に傑作「Moments」でCDデビュー以後の鉄壁の4人にヴァイオリンなどゲストを加え録音。ハミル風のヴォーカルをフィーチャーし、オルガン、メロトロン、ギター、ヘヴィなリズム・セクションが変拍子を織り交ぜながら阿吽の呼吸で繰り広げる硬派なサウンドを展開。ひとつバンドを挙げるならジェントル・ジャイアントとなるが、ダークな凄みとほとんどオーヴァーダブのない録音はスイスならではで、何者もそこへ割って入れない結束があり、ハードな一面、ハッとさせられるメロトロンの純粋な哀愁やピアノの耽美さなど吸い込まれてしまう陰影は芸術の域。
ME-5120 SISYPHOS / Teardrop Symphony CD \3600
 70年代初期のロックをコンセプトに制作された2024年作。ジャケットやシタールを導入したラストで顕著なサイケデリックな要素も取り入れており、ハミル似のヴォーカルをフィーチャーし、鉄壁の4人がストレートに繰り広げるダークで棘のあるサウンドとなっている。変幻自在のハモンドとハードなギターがアンサンブルの核となり、切れの鋭いクラヴィやエレピ、幽玄なコーラスが効果的に配される。一聴シンプルに感じるも、展開や変拍子、キメの凝った、そしてそのストイックさはスイスならではと言え、屈折しクラシカルさも見せる6曲目、インストでじわじわと迫り来る7曲目などSISYPHOS然としたプログレッシヴな風格を見せる。曲によってはトリオ・ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターを思わせるところも。彼ららしい挑戦作となっている。自主盤。
ME-5104J WELCOME / Same CD \3450
 「ウェルカム / ウェルカム」 スイスの必聴シンフォの1枚と言える76年作1st。キーボード・トリオにてイエスを目指したテクニカルで清涼なサウンドだ。その印象は3人のコーラスによるところも大きいが、スクワイア張りのベースと硬いスネアのリズム・セクションをバックに雄大に広がるメロトロンや切り込みの効いたオルガンなどイエス系として最良だろう。加えてアコギの効果的な導入も見逃せない。バッキングで入るワウギターや突如ソロを取り始めるベーシストによるギターはイエスというよりはELPっぽい。甘ったるさがほとんどない攻撃的なテクスチャーはスイス産ならでは。解説&対訳付き。SHM-CD。リマスター&紙ジャケット。国内盤
ME-5105J WELCOME / You Are Welcome CD \3450
 「ウェルカム / ユー・アー・ウェルカム」 初CD化。凄く良いシンフォニック・ナンバーとポップなナンバーに分かれる79年作2nd。ベーシストが交代しスクワイア色が薄れた分、それが逆にオリジナリティを浮き上がらせ1stより質が高い。アナログ盤のB面すべてを使った長尺曲などメロトロンの手方まで他にないものがあり、キーボードをメインにした目くるめく展開はゲストでチェロも導入するなどヨーロッパ然とした叙情を秘め、絵画のような世界観を見せている。CD化にあったて曲順が変えられておりプログレ志向のナンバーを前半に収録。今聴くとポップな曲も悪くないと思う。解説&対訳付き。SHM-CD。リマスター&紙ジャケット。国内盤


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